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2025年12月22日

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就業者6865万人・39か月連続増でも失業者183万人に増加した2025年10月労働市場

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労働力調査(基本集計) 2025年(令和7年)10月分結果(総務省)

この記事の概要

2025年10月の労働力調査によると、就業者数は6865万人となり前年同月より52万人増加し、39か月連続の増加となりました。一方で完全失業者は183万人で前年同月より13万人増え、完全失業率は季節調整値で2.6%と前月と同率でした。雇用の増加と失業者数の増加が同時に見られる今回の結果は、労働市場の活発化とともに雇用ミスマッチの可能性を示すデータとなっており、職場環境の整備や適切な配慮の提供が一層求められる状況であることがうかがえます。


2025年10月の労働力調査によると、就業者数は6865万人となり、前年同月と比較して52万人増加していました。この増加は39か月連続で続いており、雇用市場の拡大が安定的に推移していることがうかがえます。男女別に見ると男性は3706万人で2万人の増加、女性は3159万人で50万人の増加が見られ、特に女性の就業増加が今回の全体増加に大きく寄与している点が特徴的です。

このように就業者数が増加する一方で、完全失業者数は183万人となり、前年同月に比べ13万人増加していました。3か月連続の増加であり、求職活動を行う人が増えていることを示しています。男女別では男性109万人、女性74万人と、それぞれ6万人ずつ増加しており、幅広い層で求職者の増加が進んでいる状況が読み取れます。

完全失業率は季節調整値で2.6%となり、前月と同率でしたが、求職理由別では勤め先や事業の都合による離職が4万人増加し24万人となり、自発的な離職も5万人増えて77万人、新たに求職を始めた人も4万人増の51万人となっていました。これらの動きから、労働市場の流動性が高まり、転職や再就職を目指す人が増えていることがうかがえます。

雇用者数は6214万人となり前年同月比48万人増加し、44か月連続の増加となりました。正規の職員・従業員は3753万人で65万人増加し24か月連続の増加、非正規の職員・従業員は2121万人で23万人減少し3か月連続の減少でした。正規雇用の増加が継続している一方で、非正規雇用が減少している点は、雇用の質が改善傾向にあることを示すものと言えます。

また、産業別では医療や福祉の分野が40万人増加し、教育や学習支援業が13万人増加するなど、人材需要が高まる領域での雇用拡大が続いていました。非労働力人口は3923万人で前年同月より87万人減少し、労働参加が広がっている様子が確認できます。

就業率は62.6%で前年同月比0.7ポイント上昇し、特に15〜64歳の就業率は80.4%と0.6ポイント上昇していました。女性の就業率が76.1%となり前年から1.2ポイント上昇した点も、労働参加が進んでいる動きを強く後押ししています。

これらのデータから、就業者の増加と失業者の増加が同時に進行している状況が浮かび上がります。雇用機会は広がっているものの、産業構造の変化や働き方の変化に適応できず職を失うケースや、新たな働き方を模索する人が増えていることが背景にあると考えられます。労働市場の流動性が高まる中、働く人にとってより長く働き続けられる環境を整えることが求められています。

労働力調査が示すこれらのデータは、事業者が人材確保を進める際にも重要な示唆を与えます。就業者の増加が続く一方で依然として失業者が一定数存在しており、労働市場全体のなかで適材適所のマッチングが求められる状況であることが確認できます。働く場を求める多様な人材が増えるなかで、雇用の受け皿を柔軟に整備し、より適切な環境づくりを行うことがこれまで以上に重要なポイントとなっていくと言えるでしょう。

この記事の要点

  • 就業者は前年同月比52万人増の6865万人で39か月連続増加
  • 完全失業者は183万人で13万人増加し3か月連続の増加
  • 完全失業率は季節調整値で2.6%と前月と同率
  • 正規雇用は65万人増の3753万人で24か月連続増加
  • 非正規雇用は23万人減の2121万人で3か月連続減少
  • 就業率は62.6%で前年同月より0.7ポイント上昇

⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ

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