2025年10月27日
労務・人事ニュース
全国の労働者3136万人、平均給与33万8252円 令和7年4月勤労統計結果公表(事業所規模30人以上)
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この記事の概要
厚生労働省が発表した令和7年4月分の「毎月勤労統計調査(事業所規模30人以上)」によると、全国の常用労働者数は約3,136万人で、1人あたりの総実労働時間は145.4時間、現金給与総額は338,252円でした。特に東北地方では労働時間が長く、青森県では152.8時間と全国で最長を記録しました。賃金は地域によって差があり、地方では労働時間の長さに対して給与水準が低い傾向が見られます。
令和7年4月、厚生労働省が実施した「毎月勤労統計調査(事業所規模30人以上)」の結果が公表されました。この調査は、全国の中堅規模以上の事業所における労働者の雇用・労働時間・賃金の実態を明らかにするもので、日本の経済動向を示す基幹統計のひとつです。今回の結果は、企業活動の回復や人材確保の動きが続く中で、地域別の働き方や賃金の実態を浮き彫りにしています。
全国の常用労働者数は3136万2千人で、前月からやや増加しました。総実労働時間は145.4時間で、前月比では微増となっています。所定内労働時間は133.4時間、所定外労働時間(残業など)は12時間でした。出勤日数の平均は18.3日で、前月とほぼ同水準です。これにより、一定の労働時間を維持しながらも、繁忙期の影響で所定外労働がやや増加したことがうかがえます。
地域別に見ると、北海道では総実労働時間が143.7時間、所定外労働が9.9時間で全国平均よりやや短く、出勤日数は18.7日でした。現金給与総額は284,000円で、定期的に支給される給与は274,925円、所定内給与は256,055円でした。青森県は総実労働時間が152.8時間と全国最長で、出勤日数も19.7日に達しました。しかし現金給与総額は270,120円にとどまり、全国平均の338,252円を大きく下回っています。長時間労働にもかかわらず給与水準が低いという構造的な課題が明らかになっています。
岩手県でも総実労働時間は150.7時間、所定外労働時間は10.9時間と高く、給与総額は280,190円でした。宮城県は総実労働時間が149.8時間、給与総額は311,549円で、東北地方の中では比較的高水準を示しています。これらの数値からは、地方において依然として労働時間の長さと賃金格差の問題が根強いことが読み取れます。
全国平均の現金給与総額は338,252円で、そのうち「きまって支給する給与」が323,962円、「所定内給与」が298,405円、「特別給与(賞与など)」が14,290円でした。特別給与は季節要因によって変動があるものの、春季としては比較的高い水準となりました。これは、企業が業績回復を背景に社員への還元を進めた結果とみられています。
この統計結果は、企業の採用・人事戦略にとっても示唆に富むものです。全国的に賃金水準が上昇する一方で、地域差は依然として大きく、都市部では労働時間が比較的短くても高給与を実現しているケースが多いのに対し、地方では労働時間が長くても賃金が低い傾向が続いています。この構造的な差は、企業の人材確保戦略に大きな影響を与える要因の一つとされています。
また、労働時間の平均値から見ると、所定外労働時間が依然として10時間を超える地域が多数存在しており、働き方改革の浸透が道半ばであることも示唆されます。特に青森県や岩手県などでは、長時間労働が常態化している一方で、労働生産性の向上や賃金改善が追いついていない状況にあります。厚生労働省は今後もデータを基に地域ごとの雇用環境の改善を促し、労働条件の均衡化を進める方針です。
企業側にとっては、このようなデータを採用戦略や賃金設計に反映することが求められます。人材確保が困難化する中で、賃金水準の見直しや柔軟な勤務制度の導入は避けて通れません。地方企業にとっては、働き方の改善が採用競争力を高める鍵となるでしょう。
この記事の要点
- 全国の常用労働者数は約3136万人で前月より増加
- 全国平均の総実労働時間は145.4時間、所定外労働時間は12時間
- 全国平均の現金給与総額は338,252円
- 青森県の労働時間は152.8時間で全国最長、給与は270,120円にとどまる
- 地域間の賃金格差と長時間労働の傾向が継続
- 企業は採用戦略や賃金設計の見直しが急務
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ


