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2025年10月20日

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累計自然減55万人超、少子高齢化が進む中で企業ができる雇用の多様化とは(令和7年7月分)

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人口動態統計速報(令和7年7月分)(厚労省)


この記事の概要

厚生労働省が令和7年7月分として公表した人口動態統計速報によると、日本国内における出生数が前年同月比で減少し続けていることが明らかになりました。一方で死亡数は減少に転じ、婚姻件数が大幅に増加するなど、人口動態に複雑な変化が生じています。出生と死亡の差である自然増減は引き続きマイナスとなり、人口減少の加速が続いています。


厚生労働省が発表した令和7年7月分の人口動態統計速報によると、日本における出生数は63,415人で、前年同月の65,231人と比較して1,816人減少し、減少率は2.8%に達しました。これにより出生率は前年同月比で6.1%減となり、長期的な少子化傾向が一段と深刻化しています。これに対し、同月の死亡数は119,340人で、前年の127,479人から8,139人減少し、6.4%の減少となりました。死亡率も前年同月比で11.4%低下しており、医療制度の改善や高齢者支援策の効果が表れている可能性があります。

出生数から死亡数を差し引いた自然増減はマイナス55,925人となり、前年のマイナス62,248人と比べてマイナス幅はやや縮小したものの、依然として深刻な人口減が続いています。出生数の減少は、若年人口の減少や晩婚化・未婚化、経済的理由による子育ての躊躇といった社会的背景が複合的に影響していると見られます。これに対し、死亡数の減少は一時的なものであり、高齢化の進行を考慮すれば中長期的には再び上昇することが懸念されます。

婚姻件数については前年同月の47,983件から58,764件へと10,781件増加し、22.5%という大幅な増加率を記録しました。これはコロナ禍で先送りされていた婚姻が回復しつつあることや、制度変更への駆け込み需要などが要因として考えられます。逆に離婚件数は15,300件で、前年の16,000件から4.4%減少しました。社会の変化や家庭内の支援制度の拡充が、家庭の維持に一定の効果を与えている可能性があります。

累計で見ると、令和7年1月から7月までの出生数は402,695人で、前年同期の415,305人と比較して12,610人減少し、減少率は3.0%でした。一方、死亡数は956,158人で前年よりも16,860人増加し、1.8%の増加となっています。結果として、自然増減のマイナス幅は553,463人となり、前年のマイナス523,993人から約29,470人拡大しています。これは年単位で見た場合でも、少子高齢化と人口減少の傾向が止まらないことを裏付けています。

死産数もわずかに増加しており、令和7年7月の時点で1,426件と前年同月比で116件増えました。累計では9,567件と前年より190件多く、8.9%の増加となっています。死産率の上昇は妊娠・出産環境の見直しが急務であることを示しています。

都道府県別の統計では、出生数が最も多かったのは東京都で7,942人、次いで大阪府の5,026人、神奈川県の4,570人となっており、都市部に出生が集中する傾向が見られました。逆に出生数が少なかったのは鳥取県の292人、高知県の275人など地方部で、人口減少の地域間格差が浮き彫りとなっています。婚姻件数も同様に東京都が最多で9,635件、大阪府が4,982件、神奈川県が4,715件と続き、都市部での婚姻が活発な一方、地方では結婚件数自体が大きく減少しています。

今回の統計は、企業の採用活動にも少なからぬ影響を与えると考えられます。出生数の減少は将来的な労働人口の縮小を意味しており、若年層の確保が一層困難になることが予想されます。そのため、地域の人口動向を的確に把握し、地方での採用戦略や若年人材の育成・定着策を強化することが求められるでしょう。また、婚姻件数の増加傾向に伴い、育児や家族との時間を重視する若手社員の価値観を尊重する柔軟な就業制度の整備も急がれる課題です。

死亡数の一時的な減少は、医療制度や介護政策の効果が期待される分野ですが、超高齢化社会に突入する中での持続可能な社会保障制度の構築が不可欠です。企業においても高齢者の活躍の場を広げる施策や、シニア人材の知見を活用するための仕組み作りが、中長期的な視点での人材戦略として重要になってくるでしょう。

この記事の要点

  • 出生数は前年同月比で1,816人減少し、63,415人となった
  • 死亡数は前年同月より8,139人減少して119,340人に
  • 婚姻件数は前年同月比で22.5%増の58,764件
  • 令和7年1月から7月までの累計出生数は402,695人で前年比12,610人減
  • 同期間の死亡数は956,158人で前年比16,860人増
  • 自然増減のマイナス幅は29,470人拡大し、553,463人の人口減
  • 都市部に出生と婚姻が集中し、地方の人口減少が鮮明に
  • 死産数は前年比8.9%増の1,426件で、妊娠出産環境への課題が浮上

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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