2025年11月27日
労務・人事ニュース
令和7年9月 長野県有効求人倍率1.26倍 前月比0.02ポイント上昇
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最近の雇用情勢(令和7年9月分)
この記事の概要
令和7年9月、長野労働局が発表した雇用情勢によると、県内の有効求人倍率(季節調整値)は1.26倍となり、前月比0.02ポイント上昇した。新規求人倍率は2.23倍で、前月を0.08ポイント上回り、求人活動は依然として活発である。有効求人数は42,242人で前月比0.2%増、有効求職者数は33,564人で前月比1.2%減と、求人が求職を大きく上回る状態が続いている。雇用情勢は堅調に推移しているものの、物価上昇などの経済環境変化に対する注意が必要とされている。
令和7年9月の長野県における有効求人倍率(季節調整値)は1.26倍で、前月比0.02ポイントの上昇となった。これは全国平均の1.20倍を上回る水準であり、全国順位では15位に位置している。県内の雇用環境は引き続き安定しており、労働需給の逼迫が続いていることを示している。求人が求職を大幅に上回る構図は変わらず、企業の採用意欲が強い一方で、求職者の選択肢も広がりつつある。
有効求人数(季節調整値)は42,242人で前月比0.2%増加、有効求職者数(同)は33,564人で前月比1.2%減少しており、採用活動の活発化が続くなかで求職者の減少傾向が見られる。新規求人倍率(季節調整値)は2.23倍と、求職者1人に対して2件を超える求人がある状況であり、採用競争の厳しさが一層鮮明になっている。
新規求人数(原数値)は14,388人で、前年同月比0.6%減とわずかに減少した。前年を下回るのは2か月ぶりである。産業別にみると、前年同月比で増加したのは建設業、運輸業・郵便業、宿泊業・飲食サービス業、教育・学習支援業、医療・福祉であった。一方で、製造業、卸売業・小売業、情報通信業などの分野では減少が見られた。
特に運輸業・郵便業は前年同月比で顕著な増加を示しており、物流需要の高まりやネット通販の拡大によりドライバー職などの求人が増加している。建設業も堅調に推移し、特に公共事業関連の需要が底堅く、地域インフラ整備が継続していることが背景にある。宿泊業・飲食サービス業も増加に転じており、観光需要の回復や訪日外国人の増加によって人手確保の動きが活発化している。
一方で、製造業は全体として前年同月比5.2%減少しており、業種によって明暗が分かれている。特に電子部品・デバイス製造業では減少傾向が強く、グローバルな需要減退や半導体市況の変動が影響したと考えられる。一方で、金属製品製造業や機械器具製造業の一部では受注増加を背景に採用意欲が高まっている。長野県は精密機械産業が盛んな地域であるため、技術系人材の需要は引き続き高水準で推移している。
新規求職者数(原数値)は6,237人で、前年同月比2.4%減少した。内訳では常用求職者が3,735人(前年同月比4.1%減)、パートタイム求職者が2,490人(同0.4%増)であり、正社員志向の求職者がやや減少する一方、短時間勤務を希望する人が微増している。在職者の求職は1,488人(前年同月比6.1%減)で、離職者は2,016人(同2.3%減)と、全体的に求職活動が落ち着いた傾向にある。
就職件数は1,995件で、前年同月比0.6%減少したが、そのうち常用就職件数は997件(同2.9%増)と増加し、安定雇用への移行が進んでいる。一方、パートタイム就職件数は951件(同3.7%減)と減少しており、短期・非正規雇用よりも長期的な雇用を求める傾向が見られる。
地域別に見ると、有効求人倍率の地域差が顕著である。北信地域では1.23倍、東信地域では1.25倍、中信地域では1.29倍、南信地域では1.32倍と、南信地域が最も高い数値を示した。特に飯山・上田・佐久・木曽福島などでは前年同月を上回っており、製造業や物流関連の求人が地域経済をけん引している。
また、長野県では9月中に10人以上の人員整理が2件、計38人と報告されており、前年同月比では減少した。雇用調整の動きは落ち着きを見せている一方、物価上昇やエネルギーコストの高止まりが今後の採用計画に影響を与える可能性があるとして、長野労働局は動向の注視を呼びかけている。
このような中で、中小企業の採用担当者が注目すべきは、求人倍率の上昇が「採用活動の難易度上昇」を意味するという点である。有効求人倍率1.26倍という数字は、求職者1人に対して1件以上の求人があるという構造的な人手不足を示している。特に地方では若年層の流出が続き、採用競争は都市部よりも厳しさを増している。
採用活動においては、まず「スピード」と「情報の透明性」が鍵となる。応募から面接、内定までの流れを迅速に進める体制を構築することで、他社に人材を奪われるリスクを減らすことができる。また、求人票の内容を丁寧に作成し、給与や休日といった条件面だけでなく、職場の雰囲気や育成制度、地域との関わりなどを具体的に伝えることが応募者の共感を呼ぶ。
さらに、採用活動の多様化が求められる。オンライン採用説明会やSNSを活用した情報発信、リファラル採用(社員紹介)など、従来型の求人手法に加えて新たなチャネルを活用することで、ターゲット層へのリーチを拡大できる。特に長野県のようにUターン・Iターン希望者が一定数存在する地域では、県外人材へのオンラインアプローチが有効である。
そして、採用後の定着施策も重要である。採用が難しい時代においては、「採る」よりも「辞めさせない」戦略が成果を生む。キャリアパスの明示や社内コミュニケーションの強化、働きやすい制度設計が離職防止につながる。社員一人ひとりの成長意欲を引き出す環境づくりが、長期的な採用コスト削減にも寄与する。
この記事の要点
- 令和7年9月 長野県有効求人倍率1.26倍 前月比0.02ポイント上昇
- 新規求人倍率2.23倍 前月比0.08ポイント上昇
- 新規求人数14,388人 前年同月比0.6%減
- 製造業5.2%減 運輸業・郵便業増加
- 常用就職件数997件 前年比2.9%増
- 南信地域1.32倍で県内最高
- 中小企業は採用スピードと訴求力の両立が鍵
⇒ 詳しくは長野労働局のWEBサイトへ


