2025年10月20日
労務・人事ニュース
年平均気温+1.48℃で過去最高、環境適応力が問われる時代に(令和6年地球温暖化影響調査レポート)
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最終更新: 2025年10月20日 00:34
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最終更新: 2025年10月19日 21:01
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最終更新: 2025年10月19日 21:01
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最終更新: 2025年10月19日 21:01
「令和6年地球温暖化影響調査レポート」の公表について(農水省)
この記事の概要
農林水産省は、令和6年における地球温暖化の影響と各地域で実施された適応策をまとめた「令和6年地球温暖化影響調査レポート」を公表しました。年平均気温偏差は+1.48℃と過去最高を記録し、水稲や果樹、野菜、畜産など幅広い分野で被害が確認されました。高温耐性品種の導入や遮光資材の活用などが対策として進められています。
令和6年の日本は、これまでにないレベルの高温に見舞われ、農業分野においても広範囲かつ深刻な影響が報告されました。農林水産省が取りまとめた「令和6年地球温暖化影響調査レポート」では、全国の都道府県から寄せられた報告を基に、水稲や果樹、野菜、花き、畜産などの各分野での高温被害の状況と、それに対する適応策の実施状況が詳細に整理されています。
特に注目すべきは、年平均気温偏差が+1.48℃に達し、これまでで最も高い値を記録した点です。この異常な気温上昇は、農業現場において極めて多様な影響を及ぼしました。水稲では、出穂期以降の高温により白未熟粒の発生が顕著になり、西日本では5〜6割、東日本でも3〜4割の地域で被害が見られました。加えて、夏の高温によるカメムシの発生が増え、東日本では2〜3割の地域で虫害の影響が確認されています。これに対して、農業者は高温耐性品種の導入や水管理の徹底、施肥方法の見直しなどにより対策を講じています。とりわけ、高温耐性品種の作付面積は前年より25,000ヘクタール増加し、全国で206,000ヘクタールに達しました。主食用米に占める割合は16.4%に上昇し、前年度から1.8ポイントの改善が見られています。
果樹分野では、りんごの花芽形成期から開花期にかけての高温が原因で着果不良が発生し、北日本では6〜7割の地域で影響が報告されました。ぶどうでは、果実肥大期以降の高温によって着色不良や遅延が見られ、西日本で4〜5割の地域に影響が及びました。うんしゅうみかんも日焼け果の発生が相次ぎ、こちらも西日本の4〜5割の地域で被害が生じています。これらに対し、果樹農家では着色性の高い品種や、見た目に依存しない販売が可能な品種への転換が進められており、りんごでは遮光資材の活用、みかんではカルシウム剤の散布や樹冠の管理といった工夫が進んでいます。
野菜分野でも深刻な影響が観測されました。トマトは高温と少雨によって着花・着果が阻害され、東日本および西日本で4〜5割の地域に影響が出ました。いちごでは花芽分化の遅れが確認され、西日本で5〜6割、東日本で4〜5割の地域が影響を受けています。これに対応して、遮光や遮熱資材の導入、新品種の栽培、クラウン部分の冷却装置の導入などが行われています。
畜産では、乳用牛が高温ストレスにより乳量や乳成分の低下を招き、東日本では3〜4割、西日本では2〜3割の地域で被害が報告されました。この分野では、牛舎内の換気や送風設備の強化、飼養環境の見直しが実施されています。
また、気候変動を前向きに捉え、新たな農作物への転換を試みる取り組みも進められています。北海道や秋田ではさつまいも(かんしょ)、青森ではもも、山形ではすだち、長野・鳥取・広島ではレモンといった、従来の地域ではあまり見られなかった作物の栽培に挑戦する動きが広がりつつあります。こうした柔軟な対応が、今後の持続可能な農業経営の鍵となっていくことでしょう。
企業の採用担当者にとっても、この調査結果は無関係ではありません。気候変動の影響を直視し、持続可能性や環境対応力を持った人材を確保することが、今後の事業運営においてますます重要となるからです。農業関連企業に限らず、製造業や食品流通業においても、高温耐性品種の開発、遮熱資材の生産、家畜用冷却設備の設計など、適応策の開発・提供に関わる人材が求められています。また、温暖化の影響による新たな事業機会やリスク管理への意識の高い人材は、企業の競争力を高める大きな資産となります。
この記事の要点
- 令和6年の年平均気温偏差は+1.48℃と過去最高を記録
- 水稲の高温耐性品種作付面積は206,000haで前年比25,000ha増
- 主食用米に占める高温耐性品種の割合は16.4%に上昇
- りんごやぶどうなど果樹で着果不良・着色不良が多数の地域で発生
- トマトやいちごの着果障害が東西日本の広範囲で確認された
- 乳用牛では乳量・乳成分の低下が3〜4割の地域で発生
- レモンやすだちなど新たな品目への挑戦が複数の県で始まっている
⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ