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2025年11月26日

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令和7年9月 神奈川県有効求人倍率0.85倍 雇用持ち直しに足踏み

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労働市場速報(令和7年9月分)を公表します(神奈川労働局)

この記事の概要

令和7年9月、神奈川労働局が公表した労働市場速報によると、県内の有効求人倍率(季節調整値)は受理地別で0.85倍、就業地別で1.03倍となり、前月よりわずかに上昇した。求人・求職ともに減少傾向にあるものの、持ち直しの動きが続いており、雇用情勢は依然として慎重な判断が求められる。特に中小企業の採用活動では、業種間での格差や人手不足の長期化に対応する柔軟な戦略が不可欠となっている。


令和7年9月の神奈川県における有効求人倍率は、受理地別で0.85倍、就業地別で1.03倍となった。いずれも前月を上回る結果であり、雇用環境はやや持ち直しの兆しを見せている。ただし、前年同月比では依然として低い水準にあり、景気の先行き不透明感や原材料費の高騰などの影響が雇用に及んでいる。神奈川労働局は「持ち直しの動きに足踏みがみられる」との判断を示しており、安定的な回復には至っていないとした。

有効求人数(季節調整値)は96,667人で前月比2.7%増加した一方、有効求職者数は114,049人で前月比0.5%減少した。この結果、有効求人倍率は小幅ながら上昇した。しかし新規求人の動きは鈍く、新規求人数は30,669人で前月比7.1%減、新規求職者数も19,940人で前月比7.9%減と、求人・求職双方でやや落ち着きを見せている。景気が一定の安定局面にある中、企業は採用を急がず、慎重な人員計画を進めている様子がうかがえる。

産業別に見ると、新規求人の動きには明確な業種間格差が生じている。学術研究・専門・技術サービス業が前年同月比6.7%増、サービス業が5.4%増と堅調に推移したのに対し、宿泊業・飲食サービス業は36.7%減、運輸業・郵便業は16.5%減、卸売業・小売業は14.2%減と大幅な減少を示した。建設業も2.8%減、製造業は5.5%減と低迷しており、物価上昇や原材料価格の高止まりが企業活動に影響している。医療・福祉も7.3%減となり、慢性的な人手不足の中で採用が進まない状況が続いている。

正社員の有効求人倍率は0.62倍で、前年同月から0.06ポイント低下した。正社員の有効求人数は43,904人で前年同月比3.8%減、常用求職者数は70,587人で同5.3%増と、求職希望者が増加する一方で企業側の採用意欲が伸び悩んでいることが読み取れる。特に中小企業では、採用コストの上昇や人材定着の難しさが背景にあり、限られた人員で業務を回す体制づくりが求められている。

神奈川県の雇用動向は、東京圏に隣接する立地特性から、優秀な人材が都心部へ流出する構造的な課題を抱えている。求人倍率の0.85倍という数字は、求職者1人あたりに1件に満たない求人しか存在しないことを意味しており、企業にとっては人材確保が依然として困難な状況である。一方、就業地別の1.03倍という数値は、実際の勤務先ベースでは人材需要が比較的高い地域が存在することを示している。特に横浜市や川崎市など都市部では求人が活発であり、地域間の需給格差が顕著である。

こうした状況の中で、中小企業の採用担当者が取るべき方針は、単に求人を出すことに留まらず、求職者とのマッチング精度を高めることである。現在のように求人倍率が1倍を下回るとき、採用に成功する企業は「自社の強みを的確に伝えられる企業」である。求人票の書き方や採用広報の工夫により、応募者の関心を引き出すことが採用成功率を左右する。具体的には、給与や福利厚生といった条件面だけでなく、働く意義やキャリア形成の支援体制、地域社会への貢献など、企業の価値を伝えることが求められる。

また、採用活動のデジタル化が進む中で、オンライン面接やウェブ求人サイトの活用も不可欠である。神奈川県内の中小企業では、従来のハローワーク中心の採用活動から、インターネットを活用した情報発信に切り替える企業が増えている。デジタル採用の最大の利点は、応募のハードルを下げ、求職者の層を広げることができる点にある。特に若年層はオンラインでの応募を前提としているため、企業側も対応を進める必要がある。

さらに注目すべきは、離職理由の動向である。神奈川労働局のデータによれば、離職者は前年同月比4.8%増となり、そのうち自己都合離職者が5.8%増と最も多い。これは、より良い条件を求める転職が増加していることを示しており、採用担当者は「採用後の定着」を重視する戦略に切り替える必要がある。具体的には、入社後のフォロー体制を整え、キャリア面談や教育研修を強化することで離職防止につなげることができる。

雇用情勢全体を見渡すと、神奈川県の労働市場は緩やかな回復基調にあるものの、外部環境の不安定さが企業の採用判断を鈍らせている。特に中小企業にとっては、原材料費や電気代の高騰、最低賃金引き上げの影響が大きく、採用活動を慎重に進めざるを得ない。こうした環境下では、短期的な採用人数の確保よりも、長期的な雇用戦略が重要となる。

採用担当者が今後意識すべきは、求職者との「信頼関係の構築」である。神奈川のように大都市圏に囲まれた地域では、働く場所の選択肢が多く、企業の魅力が相対的に問われる。求職者が企業に期待するのは、安定した雇用だけでなく、自己実現の場である。採用活動は単なる募集行為ではなく、自社の価値を社会に発信する広報活動であり、その視点を持つことが中小企業の採用競争力を高める鍵となる。

この記事の要点

  • 令和7年9月 神奈川県有効求人倍率受理地別0.85倍 就業地別1.03倍
  • 有効求人数96,667人で前月比2.7%増 有効求職者数114,049人で前月比0.5%減
  • 新規求人30,669人 前月比7.1%減
  • 学術研究・技術サービス業とサービス業が増加 宿泊・飲食業は36.7%減
  • 正社員有効求人倍率0.62倍 求職希望者増加も企業側採用抑制
  • 中小企業は採用広報と定着支援を強化し柔軟な戦略が必要

⇒ 詳しくは神奈川労働局のWEBサイトへ

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