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2025年11月21日

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九州勢が躍進、福岡26兆円・熊本4兆9,000億円で地域成長を主導【2024年調査】

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「2024年経済構造実態調査」三次集計結果 産業横断調査(事業所に関する集計)(総務省)


この記事の概要

総務省が公表した「2024年経済構造実態調査(三次集計)」によると、2023年の全国の事業所売上高は約663兆円に達した。都道府県別では、卸売業・小売業で東京都が229兆8,888億円と全国の34.6%を占め、製造業では愛知県が59兆2,695億円(15.4%)で首位となった。医療・福祉分野では東京都が78兆9,815億円(42.1%)と圧倒的な規模を示している。


総務省と経済産業省が実施した「2024年経済構造実態調査(三次集計)」の結果が10月29日に発表された。この調査は、国内の産業構造や付加価値の実態を把握し、国民経済計算の精度向上に役立てることを目的として行われている。今回の集計では、事業所単位での売上高や産業別分布を明らかにしており、全国の経済活動の地域差や産業集中の状況が浮き彫りとなった。

2023年の全国における総売上高は663兆4,865億円に達し、そのうち卸売業・小売業が全体の約38%を占めた。都道府県別に見ると、東京都の売上高が229兆8,888億円で全国シェア34.6%と圧倒的に高く、次いで大阪府が70兆1,428億円(10.6%)、愛知県が49兆8,909億円(7.5%)と続いた。首都圏・関西圏・中京圏が日本の経済活動の中心を構成していることが改めて示された。

製造業においては、愛知県が59兆2,695億円(全国比15.4%)でトップとなり、大阪府が20兆4,682億円(5.3%)、静岡県が20兆1,044億円(5.2%)と続いた。特に愛知県は自動車関連産業を中心に製造拠点が集中しており、全国の製造業をけん引していることがわかる。また、製造業の強さは雇用にも直結しており、県内では中小企業を含めた部品供給網が広がり、エンジニアや製造オペレーターの需要が高まっている。

一方で、医療・福祉分野では東京都が78兆9,815億円(全国の42.1%)と突出しており、2位の大阪府(9兆6,872億円)、3位の神奈川県(7兆9,476億円)を大きく引き離している。首都圏には大規模病院、介護施設、医療関連企業が集中しており、医療人材の需要も高水準にある。医療・福祉分野は、今後の高齢化社会を支える主要産業として位置づけられており、地域雇用への貢献度が高い。

都道府県別の産業構造を見ると、地域ごとの特徴が鮮明だ。北海道や東北地方では農業・食品加工関連の製造業が中心で、北海道の売上高は2兆755億円(全国3.1%)を記録。東北では宮城県が1兆2,787億円(1.9%)と比較的高い割合を占める。中部地方では長野県や静岡県が製造業を支える拠点となっており、静岡県では製造業売上高が20兆円を超えるなど、輸送機械・精密機器分野での存在感が際立つ。

関西圏では、大阪府の卸売・小売業売上高が70兆円を超え、全国2位を堅持している。特に商社・流通・サービス業を中心とするビジネス構造が地域経済を支えており、兵庫県(17兆7,660億円)や京都府(9兆7,884億円)も周辺経済圏として高い活動水準を維持している。また、近畿地方は製造業からサービス業への転換が進み、IT関連や医療機器分野などの新興産業が拡大している。

九州地方に目を向けると、福岡県が26兆2,596億円(全国の4.0%)で九州最大の経済規模を持つ。熊本県も4兆9,633億円(0.7%)と半導体製造を中心に高成長を続けており、近年は国内外からの投資が集中している。これらの動きは雇用創出にもつながっており、製造業の技術職や設備管理、物流職など幅広い人材の需要が高まっている。

この調査では、都道府県ごとの産業構成比に加え、事業所数や従業者数なども今後の集計で公表される予定だ。総務省は「地域ごとの産業特性を可視化することで、労働市場や地方創生政策の立案に資するデータを提供していく」としている。企業にとっても、このデータは採用戦略の立案において重要な示唆を持つ。特に、製造業や医療・福祉といった人手不足分野では、地域別の雇用需要を把握することが人材確保の鍵となるだろう。

このように、「2024年経済構造実態調査」は、わが国の産業活動の構造を明らかにし、地域ごとの経済動態を読み解く上で重要な基礎資料となっている。東京都・大阪府・愛知県の三大都市圏が日本の経済の中核を担う一方で、地方でも製造や医療など地域特性に根ざした産業が確実に発展を続けていることが明らかになった。

この記事の要点

  • 全国の事業所売上高は約663兆円、うち卸売・小売業が約38%を占める
  • 東京都が229兆8,888億円で全国34.6%、大阪府と愛知県が続く
  • 製造業トップは愛知県で59兆2,695億円(全国の15.4%)
  • 医療・福祉分野は東京都が78兆9,815億円(全国の42.1%)で突出
  • 九州では福岡県と熊本県が高成長、製造・半導体分野がけん引
  • 調査結果は地域の産業構造と雇用需要を示す重要データ

⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ

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