2025年10月20日
労務・人事ニュース
令和9年9月から新型電気自動車にバッテリー火災対策試験が義務化される新基準とは
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最終更新: 2025年10月20日 11:04
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電気自動車等のバッテリー火災に対する安全性を確保します ~道路運送車両の保安基準等の改正について~(国交省)
この記事の概要
令和7年9月26日、国土交通省は、電気自動車等のバッテリー火災時における乗員の安全性向上を目的とした道路運送車両の保安基準等の改正を発表しました。新たな基準では、異常発熱時の火災防止や乗員保護に関する試験が義務化され、新型車は令和9年9月から、継続生産車は令和12年9月から適用されます。
世界的な脱炭素化の流れに伴い、電気自動車の導入が急速に進展する中で、安全性の確保は社会的にも極めて重要な課題となっています。我が国では、早くも平成19年に電気自動車の乗員保護に関する世界初の安全基準を策定し、それをもとに国際基準の整備をリードしてきました。こうした先進的な取り組みの延長線上として、今回の道路運送車両の保安基準等の改正が実施されます。
このたびの改正の最大の柱は、電気自動車やハイブリッド車のバッテリーに異常な発熱が生じた際における乗員保護性能の確保を目的とした新たな試験制度の導入です。特に注目すべきは、バッテリーが過熱状態に陥った場合を想定し、車内における火災・爆発・煙の放出が発生しないことを試験によって確認することが義務化される点です。この試験では、意図的にレーザー等の手法で一部の電池を過熱させ、その後、乗員が安全に脱出できる時間を確保することを条件にしています。基準では、バッテリー全体が異常発熱に至らないこと、または異常発熱の検知に基づく警告信号の発出後、少なくとも5分間にわたって火災や爆発、煙の放出が発生しないことが要件とされています。
この新基準の適用時期は、新型車については令和9年9月から、既存の継続生産車については令和12年9月からとされており、自動車メーカーにとっては十分な準備期間が設けられていることになります。さらに、この改正は本年3月に国連自動車基準調和世界フォーラム(WP.29)において、日本の提案が国際的に合意されたことを受けてのものであり、日本が引き続き国際的な安全基準策定をリードしていることも示しています。
また、今回の改正では、電気式ハイブリッド自動車および複数の駆動用電動機を備えた電気自動車に関するシステム出力の算定方法に関連する「協定規則第177号」の導入も行われます。これにより、国際基準と整合した性能表示が可能となり、利用者への透明性が高まるとともに、自動車の性能比較や国際展開においても有利に働くと考えられます。
あわせて、令和6年12月に公表された「自動車の型式指定に係る不正行為の防止に向けた検討会」の提言を踏まえ、基準適用時期の統合など制度面の運用改善も図られており、産業界全体の信頼性向上にも資する内容となっています。
この改正は、単に技術的な要件にとどまらず、電動化の加速に伴う新たな安全課題に対応し、持続可能なモビリティ社会の実現に向けた極めて重要な一歩と言えるでしょう。
この記事の要点
- 異常発熱したバッテリーに対して乗員保護試験の導入が決定された
- 警告信号発出後5分間は火災・爆発・煙がないことが安全基準の要件となる
- 新基準の適用時期は新型車で令和9年9月、継続生産車で令和12年9月
- 協定規則第177号の導入によりシステム出力の透明性が向上
- 国連フォーラムWP.29で日本の提案が国際合意され世界的基準化が進む
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ