2025年12月3日
労務・人事ニュース
北米日本酒ファンが日本酒文化を体験、6地域巡る酒蔵ツアーで伝統を発信
- 歯科助手/わかりやすい説明と的確な診断、そして丁寧でなるべく痛みの少な/一般歯科 予防歯科 矯正歯科 小児歯科
最終更新: 2025年12月2日 21:01
- ネイリスト/西鉄福岡 駅/社員募集/12月3日更新
最終更新: 2025年12月3日 00:36
- 歯科衛生士/豊富な福利厚生 諸手当充実 駅徒歩圏内 福岡県を中心に展/一般歯科 予防歯科 小児歯科 インプラント ホワイトニング・審美歯科 訪問歯科
最終更新: 2025年12月2日 21:01
- 歯科衛生士/働きやすさ 車通勤OK 残業なし 患者様の要望や気持ちを/一般歯科 予防歯科 小児歯科 インプラント ホワイトニング・審美歯科 口腔外科
最終更新: 2025年12月2日 21:01
北米日本酒ファン、酒関係者向け酒蔵ツアーおよび報告会の開催 ―五感で体験した「伝統的酒造り」を発信―(JETRO)
この記事の概要
独立行政法人は、北米での日本酒ファンや業界関係者を対象に、2025年11月に日本国内6地域を巡る酒蔵ツアーを開催した。これは、ユネスコ無形文化遺産に登録された「伝統的酒造り」の魅力を五感で体験し、北米の日本酒ファンコミュニティを通じて世界に発信することを目的とした取り組みである。ツアー終了後には、米ロサンゼルスで報告会とファンミーティングも行われた。
独立行政法人は、北米の日本酒ファンや輸入業者を対象に、2025年11月17日から21日にかけて、日本各地の酒蔵を巡るツアーを実施した。訪問先は山梨、長野、岐阜、石川、福井、三重の6地域で、参加者はそれぞれの地域で伝統的な酒造りを見学し、蔵元との交流やペアリングイベントを通じて、日本酒文化の奥深さに触れた。この企画は、2023年度に始まった「Support SAKE」プロジェクトの一環として行われ、日本酒を単なる嗜好品ではなく、文化遺産として国内外に広めることを目的としていた。
このツアーでは、ユネスコ無形文化遺産に登録された「伝統的酒造り」の工程を、外国人参加者が実際に体験できるように設計されていた。麹づくりや発酵工程の見学、酒米の特徴を学ぶ講座、杜氏との対話などを通じて、参加者は日本の酒造技術に対する理解を深めた。こうした体験をもとに、北米で活動するレストラン経営者や輸入業者らが、自身の顧客に日本酒の魅力を伝えることが期待された。
ツアーの参加者は、2024年度の「Support SAKE アワード」受賞者1名と、SNS上で公募に応じた応募者の中から選ばれた6名で構成されていた。ニューヨークで人気の飲食店を経営する事業者や、ワイン・日本酒の輸入業者、イベント主催者など、多様な立場の参加者が集まった。彼らはツアー中の体験を撮影し、帰国後にInstagramなどを通じて発信することで、北米の日本酒ファンコミュニティへの広がりを促進した。
ツアー終了後の12月8日には、米ロサンゼルスのジャパンハウスで報告会とファンミーティング「Support SAKE Night」が開催された。イベントにはフォトコンテストの受賞者や酒業界関係者、愛好家が参加し、ツアーの成果報告、日本酒テイスティング、交流会が行われた。現地では約100人規模の参加者が集まり、日本酒文化の広がりを実感する場となった。
この取り組みの背景には、国内での日本酒消費の減少と酒蔵数の減少という課題がある。過去36年間で酒蔵の数は半分以下に減少し、1,000を下回る水準となっている。加えて、後継者不足も深刻であり、伝統的な酒造技術を継承する環境が危ぶまれている。一方で、北米では日本食人気の高まりを背景に、日本酒の需要が拡大しており、特に若い世代を中心に愛好家が増えている。このような市場の変化を踏まえ、同法人は北米のファンをコミュニティ化し、彼らの発信力を活用することで「海外から日本の酒文化を支える」新しいモデルを構築している。
2025年11月時点で、「Support SAKE」プロジェクトには日米合わせて約145の企業・団体が賛同しており、SNSフォロワー数は5,600人を超えていた。これらの活動を通じて、単なる輸出促進にとどまらず、地域経済の活性化やインバウンド観光の拡大にも寄与することが期待されている。地方の小規模酒蔵は、ツアーや海外イベントを通じて新たな販路を開拓できる可能性が高まり、国際的なブランド力向上にもつながる。
特に今回は、日本政府観光局との連携により、酒蔵見学を中心とした観光誘致の取り組みも行われた。酒造り体験を通じて地域の文化や食、風景を紹介することで、訪日外国人観光客が地方へ足を延ばすきっかけを生み出すことが狙いである。このように、「酒蔵ツーリズム」としての価値を高めることは、観光産業と農業、製造業をつなぐ新たな地域振興の形として注目されている。
今回のプロジェクトは、北米を中心とした市場での日本酒普及を目的とするが、その効果は日本国内にも波及している。参加者の発信によって国内外の消費者の関心が高まり、特に若年層を中心に日本酒に親しむ動きが見られるようになった。伝統的酒造りを体験した外国人ファンが発信するSNS投稿は、デジタル時代における文化発信の新しい形としても注目されている。
このツアーは単なる観光イベントではなく、地域の文化と経済をつなぐ国際的な橋渡しの試みであった。数百年続く日本の酒造りの技を守り、次世代に伝えるための取り組みとして、今後も継続的に実施されることが期待されている。
この記事の要点
- 2025年11月に北米の日本酒ファン向け酒蔵ツアーを開催
- 山梨、長野、岐阜、石川、福井、三重の6地域を巡った
- 参加者は酒造りを体験し、SNSで発信する形式で実施
- 12月にロサンゼルスで報告会とファンミーティングを開催
- ユネスコ無形文化遺産「伝統的酒造り」をテーマに展開
- 国内酒蔵数は36年間で半減し1,000を下回る水準
- 「Support SAKE」プロジェクトのSNSフォロワーは5,600人超
- 酒蔵ツーリズムと地方誘客の強化を目指した取り組み
⇒ 詳しくは独立行政法人日本貿易振興機構のWEBサイトへ


