労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 2025年10月発効で有機酒類の輸出入が解禁、JAS対応人材の確保が必要に

2025年10月20日

労務・人事ニュース

2025年10月発効で有機酒類の輸出入が解禁、JAS対応人材の確保が必要に

Sponsored by 求人ボックス

有機酒類の輸出入が可能になります!(農水省)


この記事の概要

2025年10月1日から、日本と英国、米国、オーストラリア、ニュージーランドとの間で有機酒類に関する同等性が認められ、相互に「有機」または「オーガニック」と表示した上での輸出入が可能になります。有機JAS制度の適用拡大により、手数料や手間の軽減が期待され、有機日本酒などの輸出促進に大きな弾みがつく見通しです。


2025年10月1日より、日本国内で有機JAS認証を受けた酒類について、英国および米国へ「有機」または「オーガニック」として表示し、正式に輸出することが可能となります。これは、農林水産省および国税庁が長年協議を重ねてきた結果、同等性の確認が両国間で成立したことによる措置であり、これまで主に農産物や加工食品に限られていた有機JAS制度の適用対象が、ついに酒類にも拡大されたことを意味します。

この制度の発効により、これまで有機酒類に関して課されていた追加的な手続きや認証取得の負担が軽減されることから、特に有機日本酒や有機焼酎といった付加価値の高い国産酒の海外市場での流通拡大が見込まれています。日本の伝統的な酒造文化と、有機栽培・発酵技術が融合した酒類は、海外の健康志向やサステナブル消費を重視する層から高い評価を受ける可能性があり、輸出促進による経済波及効果も期待されます。

同様に、輸入に関しても各国が独自に定める有機認証制度に基づいて生産・加工された酒類が、日本国内で「有機」と表示されて流通することが可能となります。英国では地域ごとに異なるEU規則が適用され、イングランド、スコットランド、ウェールズにおいてはRegulation (EC) No 834/2007、北アイルランドではRegulation (EU) 2018/848に準拠する必要があります。米国ではNational Organic Programの基準に基づき、オーストラリアではNational Standard for Organic and Biodynamic Produce、ニュージーランドではOfficial Organic Assurance Programmeがそれぞれ適用されるとされています。

とりわけ注目すべき点は、2022年10月から有機酒類が正式に有機JAS制度の対象に加えられたことを受けて、各国との相互承認が一斉に進展したことです。これにより、有機酒類の輸出入が円滑化されるだけでなく、国内の酒造業者が海外市場を視野に入れた製品開発やブランディングに注力しやすくなります。これまで国内市場に限られていた事業展開に対し、新たな販路の開拓が可能となり、中小企業の国際競争力強化にもつながると見られます。

また、この制度の発効は、日本酒を中心とした酒類業界にとって、単なる貿易自由化の枠を超え、文化の発信や地域資源の国際化にも貢献する可能性を秘めています。地域ごとの特性を活かした有機酒類の開発が促進されることで、地方創生の一環としての酒造りが世界市場で評価される機会が増えるでしょう。特に、環境負荷の低減や農薬使用の最小化といった取り組みを明示できることは、企業のESG(環境・社会・ガバナンス)戦略とも親和性が高く、企業ブランディングや採用活動においても大きなアピールポイントとなります。

企業の採用担当者にとっても、こうした制度改正は注目すべき動向です。グローバル市場を見据えた展開が進む中で、多言語対応が可能な人材や、海外の有機認証制度に精通した専門人材の需要が高まることが予想されます。さらに、製造現場では有機JAS認証に対応した工程管理や品質保証体制の整備が必要となるため、認証制度の理解や実務経験を持つ人材の確保が競争力のカギを握るでしょう。今後、有機酒類の生産や流通に携わる企業は、人材育成や制度対応力の強化といった観点からも、新たな採用・研修戦略の構築が求められる段階に入ったといえます。

この記事の要点

  • 2025年10月1日から有機酒類の輸出入における同等性制度が発効
  • 有機JAS認証を受けた日本酒などが「有機」と表示して英国・米国へ輸出可能に
  • 米国ではNational Organic Programが、英国では地域ごとのEU規則が適用される
  • オーストラリアとニュージーランドも相互承認の対象となり輸出入が円滑に
  • 制度改正により輸出入にかかる手数料や手間が軽減される見通し
  • 日本国内での有機酒類の生産やブランディング強化が促進される
  • 企業にとっては海外認証やJAS制度に対応できる人材の確保が重要になる

⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ

パコラ通販ライフ
パコラ通販ライフ
PR記事作成サービス受付フォーム