2025年11月29日
労務・人事ニュース
生活保護受給者198万人、前年より2万4千人減―厚労省が令和7年8月分調査を公表
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最終更新: 2025年11月28日 18:13
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被保護者調査(令和7年8月分概数)(厚労省)
この記事の概要
厚生労働省が公表した令和7年(2025年)8月分の「被保護者調査(概数)」によると、全国の生活保護受給者数(被保護実人員)は198万5,720人となり、前年同月に比べて24,569人減少した。被保護世帯数も164万5,123世帯で、前年より7,257世帯減少している。生活保護率は1.61%で、わずかに低下した。保護の申請件数は20,703件、保護開始世帯数は16,723世帯で、いずれも前年を下回った。
厚生労働省が11月5日に発表した「被保護者調査(令和7年8月分概数)」によると、全国で生活保護を受けている人は198万5,720人となり、前年同月より24,569人、率にして1.2%の減少となった。被保護実世帯数も164万5,123世帯で、前年より7,257世帯(0.4%)減少しており、生活保護受給者数・世帯数ともに減少傾向が続いていることが分かった。
人口に対する生活保護率(保護率)は1.61%で、前年の1.62%からわずかに低下している。これは、総務省による人口推計に基づき算出されたもので、全国的には保護対象となる人の割合がごく緩やかに減少している状況がうかがえる。
世帯の構成をみると、全被保護世帯のうち高齢者世帯が最も多く、90万2,338世帯で全体の55.2%を占めた。前年同月より5,175世帯減少しており、高齢者世帯でも微減傾向が続いている。単身世帯は84万1,679世帯で全体の51.5%を占め、こちらも前年より2,246世帯減少した。一方で、障害者や傷病者のいる世帯は41万4,123世帯となり、前年より1,933世帯(0.5%)増加した。母子世帯は5万8,573世帯で、前年より3,863世帯(6.2%)減少している。
保護の申請件数は2万703件で、前年同月の2万1,359件に比べて656件(3.1%)減少した。保護開始世帯数も1万6,723世帯で、前年の1万8,040世帯から1,317世帯(7.3%)減っている。これらの数字からは、新たに生活保護を申請・受給する世帯が減少傾向にあることが見て取れる。一方で、経済環境の不安定さが続く中、生活困窮者の支援ニーズが一定数存在することも変わらない。
今回の調査結果では、全体として被保護者数が減少した一方で、世帯の構成に変化がみられる。特に高齢単身世帯や障害者・傷病者世帯の比率が依然として高い水準にあることから、社会保障の重点が「高齢期・医療・介護」にシフトしている現状がうかがえる。また、母子世帯の減少は就労支援や児童扶養手当などの施策の効果が一定程度現れている可能性も指摘されている。
保護率の低下は一見すると改善傾向に見えるが、実際には生活困窮者が制度にアクセスしにくい構造的課題も存在する。特に単身高齢者の孤立、就労が困難な障害者世帯、非正規雇用者の増加など、生活基盤の脆弱化が依然として課題となっている。厚生労働省は今後も生活保護制度の適正な運用と、就労支援や地域生活支援の充実を進める方針を示している。
今回のデータは、社会・経済状況を映す重要な指標として企業の人事・労務戦略にも示唆を与える。高齢化の進展に伴い、就労人口が減少する中で、生活困窮者の構成が変化していることは、雇用支援や再就職施策を検討する際の重要な背景情報となる。特に企業の採用担当者にとっては、高齢者や障害者の雇用促進、ひとり親家庭の支援など、多様な人材を受け入れる社会的責任がより一層求められる時代に入っているといえる。
この記事の要点
- 被保護実人員は198万5,720人で前年同月比1.2%減
- 被保護実世帯数は164万5,123世帯で0.4%減少
- 生活保護率は1.61%で前年より0.01ポイント低下
- 高齢者世帯が全体の55.2%を占め最も多い
- 障害者・傷病者世帯は増加し41万4,123世帯
- 母子世帯は5万8,573世帯で前年より6.2%減少
- 保護申請件数は2万703件、保護開始世帯は1万6,723世帯
- 申請・開始ともに前年より減少し、7%前後のマイナス
- 社会的支援が必要な高齢・障害・単身世帯の比率が高水準
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ


