2025年11月19日
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設備投資目的の37.3%が更新・維持 中小製造業は慎重姿勢を維持
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最終更新: 2025年11月18日 21:02
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第133回中小製造業設備投資動向調査 2025年度修正計画(日本公庫)
この記事の概要
日本政策金融公庫が2025年10月28日に公表した「第133回中小製造業設備投資動向調査(2025年度修正計画)」によると、2025年度の国内設備投資額は2024年度実績と比べて横ばい(増減率0.0%)となり、全体として投資意欲はやや落ち着いた傾向がみられることが明らかになった。上半期は前年同期比で8.6%減少したものの、下半期は7.9%増加し、年度全体では均衡する形となった。日本の中小製造業が足元の経済環境やコスト上昇、為替の変動に対応しながら、慎重な投資判断を進めている様子が浮き彫りとなっている。
今回の調査は、総務省の事業所母集団データベースを基に抽出した全国の中小製造業55,633社を対象に実施され、有効回答企業数は5,286社、有効回答率は72.4%であった。調査は年2回行われ、今回は2025年9月上旬の時点での修正計画をまとめたものである。
2025年度の国内設備投資額は30,407億円で、前年の30,421億円からわずかに減少し、増減率は0.0%と横ばいとなった。2024年度の実績が8.4%の増加を記録していたのに対し、今回の結果は成長の一服感を示している。上半期は13,376億円で8.6%の減少、下半期は17,031億円で7.9%の増加と、後半に向けて回復傾向が見られた。
業種別にみると、全17業種のうち9業種で設備投資額が減少した。特に「木材・木製品」や「鉄鋼」での落ち込みが顕著で、それぞれ前年度比で30%を超える減少を記録した。一方で、「はん用機械」「業務用機械」「輸送用機器」「化学」などでは堅調な伸びを示し、特に「業務用機械」では42.6%の増加と高い成長をみせた。また、「パルプ・紙」は21.5%増となっており、素材系や環境関連分野での投資拡大も確認された。
設備投資の内容別にみると、「機械・装置」への投資が引き続き全体の56.0%を占めており、前年より6.6%増加した。一方で、「土地」への投資は12.8%減少して6.6%、「建物・構築物」は4.1%減少して29.9%となった。「船舶・車両・運搬具・耐用年数1年以上の工具・器具・備品等」は14.8%減と減少が大きく、コスト高を背景に耐久資産への新規投資が抑制されている傾向がうかがえる。
投資の目的別では、「更新、維持・補修」が37.3%と最も高く、次いで「能力拡充」が26.4%、「新製品の生産、新規事業への進出、研究開発」が15.2%を占めた。2024年度と比較すると、「能力拡充」の割合が上昇し、新規事業や研究開発への投資比率はやや低下した。省エネルギーや合理化を目的とした投資は引き続き一定の割合を維持しており、エネルギーコスト対策を意識した動きが続いている。
全体として、2025年度の中小製造業は、コスト上昇や資材調達の不安定化などのリスクを踏まえつつ、既存設備の維持・更新を中心とした安定的な投資を重視している。前年までの急回復局面を経て、足元では投資が落ち着く一方、生産性向上や自動化、省人化などの分野では依然として投資意欲が見られる。
また、業種別の動向を見ると、輸送用機器や化学関連では新技術導入に向けた投資が増加しており、次世代エネルギーやEV関連設備へのシフトが進んでいる。これに対して、木材関連や鉄鋼などの素材産業では需要鈍化やコスト負担増が影響し、慎重な投資姿勢が続いている。
今回の調査は、製造業全体が「守りの投資」と「選択的な攻めの投資」を併存させる局面にあることを示唆しており、事業継続力と成長戦略の両立が今後の課題といえる。特に、省力化・合理化を目的とする投資が22.3%減少していることから、人的リソースの最適化やAI導入の実行段階への移行が課題となっている。
日本政策金融公庫は、このような調査を通じて中小製造業の投資動向を継続的に分析し、金融支援や経営相談の政策立案に反映させる方針を示している。2025年度は横ばいの結果となったが、2026年度に向けてはエネルギー転換、デジタル化、人材確保といったテーマが再び投資を押し上げる可能性があるとして注目されている。
この記事の要点
- 日本政策金融公庫が中小製造業の設備投資動向を発表
- 2025年度の設備投資額は30,407億円で前年度比0.0%(横ばい)
- 上半期は8.6%減、下半期は7.9%増
- 全17業種中9業種で減少、「木材・木製品」「鉄鋼」が大幅減
- 「業務用機械」「はん用機械」「輸送用機器」は2桁成長
- 「機械・装置」への投資が全体の56.0%を占める
- 「更新・維持・補修」が投資目的の37.3%で最多
- 新規事業や研究開発投資はやや減少
- 有効回答企業数は5,286社、有効回答率72.4%
- 慎重な投資姿勢の中に成長分野への意欲もみられる
⇒ 詳しくは日本政策金融公庫のWEBサイトへ


