2025年10月29日
労務・人事ニュース
令和7年8月の群馬県有効求人倍率1.23倍、採用環境が5か月連続で悪化
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労働市場速報(令和7年8月)(群馬労働局)
この記事の概要
令和7年8月、群馬労働局が発表した最新の雇用情勢によると、群馬県の有効求人倍率(季節調整値)は1.23倍となり、前月の1.27倍から0.04ポイント低下しました。求人数は前年同月比で減少し、有効求職者数は増加傾向を示しています。県内では求人が求職を上回っているものの、物価上昇の影響などで雇用環境には弱さが見られ、企業の採用活動にも慎重さが広がっています。本記事では、群馬県の最新データをもとに、企業の採用担当者がどのような戦略で採用活動を進めるべきかを詳しく解説します。
令和7年8月の群馬県における有効求人倍率(季節調整値)は1.23倍で、前月比0.04ポイント低下しました。これは5か月連続の低下であり、前年同月の1.27倍を下回っています。有効求人倍率とは、求職者1人に対してどの程度の求人数があるかを示す指標で、1を超えている場合は求人が求職を上回る「売り手市場」であることを意味します。群馬県は依然として1倍を超えていますが、その水準は緩やかに低下しており、企業の採用環境が徐々に厳しくなりつつあることを示唆しています。
月間有効求人数は32,023人で前年同月比5.0%減と、30か月連続で減少しました。一方、月間有効求職者数は26,500人で前年同月比2.7%増となり、求職者の動きがやや活発化しています。新規求人数は10,322人で前年同月比8.2%減と2か月連続の減少、新規求職申込件数は4,869人で前年同月比2.3%減となりました。このように、求人数と求職者数の双方で減少傾向が続く中、求人倍率の低下は労働需給バランスの変化を明確に示しています。
正社員の有効求人倍率(原数値)は1.02倍で、前年同月とほぼ同水準でした。全国平均が1.09倍であることから、群馬県の正社員採用環境はやや厳しい状況にあるといえます。特に正社員採用では、求職者が安定雇用を求める一方で、企業は即戦力を重視する傾向が強く、マッチングが難航する場面が目立っています。
産業別に見ると、群馬県では製造業が依然として主要産業の一つを占めていますが、新規求人数は前年同月比で8.2%減少しました。特に食料品製造業(▲17.9%)や金属製品製造業(▲20.0%)での落ち込みが大きく、景気の変動やコスト高が生産現場に影響を与えていることがうかがえます。一方、建設業は19.9%増と好調で、インフラ整備や住宅関連の需要拡大が続いています。卸売・小売業は3.3%増と2か月ぶりに増加しましたが、宿泊・飲食サービス業は22.6%減と依然厳しい状況です。医療・福祉分野は9.5%減で、慢性的な人手不足が課題となっています。
地域別の有効求人倍率を見ると、高崎市が1.60倍と県内で最も高く、次いで藤岡市1.53倍、富岡市1.40倍と続きます。一方、桐生市は0.86倍、渋川市は0.83倍と低水準であり、地域間格差が明確に現れています。製造業が集積する太田市では0.92倍とやや低く、自動車関連産業の生産調整が影響していると見られます。このように、群馬県内でも地域によって採用の難易度が大きく異なり、企業の採用担当者は地域特性に合わせた戦略的なアプローチが求められます。
採用担当者が特に注目すべきは、有効求人倍率が「緩やかな低下傾向」にある点です。求人数が減少している一方で求職者が増えているということは、企業にとって採用のチャンスが拡大しているようにも見えますが、実際には求職者のスキルや希望条件が企業ニーズと合致しないケースが多く、採用難の構造は解消されていません。そのため、採用活動では「即戦力だけを求める姿勢」から脱却し、人材育成を前提とした採用に切り替える必要があります。
例えば、製造業や建設業など技能が必要な業種では、未経験者を採用して育てる体制づくりが今後の競争力を左右します。入社後の教育体制を明確に打ち出すことで、応募者の安心感を高める効果もあります。また、若手人材だけでなく、女性やシニア層、外国人材といった多様な人材を活用する視点も重要です。群馬県は自動車、電機、精密機械などの製造業が盛んな地域であり、技術継承の観点からも多世代型の人材活用が不可欠です。
さらに、物価上昇が続くなかで、求職者は「給与水準」だけでなく「働きやすさ」や「安定性」を重視しています。採用担当者は求人票の中で単なる賃金額だけを強調するのではなく、職場の風通しの良さ、残業削減への取り組み、福利厚生の充実といった“働く環境の魅力”を伝える工夫が求められます。求職者が企業を選ぶ際、最も注目しているのは「安心して長く働ける会社かどうか」です。その信頼を得るための情報発信が欠かせません。
また、地域間の求人倍率の差を踏まえると、採用担当者は採用範囲の広域化も検討すべきです。オンライン面接やリモートワークの導入により、県外や遠方からの応募者を受け入れる企業も増えています。特に製造業など現場勤務が中心の業種でも、設計や管理部門ではテレワークが可能な職種が増えており、柔軟な働き方を提示できる企業が選ばれる傾向があります。
総じて、令和7年8月の群馬県の有効求人倍率1.23倍という数字は、求人が求職を上回る状況を維持しつつも、労働市場の均衡が徐々に変化していることを示しています。採用担当者にとっては、求人倍率のわずかな変動にも敏感に反応し、自社の採用活動を客観的データに基づいて見直す姿勢が必要です。求職者にとって魅力的な企業とは、単に待遇が良い会社ではなく、「誠実に向き合い、成長を支える企業」であることを意識しなければなりません。
この記事の要点
- 令和7年8月の群馬県有効求人倍率は1.23倍で前月から0.04ポイント低下
- 求人数は前年同月比8.2%減で2か月連続の減少
- 有効求職者数は2.7%増で労働需給の均衡に変化
- 正社員有効求人倍率は1.02倍で全国平均を下回る
- 製造業と宿泊・飲食業で求人が減少、建設業は増加
- 地域間で求人倍率に格差があり高崎・藤岡で高水準
- 採用戦略は育成型・多様化型・広域採用の3本柱が鍵
⇒ 詳しくは群馬労働局のWEBサイトへ


