2025年12月28日
労務・人事ニュース
ニセ警察詐欺が748.6億円で突出した令和7年10月末の被害状況
エラー内容: Bad Request - この条件での求人検索結果表示数が上限に達しました
令和7年10月末における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)(警察庁)
この記事の概要
特殊詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺の被害が令和7年10月末時点で大幅に増加し、認知件数・被害額ともに前年の年間値を上回った。中でもニセ警察詐欺の被害が突出しており、SNSを通じた投資詐欺やロマンス詐欺も急増している。SNSの偽アカウントを利用した手口が広がり、利用者の不安を狙うケースが増えている。
令和7年10月末時点の特殊詐欺およびSNS型投資・ロマンス詐欺の認知状況が暫定値として公表され、深刻な状況が明らかとなった。特殊詐欺の認知件数は22,657件となり、前年同期から6,210件増加し37.8%の増加率となった。被害額も1,096.7億円に達し、前年比607.9億円増の124.4%増という急激な伸びを示した。前年年間の認知件数21,043件、被害額718.8億円をすでに上回っており、被害の拡大は加速している。
国際電話番号を悪用した詐欺手口も増加し、10月末時点で79,477件が確認され、前年同期より44,526件増加し127.4%増に達した。なりすましによる海外番号の悪用が広がり、発信元を偽装した接触が急増していることが背景にある。
中でもニセ警察詐欺が突出した割合を占め、認知件数は8,681件で特殊詐欺全体の38.3%に上った。被害額も748.6億円と全体の68.3%を占めており、極めて深刻な状況である。当初の接触手段の99.0%が電話であり、電話を介した不安につけ込む手口が依然として主要な手段となっていた。また性的な被害を伴う悪質なニセ警察詐欺も継続して発生し、手口が高度化している点が警戒されている。
SNS型投資詐欺についても大幅な増加がみられ、認知件数は11,749件、被害額は1,370.8億円となり、前年年間の数値を早い段階で超えていた。10月末時点の認知件数は7,243件で前年同期比1,673件増の30.0%増となり、被害額は945.2億円で前年同期比197.4億円増の26.4%増となった。SNSを通じた勧誘が急速に拡大し、手法の巧妙化が進んでいることが伺える。
特に「Instagram」の偽アカウントをフォローしたユーザーが、ダイレクトメッセージを通じてLINEの投資グループへ誘導され、金銭をだまし取られる手口が多発した。単月の認知件数は315件で前月から92件増の41.3%増となり、被害額は32.7億円で前月から12.8億円増の64.1%増を示した。「YouTube」の広告経由の被害も多く、SNS利用者の不安を刺激して投資を促す仕組みが広がっていた。
SNSからの誘導では、Instagramから162件、LINEが71件、FacebookとXが52件と、複数の媒体で類似した被害が確認された。またバナー広告ではYouTubeが159件、投資サイトが98件、Instagramが85件となり、SNSと動画サイトをまたぐ形での誘導が一般化している。
SNS型ロマンス詐欺も増加しており、認知件数は4,506件で前年同期比1,512件増の50.5%増となった。被害額は425.6億円で前年同期から111.0億円増となり、35.3%増という大幅な伸びを示した。恋愛感情を利用した投資誘導が増え、依存関係を形成してから金銭をだまし取る手口が顕著となった。
特にマッチングアプリが主要経路となっており、全体の32.9%を占めた。認知件数は1,484件で前年同期比453件増の43.9%増、被害額は133.8億円で前年同期より21.8億円増の19.5%増となった。やり取りがLINEに移行してから「暗号資産投資」への誘導が行われるケースが多く、暗号資産市場の関心を悪用する手口が広がっていた。
以上の状況から、特殊詐欺やSNSを利用した詐欺は手口が複合化し、より個人に寄り添う形で巧妙に進化していることがわかる。特に年末年始は利用者の行動が増え、心理的な緩みが発生しやすい時期であるため、詐欺被害に遭いやすくなる。普段と異なる連絡や金銭の要求があった場合は一度立ち止まり、家族や周囲に相談することが重要であり、見知らぬ相手からの投資話や急な要求には絶対に応じないことが求められる。
この記事の要点
- 特殊詐欺の認知件数は22,657件で大幅増加
- 被害額は1,096.7億円で前年の年間額を超えた
- ニセ警察詐欺が748.6億円で最も深刻な状況
- SNS型投資詐欺は1,370.8億円に達し拡大した
- InstagramとYouTubeを通じた誘導が急増
- SNS型ロマンス詐欺は4,506件で大幅増加
- マッチングアプリ経由の被害が32.9%を占めた
- 暗号資産投資名目の詐欺が半数近くに達した
- 年末年始は詐欺のリスクが高まるため要注意
⇒ 詳しくは警察庁のWEBサイトへ


