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令和7砂糖年度の「砂糖及び異性化糖の需給見通し」について（農水省）

この記事の概要

農林水産省は、令和7砂糖年度（2025年10月1日〜2026年9月30日）とその第1四半期（10月〜12月）における砂糖および異性化糖の需給見通しを発表しました。年間での分蜜糖の消費は175万トン、異性化糖は78万トンと見込まれており、安定供給と価格調整に向けた基礎資料として重要な役割を果たします。

農林水産省は、砂糖および異性化糖の適切な価格形成と安定供給を図る目的で、四半期ごとに需給見通しを公表しています。今回発表された令和7砂糖年度に関する見通しでは、年間の消費量および10月から12月期の予測がそれぞれ明らかにされており、食品業界や関連企業にとって重要な参考情報となっています。

まず、砂糖の中でも主に上白糖やグラニュー糖として使用される「分蜜糖」の年間消費量は、1,750千トンと見込まれており、前年から2千トン（0.1％）の微減とされています。一方で10月から12月期に限った消費は470.9千トンとされ、季節的な需要の動きも考慮された数値となっています。

続いて、黒糖などの形で消費される「含蜜糖」については、年間で37千トンの消費が見込まれており、これは前年より1千トン（2.6％）減少しています。この種の砂糖は製品ベースでの計測であり、特定の消費者層や地域に支えられている点が特徴的です。10月から12月期では7.6千トンの見通しとされており、安定した需要が見込まれます。

加糖調製品、すなわち砂糖を加えて加工された食品原料等については、年間消費量が367千トンと予測されており、前年に比べて3千トン（0.8％）の増加となる見込みです。第1四半期の予測は96.7千トンであり、年末にかけての食品加工需要の高まりを反映していると考えられます。

さらに、主に清涼飲料などに使われる「異性化糖」の年間消費は780千トンと見込まれており、前年に比べて16千トン（2.1％）増加しています。特に10月から12月の3か月間での消費量は171.1千トンとされ、引き続き高い需要が維持されることが予想されます。異性化糖はぶどう糖と果糖の混合液糖で、コスト面や機能性から加工食品に広く使用されているため、飲料メーカーなどの安定供給にも直結する重要な項目です。

供給面では、国内産糖が年間652千トン、10月から12月では321.9千トンと見込まれ、国産の砂糖が需要の一定割合を支えていることが分かります。輸入糖については、年間1,130千トン、同期間では295.9千トンの供給が見込まれており、日本国内における砂糖供給の大部分を担っている構造が示されています。また、加糖調製品と異性化糖についても、それぞれ消費量と同じ数値が供給量として見込まれており、需給バランスの維持が前提とされています。

これらの見通しは、生産者、製糖業者、飲料・食品メーカーなど多くの関係者にとって、生産計画や価格交渉の基礎資料として活用されることが期待されています。特に、異性化糖の需要増は飲料市場や加工食品市場の動向と密接に連動しており、サプライチェーン全体での安定供給体制の構築が重要です。また、原材料価格の変動や気象条件による影響も考慮する必要があるため、今後の四半期ごとの見通しにも引き続き注目が集まります。

企業の購買・製造部門はもちろんのこと、経営判断や人材計画においても、こうした需給見通しのデータは価値ある情報源となります。特に食品業界では、原材料の確保と価格変動の予測が企業収益に直結するため、この種の統計は現場の実務に直結した重要性を持っています。

この記事の要点

• 分蜜糖の年間消費は1,750千トン、前年比で微減
• 異性化糖の消費は780千トンと前年より2.1％増加
• 10月から12月期では分蜜糖470.9千トン、異性化糖171.1千トンの消費が見込まれる
• 国内産糖の年間供給量は652千トン、輸入糖は1,130千トン
• 加糖調製品の年間消費は367千トン、前年比0.8％増
• 需給見通しは生産計画や価格調整に資する基礎資料として活用される

⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ