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2025年12月29日

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2025年の大分県内熱中症災害212人に増加、前年比32人増

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熱中症による労働災害の発生状況(速報)を公表(大分労働局)

この記事の概要

県内の労働行政機関がまとめた速報値によると、2025年に県内で発生した熱中症による労働災害が前年より増加し、治療を受けた労働者は212人に達した。休業4日以上のケースも増え、暑さの前倒しが影響したとみられている。死亡例は3年ぶりにゼロとなった。


2025年11月28日に県内の労働行政機関が公表した速報値によると、今年10月末までに県内で熱中症により治療を受けた労働者は212人となり、前年から32人増加したことが明らかになった。労働災害として休業4日以上の症状が出た人も24人に増え、こちらも前年より7人増加している。死亡例は確認されておらず、3年ぶりにゼロとなる見込みだが、依然として現場でのリスクは大きい状況が続いている。

今回の速報で特徴的だったのは、業種別で発生が偏っている点である。建設関連で71人、製造関連で67人と、全体の6割以上をこの2つの分野が占めている。現場作業が多く高温環境にさらされる時間が長い業務ほど、熱中症のリスクが高まる傾向が数字として示された。年齢別では20代が最も多く25.9%を占め、次いで60代以上が21.2%となり、若年層と高年齢層で特に増加が目立っている。

発生時期にも明確な偏りがあった。7月の発生が全体の44.3%と最も多く、次いで8月が28.8%となり、真夏に集中していることが分かる。さらに2025年は6月の発生が30人と前年より26人も増えており、例年より早い段階から暑さが厳しくなったことが背景にある。気象データでも、6月の最高気温が平年より3.1度高く、平均気温も1.2度上回ったほか、真夏日の日数も7日増えるなど、高温への移行が前倒しになったことが確認されている。

また、発生時間を分析すると11時台が最も多く、次いで8時台から10時台にかけての時間帯で発生が増加していた。気温が急速に上昇する午前の時間帯は、体が暑さに慣れる前に高温環境にさらされるため、注意が必要とされる。夕方以降の18時以降でも増加がみられ、日中だけでなく全体的な気温の高さが影響したことがうかがえる。

さらに、休業4日以上の症状が出た労働災害では、平均の休業見込期間が15.38日と前年の約2倍に伸びていた。症状が重くなりやすい状況が続いていることは、現場における熱中症対策の重要性を改めて示す結果となった。

全体的な増加の要因としては、若年層と高年齢層の増加が特に顕著である点が指摘されている。若い世代では高温環境での作業経験が不足し、体調管理が十分にできていない場合が多いことが考えられる。一方で高年齢層では体力や発汗機能の低下が影響し、同じ環境でも熱中症のリスクが高まりやすいと推測されている。

県内の労働行政機関では、休業4日以上の事案について、必要に応じて事業場への個別指導を行い、災害防止策の徹底を進めている。自社で原因と対策を整理した書面を基に指導を行うことで、再発防止と現場の環境改善につなげる取り組みも強化されている。

今年の特徴として、6月から気温が高く、全国的にも厳しい暑さが続いたことが、県内の労働現場における熱中症リスクを押し上げたことが明確となった。気候変動の影響が年々大きくなる中で、作業環境の改善や体調管理の徹底など、現場ごとの対策をより一層強化していく必要性が増している。今回の速報値は確定値ではないものの、来年4月中旬以降に予定される確定値の公表に向けて、今後も詳細な分析が進む見込みである。

この記事の要点

  • 2025年の熱中症による労働災害は212人で前年より増加
  • 休業4日以上のケースは24人で7人増加
  • 死亡例は3年ぶりにゼロ
  • 建設関連と製造関連で全体の6割以上を占めた
  • 20代と60代以上で大幅に増加
  • 7月と8月に発生が集中し6月も急増
  • 休業見込期間の平均は15.38日で前年の約2倍

⇒ 詳しくは大分労働局のWEBサイトへ

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