2025年10月31日
労務・人事ニュース
令和7年9月の北陸経済、有効求人倍率低下が続き雇用回復に遅れ
-   地元密着・福岡県北九州市内の訪問看護のお仕事/即日勤務可 
                            
                            最終更新: 2025年10月31日 09:35 
-   直行直帰OK週2,3日~、大規模ステーションでの訪問看護師のお仕事/高時給/車通勤可/残業なし 
                            
                            最終更新: 2025年10月31日 07:03 
-   訪問看護ステーションでの訪問看護師業務/即日勤務可/シフト 
                            
                            最終更新: 2025年10月31日 09:35 
-   シフト訪問看護のお仕事/看護師/残業なし/即日勤務可/シフト 
                            
                            最終更新: 2025年10月31日 09:35 
景気ウォッチャー調査(令和7年9月調査)― 北陸(現状)―(内閣府)
この記事の概要
令和7年9月に実施された景気ウォッチャー調査によると、北陸地域の景気はおおむね横ばいで推移しているが、物価高や人手不足の影響が依然として強く、雇用環境にも慎重な姿勢が見られる。有効求人倍率は前年同月比で低下が続いており、求人数・求職者数ともに減少傾向にある。特に製造業で新規の派遣依頼が減少している一方、中小企業では慢性的な人材不足が続き、採用難が長期化している。景気回復への期待がある中で、地域経済はまだ安定的な成長軌道には乗り切れていない。
令和7年9月の北陸経済をみると、観光業や飲食業を中心に一部で回復の兆しが見られる一方、個人消費や雇用環境には厳しさが残る。夏の終わりから秋にかけて観光客が増加し、インバウンド需要も堅調に推移した。一般レストランでは、国内外からの観光客が増え、前年同月を上回る来客数となった。また、百貨店では食品物産展が好調で、前年の過去最高売上を更新したとの報告があった。しかしながら、物価高による消費抑制の影響は強く、衣料品や家電などの耐久消費財は動きが鈍い。
商店街では、衣料品の売上が天候不順の影響で低迷し、最寄り品を扱う店は堅調でも、買回り品の販売が伸び悩んでいる。スーパーでは特売品に購入が集中し、客単価や買上点数に変化がない。消費者の節約志向は依然として強く、必要なものだけを買う「目的買い」が定着している。コンビニエンスストアでも売上は前年とほぼ同水準を維持したが、原材料費や人件費の上昇が収益を圧迫している。特に最低賃金の引き上げによる人件費増加が利益を減らしており、値上げ分の利益をすべて確保できず、経費の増加分を補い切れていない店舗が多い。
自動車関連業では、新車販売が3か月連続で前年を下回った。価格上昇や燃料費の高止まりが影響し、修理や整備で対応する顧客が増えている。販売店によれば、車の購入を控える動きが顕著で、前年と比較して新車販売は約10%減少しているという。一方、エアコンやパソコンなどの家電製品は、残暑の影響やOS切り替え特需により販売が好調で、店舗によっては前年比を上回る売上を記録した。
建設業や住宅関連業では、能登半島地震からの復興需要が引き続き見られる。住宅建設は増加しているが、資材費や人件費の上昇、職人不足などの課題を抱えている。住宅販売会社では「客の購入意欲は高いが、現場体制が整わず工期が長期化している」との声が上がっている。また、不動産業界では都市部を中心に再開発案件が進行しているものの、地域によって動きに差があり、法人取引が限定的な状況が続いている。
企業動向を見ると、電気機械器具製造業や化学工業では受注量が横ばいで推移しており、今後の回復の兆しは限定的である。食料品製造業では、能登半島地震による被害から1年以上が経過したものの、依然として震災前の売上水準を下回る状況が続いている。繊維工業ではスポーツ・アウトドア関連の需要が堅調だが、米国の関税政策の影響が今後顕在化する可能性が指摘されている。
一方、雇用環境の面では、有効求人倍率の低下が続いている。職業安定所の報告によると、令和7年9月の北陸地域では求職者数・求人数ともに若干の減少が見られ、有効求人倍率は前年同月比で下がり続けている。原材料費や燃料費の高騰、人件費の上昇などが企業経営を圧迫しており、新規採用を控える動きがみられる。特に製造業では派遣人材の新規受け入れを減らす企業が増えており、人材派遣会社によると「新規の派遣依頼が少なく、求人数の伸びが止まっている」とのことだ。
民間職業紹介機関の担当者は、「人手不足の状態は続いているが、企業が求める人材と求職者の希望が一致しない」と述べている。高齢者や短時間勤務を希望する求職者が増える一方で、企業側はフルタイムで働ける即戦力を求めており、マッチングが難航している。結果として、求人は出ているが採用が決まらない「採用難」が顕著になっている。
税理士など企業支援の現場からは「受注は堅調だが、人件費増加によって利益率が悪化している」との声が多い。増収でも減益となる企業が目立ち、採用や設備投資に慎重な姿勢を取る傾向が広がっている。こうした状況が雇用環境の停滞を招き、求人倍率の改善を妨げている。
総じて北陸地域の経済は、復興需要や一部消費の回復を背景に底堅さを保っているが、物価上昇や人件費高騰が企業経営を圧迫し、雇用の拡大にはつながっていない。特に求人の動きが鈍化していることが懸念されており、地域の経済回復には、労働市場の活性化と人材マッチングの改善が不可欠である。
この記事の要点
- 令和7年9月の北陸経済は横ばい推移で一部業種に回復の兆し
- 有効求人倍率は前年同月比で低下が続き求人数も減少傾向
- 製造業で新規派遣依頼が減少し採用活動は鈍化
- 能登半島地震の復興需要が建設業を支えるが職人不足が深刻
- 人件費と原材料費の上昇により中小企業の利益率が悪化
- 求職者の高齢化と短時間勤務希望がマッチング難を招く
⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ
 
  
  
 
 
                                        

