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2025年10月29日

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令和7年8月の埼玉県有効求人倍率1.16倍、採用環境に鈍化の兆し

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埼玉労働市場ニュース(令和7年8月分)(埼玉労働局)


この記事の概要

令和7年8月、埼玉労働局が発表した雇用情勢によると、埼玉県の有効求人倍率(季節調整値)は1.16倍となり、前月から0.02ポイント低下しました。求人数は減少し、求職者数は増加しており、企業の採用活動が一部で足踏み状態にあります。産業別では情報通信業やサービス業で求人が増えた一方、医療・福祉、宿泊・飲食業などで減少が続き、業種間の二極化が進んでいます。本記事では、埼玉県の最新データに基づき、採用担当者がどのように求人倍率を読み取り、今後の採用活動をどのように展開すべきかを詳しく解説します。


令和7年8月の埼玉県における有効求人倍率は1.16倍で、前月比0.02ポイントの低下となりました。前年同月と比較しても同水準を維持しており、全体としては安定しているものの、足元ではやや鈍化傾向が見られます。有効求人数は103,242人で前月比1.1%減少、有効求職者数は89,151人で前月比1.2%増加しました。新規求人倍率は2.08倍と、前月より0.14ポイント低下しており、新規求人数の伸び悩みが鮮明になっています。

埼玉労働局は、「求人が求職を上回る状況は続いているが、一部で求人の動きに足踏みが見られる」と分析しています。特に物価上昇の影響や人件費負担の増加が企業の採用意欲を抑制する要因となっており、採用活動の慎重化が進んでいます。

新規求人数は35,777人で前月比2.4%減少しました。前年同月比でも4.5%減少しており、2か月ぶりの減少です。新規求職者数は17,172人で前月比4.1%増加し、求職者の動きがやや活発化しています。これにより、求職者の増加に対して求人が追いつかない構図が生まれつつあります。

雇用形態別では、フルタイムの新規求人が19,908人で前年同月比6.4%減少、パートタイム求人が13,654人で1.6%減少しました。求職側を見ると、フルタイム希望者が9,294人(2.3%増)、パート希望者が5,510人(6.3%増)と、パートタイムで働くことを希望する層が増加しています。これは、物価高騰の影響を受けながらも柔軟な働き方を求める労働者が増えている現状を反映しています。

産業別に見ると、主要11産業のうち4産業で新規求人数が増加しました。特に情報通信業が前年同月比26.2%増と顕著な伸びを示し、ソフトウェア開発などIT関連職種の需要が高まっています。また、サービス業(他に分類されないもの)は前年同月比20.0%増、警備業や労働者派遣業が増加を牽引しました。卸売・小売業も6.7%増と持ち直しており、特に食料品小売業など生活必需品分野での人材需要が高まっています。

一方で、生活関連サービス業・娯楽業は24.2%減、教育・学習支援業は20.7%減、医療・福祉は12.3%減と大幅な減少が目立ちます。とくに医療・福祉分野では、介護・児童福祉事業を中心に求人が減少しており、現場の厳しい労働環境や離職率の高さが影響していると見られます。

正社員の有効求人倍率は受理地別で0.81倍、就業地別で0.91倍といずれも前年同月と同水準でした。新規求人全体のうち正社員求人の割合は46.9%で、前年同月から2.5ポイント低下しています。正社員就職の割合も36.9%にとどまり、企業が非正規雇用を活用して人員を補う傾向が続いています。これは、固定費削減を重視する経営判断の現れであり、安定雇用を求める求職者との間でミスマッチを引き起こす要因にもなっています。

地域別の状況を見ると、ハローワーク川越所が1.13倍、大宮所が0.99倍、所沢所が0.99倍、秩父所が1.36倍と地域によってばらつきが見られます。県北部の熊谷所や本庄所では1.02倍前後を維持しており、工業地帯を中心に求人需要が比較的堅調です。一方、春日部所では0.78倍、朝霞所では0.68倍と低水準で、都市部の住宅地周辺では雇用環境の弱さが見られます。

採用担当者にとって、この1.16倍という数値は「採用環境の変化期」を示す重要なシグナルです。求人が求職を上回る状態ではありますが、求人数の減少と求職者数の増加が同時に進行しており、労働市場の需給バランスが微妙に変化しています。つまり、従来の「求人を出せば応募がある」という状況から、「求人の質と発信方法によって応募数が変わる」段階に移行しているといえます。

採用活動の観点からは、まず求人内容の見直しが欠かせません。企業の採用担当者は、単に賃金や待遇を示すだけでなく、働きがい・職場文化・キャリア形成の視点を具体的に伝えることが重要です。特に若年層の応募者は「長く働ける会社か」「スキルが身につくか」を重視しており、企業が人材育成やキャリアサポートに積極的であることをアピールすることが採用成功の鍵となります。

また、埼玉県ではIT産業や流通業など、成長分野での人材獲得競争が激化しています。採用担当者は自社の業界が競争の激しい分野にあるかどうかを分析し、他社との差別化を明確にする必要があります。例えば、リモートワーク制度の導入、フレックスタイム制度、資格支援制度など、働き方の柔軟性や成長支援策を具体的に提示することで、応募者に「この会社で働きたい」と思わせる要素を作ることが重要です。

さらに、パートや短時間勤務を希望する人材への対応も欠かせません。埼玉県では共働き世帯が多く、育児や介護と仕事を両立する層の労働参加が高まっています。企業が柔軟なシフト制度や在宅勤務の一部導入を進めることで、こうした層からの応募が増加します。労働力不足が続く中、従来のフルタイム中心の採用戦略から脱却し、ダイバーシティ採用を意識することが求められます。

一方で、採用した人材を定着させるための職場環境づくりも課題です。特に中小企業では、採用後のミスマッチによる早期離職が目立ちます。労働条件の明確化、社内コミュニケーションの活性化、メンター制度などを通じて、安心して働ける環境を整備することが、人材定着につながります。採用担当者は「採ること」だけでなく「育てること・つなぎとめること」までを採用戦略の一部として捉えるべきです。

この記事の要点

  • 令和7年8月の埼玉県有効求人倍率は1.16倍で前月比0.02ポイント低下
  • 有効求人数は103,242人で減少、求職者数は89,151人で増加
  • 新規求人倍率は2.08倍に低下し求人意欲に鈍化の兆し
  • 情報通信業・サービス業で求人増、医療福祉・宿泊業で求人減
  • 正社員求人割合は46.9%で前年より低下
  • 地域間で倍率格差が大きく、秩父1.36倍、朝霞0.68倍
  • 採用戦略は育成型採用と柔軟な働き方の提示が鍵

⇒ 詳しくは埼玉労働局のWEBサイトへ

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