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2025年10月24日

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令和7年8月岩手県の有効求人倍率1.10倍、前月比0.05ポイント低下で採用環境に変化 北上は1.47倍、久慈は0.81倍と大きな差

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岩手県内の一般職業紹介状況(令和7年8月分)について(岩手労働局)


この記事の概要

令和7年8月の岩手県における有効求人倍率は1.10倍となり、前月比で0.05ポイント低下しました。有効求人数は23,844人で前月比3.2%減少し、有効求職者数は21,753人で1.9%増加しました。新規求人倍率も1.67倍と前月比0.02ポイント低下しており、産業別では宿泊業・飲食サービス業や製造業で求人が大幅に減少しています。地域によっても倍率の差が大きく、採用活動には一層の工夫が必要となっています。


岩手労働局が発表した令和7年8月分の一般職業紹介状況によれば、県内の雇用情勢は依然として求職者よりも求人が上回る状態を維持しているものの、弱含みの傾向が明確になっています。有効求人倍率(受理地別・季節調整値)は1.10倍で、7月の1.15倍から0.05ポイント低下しました。この結果、岩手県の倍率は全国平均の1.20倍や東北平均の1.18倍を下回り、地域の雇用市場が全国や東北の水準に比べて相対的に厳しい状況に置かれていることが浮き彫りとなりました。

有効求人数は23,844人で、前月から792人減少し3.2%のマイナスとなりました。一方、有効求職者数は21,753人で前月比403人増加の1.9%増となっており、求人減少と求職者増加が同時に進行しています。これは労働需給のバランスに変化が生じていることを示し、今後の雇用情勢に対して注意が必要です。

新規求人倍率は1.67倍で、2か月連続の低下となりました。新規求人数は8,379人で前月比69人減少の0.8%減となり、前年同月比では997人減少し10.6%のマイナスです。特に産業別にみると、宿泊業・飲食サービス業が前年同月比で37.9%減少、製造業も14.4%減少するなど、幅広い分野で新規求人が落ち込みました。医療・福祉も9.1%減となり、慢性的な人手不足を抱える業種での求人減少は大きな課題です。

一方で、卸売業・小売業は前年同月比で5.7%増加、不動産業や学術研究・専門技術サービス業も増加傾向を示しており、業種ごとの動きに明暗が分かれています。新規求人全体のうち正社員の占める割合は45.5%で、前年同月比2.6ポイント上昇しましたが、それでも求職者が希望する安定的な雇用に十分応えられていない実情が伺えます。

地域別にみると、内陸部の有効求人倍率は1.16倍であるのに対し、沿岸部は0.92倍と大きな開きがみられました。盛岡は1.10倍と横ばいですが、北上は1.47倍と高水準である一方、久慈は0.81倍と低く、地域間の格差が鮮明になっています。こうした地域ごとの差異は採用担当者にとって重要な指標であり、求人活動を行う際には地域特性を考慮した柔軟な戦略が不可欠です。

採用担当者の視点からすると、今回の統計結果は複雑な意味を持ちます。有効求人倍率が1.10倍と依然として求職者数を上回っている点は人材確保において優位に働きますが、新規求人の大幅な減少は中長期的に人材確保が難しくなる兆候でもあります。特に宿泊業や飲食サービス業、製造業、医療・福祉といった分野では、従来の採用手法だけでは十分な人材を確保できない可能性が高いため、処遇改善や職場環境の見直しが急務です。

また、新規求職者数が5,030人と前年同月比で2.8%増加していることは、転職希望者が増えている兆しと捉えることができます。これを好機ととらえ、採用活動のスピードを高めるとともに、企業の強みや魅力を効果的に発信することが重要です。採用条件やキャリア形成の支援制度を明確に提示することで、優秀な人材を競合他社よりも早く獲得できる可能性が高まります。

さらに、地域ごとの倍率差を踏まえた戦略的な採用活動も不可欠です。例えば倍率が低い沿岸部では採用候補者が比較的多い状況にあるため、積極的な広報や柔軟な労働条件の提示によって採用が進めやすいといえます。一方で倍率が高い北上などでは人材獲得競争が激しいため、給与や福利厚生の改善、柔軟な働き方の提供などで他社との差別化を図る必要があります。

この記事の要点

  • 令和7年8月の岩手県有効求人倍率は1.10倍で前月比0.05ポイント低下
  • 有効求人数は23,844人で前月比3.2%減少、有効求職者数は21,753人で1.9%増加
  • 新規求人倍率は1.67倍で2か月連続低下、前年同月比10.6%減
  • 宿泊業・飲食サービス業は37.9%減、製造業は14.4%減、医療・福祉も9.1%減
  • 地域間格差が顕著で、北上は1.47倍、久慈は0.81倍と大きな差
  • 新規求職者数は前年同月比2.8%増加し、転職希望者の増加傾向が見られる
  • 採用活動はスピード感と条件提示の明確化、地域特性を踏まえた柔軟な戦略が重要

⇒ 詳しくは岩手労働局のWEBサイトへ

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