2025年12月1日
補助金・助成金, 労務・人事ニュース
福岡市がビル火災改修対策に最大150万円×階数補助 申請は2025年12月19日まで
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令和7年 福岡市建築物火災安全改修事業
福岡市は、建物の防火安全性を高めるための改修を支援する「建築物火災安全改修事業」を開始した。この制度は、2021年に大阪市で発生した多数の死傷者を出したビル火災を受けて、国が創設した「建築物火災安全改修事業」に基づき、福岡市独自に補助を行うものである。火災時に避難が困難となる既存の中高層建築物の安全性を高め、利用者や従業員の命を守ることを目的としている。募集は2024年11月1日から始まっており、対象となるビルの所有者や管理者に対し改修費の一部を助成する。
補助の対象となるのは、3階以上で住宅以外の用途に使用されている建物であり、建築確認済証の交付を受けた建築物であることが条件とされている。また、建築基準法その他関係法令に違反がないことが必要である。火災時に多数の人が危険にさらされる恐れがある建築物のうち、直通階段が1つしか設けられていないもの、または階段などの竪穴部分が防火・防煙区画化されていないものが対象となる。これらの条件に該当するビルは、万が一の際に避難経路が限られ、被害が拡大するリスクが高いため、今回の補助制度によって重点的に改修を促す狙いがある。
補助対象者は、対象建築物の所有者、管理者、または占有者であり、市税に滞納がないことが求められる。また、同一の改修事業について、他の補助金制度からの支援を受けていないことも条件となる。補助対象工事は、火災時に多数の人が危険にさらされる恐れがある建物を防火上・避難上安全な構造に改修するためのもので、具体的には4種類の工事が対象となる。
まず、避難経路の確保を目的とした直通階段の増設が挙げられる。1方向のみの避難では逃げ遅れの危険が高まるため、別方向に直通階段を新設することで、火災時にも安全な避難が可能となる。次に、避難上有効なバルコニーの設置が補助対象となる。これは火災時の一時的な避難場所や救助活動の場として機能するもので、避難経路の多様化につながる。また、廊下や居室などに退避区画を設ける避難区画設置工事も対象であり、防火扉や避難設備を備えることで煙や熱の侵入を防ぐ構造とする。さらに、直通階段などの竪穴部分を防火・防煙区画化する工事も対象で、火災の延焼を防ぎ、避難経路を確保する目的がある。
補助率は工事費の3分の2で、上限額は工事内容によって異なる。全体の工事であれば150万円×階数まで、直通階段の増設は140万円×(階数-1)、バルコニー設置は80万円×階数、避難区画設置は100万円×箇所、竪穴区画設置は50万円×箇所が上限額となる。例えば、4階建てビルで直通階段を増設した場合、補助上限額は420万円となる。このように、階数や箇所数に応じた柔軟な補助設定が行われており、ビルの規模に応じた実質的な支援が可能となっている。
申請期限は、事前協議が2025年12月5日まで、正式な申請受付は同年12月19日までとなっている。ただし、予算が上限に達した場合は期限前でも受付が終了する可能性がある。補助を希望する場合は、工事内容や要件を確認した上で、早めに相談・申請を行うことが望ましい。また、補助金交付決定前に工事契約や着工を行った場合は補助対象外となるため、手続きの順序にも注意が必要である。
本事業は、既存建築物の安全性向上を目的とした国の方針に基づくものであり、福岡市が地域の実情に合わせて支援を行うものとなっている。改修によって火災リスクを低減することで、利用者の安全を確保するとともに、テナントビルや商業施設の資産価値の向上にもつながる。防火改修は事業経営者にとって長期的なリスクマネジメントの一環でもあり、建物の信頼性を高める取り組みとして重要性が増している。
なお、補助制度は年度ごとの予算に基づいて実施されているため、募集状況によってはすでに受付が終了している可能性がある。申請を検討する場合は、必ず実施機関に最新の情報を確認することを推奨する。
⇒ 詳しくは福岡市のWEBサイトへ


