2025年12月20日
労務・人事ニュース
2025年10月の小企業売上DIが▲1.1へ改善しつつも11月は▲3.9と悪化見通し
エラー内容: Bad Request - この条件での求人検索結果表示数が上限に達しました
全国小企業月次動向調査(2025年10月実績、11月見通し)(日本公庫)
この記事の概要
2025年10月の小企業の売上DIは前月からマイナス幅が縮小し、▲1.1となった一方、11月は▲3.9と再びマイナス幅が拡大する見通しが示された。採算DIは10月に3.1まで改善したものの、11月は▲0.5と低下する予測となった。また、最近半年間で販売価格を引き上げた企業は43.0%、今後引き上げるとした企業は48.5%に達し、価格転嫁の動きが続く状況が示された。
2025年10月の小企業の売上DIは、9月の▲4.5からマイナス幅が3.4ポイント縮小し、▲1.1となった。売上の動向を業種で見ると、製造業では▲7.1から▲9.2へとマイナス幅が広がった一方、非製造業では▲4.1から▲0.1へと改善がみられた。この結果は、製造業での需要の弱さが続く一方で、非製造業における動きが相対的に持ち直したことを示している。11月については、売上DIが▲3.9へと再び悪化する見通しとなり、10月に比べて2.8ポイントの悪化が見込まれている。
こうした売上動向の中にありながら、採算DIは10月に3.1と前月から5.6ポイント改善した。これは、収益確保のための取り組みが一部で奏功した可能性を示している。しかし11月の採算DIは▲0.5と再び低下する見通しとなり、売上の先行き不透明感が採算に影響を与える状況がうかがえる。
価格については、最近半年間で販売価格を引き上げた企業が43.0%に達し、コスト上昇を背景とした価格改定が広く行われていることが読み取れる。また、今後販売価格を引き上げる意向を示した企業は48.5%とさらに高く、価格転嫁の流れが継続する見込みが示された。小企業における利益確保のための値上げが定着しつつある状況が浮かび上がる。
調査は11月4日から12日にかけて実施され、1,500社を対象に行われた。そのうち1,278社から有効回答が得られ、有効回答率は85.2%となった。回答企業の規模は、製造業では従業者20人未満、卸売業・小売業・飲食店では10人未満、サービス業や建設業、運輸業では20人未満が対象となっている。これらの企業の回答を基に集計した結果は、各地域や業種の景況感を示す基礎的なデータとして重要な意味を持つ。
売上DIの推移を時系列でみると、2024年後半から2025年にかけて増減を繰り返す状況が続いている。10月は一時的に改善がみられたものの、11月には再びマイナス幅が拡大する見通しとなっており、安定した回復には至っていない。こうした動きからは、小企業が外部環境の変化に左右されやすく、売上動向が月ごとに揺れ動く構造的な課題を抱えていることが推察される。
一方で、採算DIの改善と悪化を繰り返す動きは、小企業が経費削減や価格転嫁など複数の方法を組み合わせながら収益確保を図っている実態を示している。価格を引き上げた企業や引き上げる予定の企業が増えていることは、収益改善への意欲を反映すると同時に、原材料費や光熱費などの外部コストに対する負担が依然として重いことを物語っている。
価格の動向を踏まえれば、企業が今後も慎重な経営判断を迫られる展開が続くことが予想される。売上と採算の両面で短期的に改善と悪化が混在する状況は、外部環境の変動が特に小規模企業に強く影響する構造を明確に示している。今後の月次動向においては、売上DIや採算DIの変化がどの程度安定性を取り戻すかが、全体の景況感を左右する重要な指標となっていく。
この記事の要点
- 売上DIは10月に▲1.1まで改善したが11月は▲3.9の見通し
- 採算DIは10月に3.1まで上昇したが11月は▲0.5に低下する予測
- 販売価格を半年で引き上げた企業は43.0%
- 今後販売価格を引き上げる意向の企業は48.5%
- 調査は1,500社対象で有効回答1,278社、有効回答率85.2%
⇒ 詳しくは日本政策金融公庫のWEBサイトへ


