2025年12月7日
労務・人事ニュース
令和7年版死因究明等推進白書を公表、法医学・歯科法医学の専門人材育成や体制整備を報告
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最終更新: 2025年12月7日 00:34
令和7年版死因究明等推進白書(厚労省)
この記事の概要
令和7年版「死因究明等推進白書」は、死因究明等推進基本法に基づき、令和6年度に政府が実施した死因究明や身元確認に関する施策を取りまとめた報告書である。白書では、法医学や歯科法医学に関する人材育成、死因究明に携わる教育や研究拠点の整備、地方公共団体や警察機関による体制強化の取り組みなどが詳細に示されている。
本白書は、令和元年に制定された死因究明等推進基本法に基づき、死因究明および身元確認を総合的かつ計画的に推進することを目的として作成された。基本法では、安全で安心して暮らせる社会の実現と生命の尊重を目的に、死因究明等を重要な公益性を持つ国家的課題として位置づけている。令和3年に閣議決定された推進計画が3年ぶりに見直され、令和6年7月に改訂が行われた。今回の白書は、その改訂後初の報告であり、高齢化による死亡数の増加や生活環境の変化、新興感染症や災害リスクを踏まえた新たな対応方針が盛り込まれている。
白書の内容では、まず人材育成に関する取り組みが重点的に取り上げられている。法医学や歯科法医学の分野では、複数の大学が連携し、専門的教育を受ける大学院生は令和6年5月時点で約170名に達したとされる。また、臨床医や歯科医師を対象とした死体検案研修会も活発に実施され、令和6年度の修了者は基礎課程で630人、上級課程で61人となった。これらの研修は、死因の特定や異状死の把握を的確に行うための実践的教育として重要な役割を果たしている。
さらに、死亡時画像診断(CT画像など)を活用した死因究明の研修も拡充されており、令和6年度には医師584人、診療放射線技師622人が修了した。この研修は、死因特定の精度を高めるだけでなく、感染症や薬毒物による死亡原因を迅速に把握する体制の強化にもつながっている。小児死亡例の分析においても、47の医療機関が参加し、10件の事例について画像診断を実施するなど、科学的データに基づく分析体制の構築が進められた。
警察および海上保安庁においても、死因究明に関連する職員教育の充実が進められている。令和6年度には、全国で検視官や検視官補助者に対する教育訓練が実施され、専門知識と実務技能の向上が図られた。海上保安庁では、15名の職員を大学の法医学教室に派遣し、実際の解剖立会いを通じた専門研修を行っている。また、検視官による全国会議や都道府県医師会との合同研修も積極的に開催され、法医学者や歯科医師との連携が深められている。
地方公共団体においては、死因究明のための専門的機関整備が進みつつあり、自治体が主体となって持続可能な体制の構築を図っている。解剖施設や検査体制の強化、データベースの整備が進められており、死因究明の結果を公衆衛生や災害対策に生かす取り組みも始まっている。特に「身元確認照会システム」やDNA型鑑定の体制整備が進み、事件・災害・事故など多様な場面での迅速な身元確認に貢献している。
白書ではまた、死因究明によって得られた情報を遺族に丁寧に説明する体制の整備が重視されている。捜査手続きの有無にかかわらず、死因や検査結果を可能な限り明確に伝えることが求められており、説明責任を果たすことで遺族の心理的支援にもつなげることを目指している。
このように令和7年版白書は、死因究明体制の科学的・倫理的な高度化を図りながら、人材育成、技術研修、制度整備、情報活用という多面的なアプローチで国家レベルの取り組みを進めていることを示している。安全で安心な社会の実現には、医学、法学、警察行政が一体となって死因究明に取り組むことの重要性が強調されている。
この記事の要点
- 令和7年版死因究明等推進白書を公表
- 法医学・歯科法医学の専門人材は約170名が育成
- 死体検案研修会の修了者は基礎630人・上級61人
- 死亡時画像診断研修修了者は医師584人・放射線技師622人
- 小児死亡例分析に47施設が協力、10件の事例を分析
- 検視官・海上保安官の研修を全国で実施
- 身元確認体制やデータベース整備が進展
- 令和6年7月に死因究明等推進計画が改訂
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ


