2025年12月6日
労務・人事ニュース
求人は増加傾向も10か月連続で一部業種が減少、2025年10月先行き東海経済
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最終更新: 2025年12月5日 16:06
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最終更新: 2025年12月6日 01:01
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最終更新: 2025年12月6日 01:01
景気ウォッチャー調査(令和7年10月調査)― 東海(先行き)―(内閣府)
この記事の概要
令和7年10月の東海地方における景気ウォッチャー調査では、新政権の誕生による期待感が広がり、企業や消費者の間で経済の先行きに対する明るい見方が出始めていることが明らかになった。株価の高騰やガソリン暫定税率廃止への期待、減税の議論が進むことで一時的な消費マインドの回復がみられたが、物価高の長期化や最低賃金引き上げによる企業負担の増加が経営環境を圧迫している。特に中小企業では採用コスト上昇に伴い求人を控える傾向が強まっており、職業安定所では「新規求人数は横ばいで、業種による格差が拡大している」との報告が寄せられている。
東海地方の景気は、新政権発足による政策期待が広がる一方で、現場の体感としてはまだ実質的な回復には至っていない。商店街や小売業者の間では、「周囲の企業の業績は堅調である」との声があるものの、「物価上昇が続き、買い控え傾向が残る」との意見も根強い。特に食品関連では価格転嫁が難しく、長年続いた個人商店の閉店も相次いでおり、地域経済に陰を落としている。
百貨店では株価高騰や政治の安定化により一定の明るさが見られるが、購買客数の増加は限定的で、売上増の要因は商品単価の上昇によるものである。冬物衣料や贈答品の販売は前年並みに推移しており、「今後も横ばいが続く」との見方が大勢を占める。一方、スーパーでは関西万博閉幕後に来客数が増え始め、12月商戦への期待が高まっている。特に青果や精肉の売上が好調で、「牛肉などの高級食材が動き始めた」との声もある。
コンビニエンスストア業界では、新政権による経済対策への期待感から株価が5万円台を超えたことで明るい見方が広がるものの、実際の売上にはまだ結び付いていない。食品の値上げが続く中で、消費者が「必要なものしか買わない」傾向を強めており、特に地方部の店舗では来客数が減少している。都市部との格差が拡大しており、インバウンド需要を取り込めない地域では厳しい経営が続くと見られている。
製造業では、最先端の半導体向け電子材料や電気機械器具製造分野で受注増加の兆しがある。特に化学工業では「年明け以降の増産が見込まれる」との見方が強く、12月の生産量・出荷量も増加傾向にある。ただし、金属製品や鉄鋼業では受注の減少が続き、見積量が低水準にとどまっている。中小製造業では原材料価格の高止まりや円安の影響を受け、採算を維持することが難しい状況が続く。
輸送業では、ガソリン暫定税率の廃止が追い風になるとの期待があるものの、物流費の値上げ交渉は難航しており、「荷主企業もコスト増で対応余力がない」との声が多い。建設業では「今後数か月で景気が良くなる要素が見当たらない」との見解が多く、新規受注の伸び悩みが続いている。住宅関連産業では新築物件の減少が続く一方で、リフォームやリノベーション需要が底堅く、官公庁案件の発注も横ばい傾向で推移している。
サービス業では美容室や飲食店、観光業の一部で年末に向けた消費拡大への期待が高まっている。ホテル業界では観光型施設の宿泊部門が好調で、客室稼働率も前年を上回る一方、料飲部門では予約の伸び悩みが続いており、「忘年会シーズンの動向次第」との声が上がっている。旅行代理店では年末年始の駆け込み予約が見込まれるが、旅行需要の全体的な伸びは限定的で、消費者の「近場志向」や「巣ごもり傾向」が根強い。
雇用情勢を見ると、職業安定所によると「卸売・小売業、飲食・宿泊業の新規求人数が前年比10か月連続で減少」と報告されており、物価高が採用意欲を抑えている。一方、人材派遣業や職業紹介機関では新政権への期待感から「中小企業の経営者マインドが上向いている」との声もあり、緩やかな求人増が続いている。特に製造・物流分野では年末にかけて人員確保の動きが強まり、派遣契約数が上昇している。
ただし、最低賃金の引上げが続いた影響で、請負や派遣単価の料金交渉が難航しており、大手企業は対応できても中小企業は応じられないケースが多い。学校関係者からは「新卒求人は堅調に推移しているが、関東圏からの求人は減少傾向」との報告があり、地域による雇用格差が広がっている。有効求人倍率は安定しているものの、業種別で見ると製造業や福祉分野が増加傾向にある一方、小売業・建設業は減少しており、雇用構造の変化が鮮明になっている。
総じて東海地方の経済は、新政権発足による期待感を背景に明るいムードが広がりつつあるが、物価上昇と人件費増が重くのしかかり、実体経済は足踏み状態が続く。求人は緩やかに増加しているものの、採用コストの上昇が中小企業の経営を圧迫しており、今後の景気動向は政策効果と消費回復のバランスに左右される見通しである。
この記事の要点
- 新政権の発足で経済への期待感が高まるも実体回復は鈍い
- 物価上昇と最低賃金引上げが中小企業経営を圧迫
- 製造業では半導体関連が堅調、金属・鉄鋼業は受注減少
- 卸売・小売業・宿泊業で新規求人数が10か月連続減少
- 人材派遣や製造・物流分野で年末にかけ求人増加
- 有効求人倍率は安定するも業種間格差が拡大
⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ


