2025年10月17日
労務・人事ニュース
毎月勤労統計調査 令和7年7月分結果確報 きまって支給する給与が全国平均で28万9946円に、前年比2.1%の上昇
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毎月勤労統計調査 令和7年7月分結果確報(厚労省)
この記事の概要
厚生労働省が発表した「毎月勤労統計調査 令和7年7月分結果確報」によると、全国の労働者の名目賃金は前年同月比で着実に上昇し、とくに一般労働者や電気・ガス業、建設業などで顕著な伸びが確認されました。ただし、実質賃金は物価上昇の影響を受けて一部で減少しており、企業にとっては人件費上昇と賃金実感の乖離という二面性を持つ内容となっています。
厚生労働省が令和7年9月26日に公表した「毎月勤労統計調査 令和7年7月分結果確報」によれば、企業規模5人以上の事業所における労働者1人あたりの現金給与総額は平均で416,744円となり、前年同月比で3.4%の増加となりました。このうち、定期的に支払われる「きまって支給する給与」は289,946円で2.1%の増、所定内給与は269,793円で2.0%の増加、賞与などの「特別に支払われた給与」は126,798円で6.3%の大幅増加となっており、企業による報酬全体の引き上げ傾向が見られます。
就業形態別では、一般労働者の現金給与総額は552,064円で4.0%の増加、所定内給与も342,771円で2.5%増と堅調な伸びを示しています。一方、パートタイム労働者の現金給与総額は117,943円で2.4%の増加にとどまっており、所定内給与も108,651円で同じく2.4%増となりました。ただし、パートタイムの時間当たり給与は1,381円で3.1%上昇しており、時間単位での賃金水準は改善傾向にあります。
物価の上昇を加味した実質賃金指数においては、消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)を用いた場合で114.8となり、前年同月比で0.2%の減少という結果が出ています。これは名目賃金が上昇していても、物価の上昇率に追いついていない実態を反映しています。一方、消費者物価指数(総合)を用いた実質賃金指数は117.0で、前年同月比では0.3%の増加とわずかに上回っており、物価指標によって賃金実感に違いが出ることが読み取れます。
共通事業所による比較では、現金給与総額は全体で3.1%の増加、所定内給与は2.3%の増加となっており、継続的な事業所における賃金上昇が裏付けられました。一般労働者は現金給与が3.3%、パートタイム労働者は2.8%の増加で、どちらの労働形態でも上昇基調が継続しています。
業種別に見ると、電気・ガス業の賃金上昇が特に顕著で、現金給与総額は614,909円、前年同月比で23.3%増という急激な伸びを記録しました。これに次いで建設業(588,988円、8.4%増)や製造業(600,619円、4.5%増)でも高水準の賃金上昇が見られます。一方で、教育・学習支援業では362,993円で前年同月比0.7%の減少となり、業種ごとの格差も浮き彫りとなっています。
また、事業所規模30人以上のデータでは、現金給与総額は476,302円と3.6%の増加で、企業規模が大きいほど賃金水準の上昇幅が大きい傾向が見受けられました。一般労働者では4.0%増の591,639円、パートタイム労働者でも2.8%増の132,873円という結果で、幅広い層で賃金の引き上げが行われています。
労働時間に関しては、就業形態計での総実労働時間は141.8時間と前年同月比で0.3%の微増にとどまっており、長時間労働の抑制が続いている様子もうかがえます。所定内労働時間は132.0時間で0.4%の増加、所定外労働時間(残業)は9.8時間で3.0%の減少と、企業の働き方改革が引き続き影響していると見られます。
このように、名目賃金は各業種・労働形態で広く上昇している一方で、物価上昇の影響によって実質賃金は限定的な増加または減少を示しています。企業にとっては、労働者のモチベーション維持や採用競争力の確保を考慮した賃金戦略の見直しが、今後ますます重要になることが予想されます。
この記事の要点
- 令和7年7月の名目賃金は全体で3.4%増加
- 一般労働者の賃金は552,064円で4.0%の上昇
- パートタイムの時間当たり賃金は1,381円で3.1%増
- 電気・ガス業の賃金が前年同月比で23.3%と大幅上昇
- 実質賃金は消費者物価の影響で0.2%減少
- 労働時間は141.8時間と前年同月比で0.3%の微増
- 事業所規模が大きいほど賃金水準が高い傾向
- 賞与など特別給与は6.3%増と顕著な伸び
- 建設業や製造業でも賃金上昇が顕著
- 教育関連業種では賃金が微減し、業種間格差が明確に
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ