2025年12月22日
労務・人事ニュース
年間1,000人超が犠牲となる住宅火災の実態と10の防火ポイント
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住宅火災からいのちを守る10のポイント。「逃げ遅れ」を防ぐために。(政府広報オンライン)
この記事の概要
住宅火災によって毎年約900人が亡くなり、死亡原因の約半数を占める「逃げ遅れ」が深刻な課題となっている。2023年には住宅火災の死者数が1,023人となり、このうち約75%が65歳以上の高齢者だった。火災の発生防止や初期消火、住宅用火災警報器の活用、防炎品の利用など、命を守るための具体的な対策が求められている。
住宅火災は住宅そのものの損失にとどまらず、住む人の命を奪う危険性が極めて高い災害である。毎年約900人が住宅火災で亡くなっており、そのうちの約半数が「逃げ遅れ」によるものとされている。特に高齢者の被害が多く、2023年には住宅火災で命を落とした1,023人のうち約75%にあたる762人が65歳以上であったことからも、高齢者の安全確保が喫緊の課題であることが分かる。住宅火災は予防と早期対応が鍵となり、日常生活の中で安全意識を高める必要がある。
2023年に発生した住宅火災は1万2,112件で、原因別に見ると「たばこ」が144人、「ストーブ」が95人、「電気器具」が79人、「こんろ」が43人と、身近な生活用品が火災の火元となるケースが多かった。特に電気器具ではコンセントのほこりやたこ足配線が原因で発火し、近くの可燃物に火が移ることで延焼する例が目立っている。また、火災で亡くなった原因を細かく見ると「逃げ遅れ」が415人で全体の約40%を占めており、病気や身体の不自由、熟睡、泥酔などにより避難が遅れるケースが多いことが示されている。
火災を未然に防ぐためには、日常の習慣を見直すことが非常に重要である。寝たばこをしない、ストーブ周辺に燃えやすい物を置かない、調理中は火元から離れない、コンセント周りのほこりを清掃し不要なプラグを外すといった基本的な対策は簡単でありながら効果が大きい。また、ストーブやこんろには安全装置が付いた機器を選ぶことで火災リスクをさらに減らすことができる。これらの対策は日常の習慣として身につけることが求められる。
万一火災が発生した場合に被害を抑えるためには6つの対策が有効とされている。その一つが住宅用火災警報器の定期点検であり、設置後10年を目安に交換することが推奨されている。住宅用火災警報器は熱や煙を感知して警報を発し、住人に火災の発生を素早く知らせる役割を担う。2020年から2022年の3年間に行われた分析では、警報器の設置により死者数は約0.5倍、損害額は0.53倍、焼損床面積は0.42倍に減少しており、その効果は明確である。住宅用火災警報器は寝室と寝室のある階の階段上部への設置が義務付けられており、適切な場所への設置と定期点検が欠かせない。
火災の拡大を防ぎ避難時間を確保するためには、防炎品の活用が重要である。たばこの火が布団に落ちたり、調理中に衣類に火が移ったりすることで火災が発生することが多いため、燃え広がりにくい防炎素材を使用した寝具や衣類、カーテン、じゅうたんなどを選ぶことで火災リスクを大きく減らすことができる。防炎品には防炎ラベルや防炎製品ラベルが付けられており、信頼できる製品を選ぶ目安となる。これらの製品は焦げたり小さく燃えたりする程度で火が広がりにくく、逃げ遅れの防止に役立つ。
初期消火のためには住宅用消火器の備えも不可欠である。住宅用消火器は一般家庭向けに開発されており軽量で扱いやすく、火元を素早く狙えるように設計されている。普通火災、天ぷら油火災、電気火災、ストーブ火災など家庭で起こりやすい火災の種類に対応した表示がされているため、家庭状況に応じて適切な消火器を選ぶことが重要である。消火器の補助としてエアゾール式簡易消火具も有効であり、天ぷら鍋の過熱やくずかごの火災といった初期段階の火災に対応しやすい。消火器は期限切れに注意しながら適切に交換する必要があり、廃棄方法については専門窓口で確認することが推奨される。
一方で、住宅用火災警報器や消火器に関する悪質な訪問販売も問題となっている。消防職員などを装い、法外な値段で販売する手口が報告されており、これらの機器を公的な立場の職員が販売することは一切ない。訪問販売で購入した場合にはクーリングオフ制度が利用できる場合があり、契約日を含め8日以内であれば解除できる可能性がある。不審な訪問があった際には消費生活センターに相談し、トラブルを未然に防ぐことが大切である。
住宅火災は身近な生活の中に潜む危険が引き起こすものであり、普段の心がけと適切な備えが命を守る大きな支えとなる。火災警報器や防炎品の活用、消火器の備え、生活習慣の改善を通じて、逃げ遅れを防ぎ被害を最小限に抑えることが求められる。社会全体で防火意識を高めることで、住宅火災による犠牲を減らすことができる。
この記事の要点
- 2023年の住宅火災による死者は1,023人で高齢者が約75%
- 死因の約40%が逃げ遅れで日常の習慣改善が重要
- 2023年の住宅火災件数は1万2,112件で身近な製品が火元に
- 住宅用火災警報器の設置で死者数は0.5倍に減少
- 防炎品の使用は延焼防止と避難時間の確保に有効
- 住宅用消火器は家庭向けで軽量設計、種類に応じて選択
- 悪質訪問販売はクーリングオフの対象となる場合あり
⇒ 詳しくは政府広報オンラインのWEBサイトへ


