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2025年12月27日

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2025年10月広島県の1.36倍という求人倍率から考える採用最適化

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管内の雇用情勢(令和7年10月分)(広島労働局)

この記事の概要

広島労働局が公表した令和7年10月の雇用情勢では、有効求人倍率が1.36倍となり3か月連続で低下しました。産業別に見ると、新規求人数は宿泊業・飲食サービス業や卸売・小売業などで大幅に減少しており、人材確保の難しさが鮮明です。本記事では、このデータを基に、中小企業の採用担当者がどのような採用戦略を取るべきかを独自視点で詳しく解説します。


広島労働局が発表した最新の雇用統計によると、令和7年10月の広島県の有効求人倍率(季節調整値)は1.36倍となり、前月から0.04ポイント低下し3か月連続の下落が続いています。求人が求職を上回る状況は続いているものの、県全体の雇用需給のバランスはゆるやかに縮まり、景気の持ち直しには弱さが見られると指摘されています。特に物価上昇の影響が企業活動に及び、採用市場にも慎重な姿勢が広がりつつあります。

この状況を細かく見ると、新規求人数は20,424人と前年同月比でわずかに増加している一方、有効求人数は58,253人で前年より2.8%減少しており、需給のギャップが縮小しています。産業別では宿泊業・飲食サービス業が前年同月比で40.9%の減少と大幅に落ち込み、卸売業・小売業も26.9%の減少となりました。同様に生活関連サービス業も21.5%減少しており、消費動向に左右されやすいサービス分野での採用意欲の低下が目立っています。一方、運輸業・郵便業は5.7%増加、建設業は12.4%増加と需要が伸びており、業種によって採用環境は大きく異なる状況が続いています。

中小企業の採用担当者にとって重要なのは、この有効求人倍率の低下を単に「採用しやすくなる材料」と誤解しないことです。倍率が下がっているとはいえ、1.36倍という数値は依然として企業側の求人が求職者数を大きく上回っており、引き続き売り手市場であることに変わりはありません。実際、正社員有効求人倍率は1.21倍と前年よりわずかに低下したものの、依然として高い倍率を維持しています。

特に中小企業は大企業に比べて給与条件や福利厚生で見劣りしやすく、求職者に選ばれにくいという構造的な課題を抱えています。このため、求人倍率が下がったからといって応募が自然に増えることはありません。むしろ企業側の採用戦略の巧拙が、採用成功を大きく左右するフェーズに差し掛かっています。

まず重要なのは、求職者が求人票に求めている情報を正確に捉えることです。物価高により生活コストが上昇している中、給与額や昇給制度、手当の充実度が以前にも増して重視されています。採用担当者は、求人票の基本項目に加えて、社員のキャリアアップ事例や働き方の柔軟性など、企業の魅力を具体的に伝える文章構成にすることが必要です。求職者が求人票を比較する際、情報が整理されて分かりやすい企業ほど応募につながりやすくなります。

次に、採用ターゲットの見直しが欠かせません。広島労働局のデータでは、60~64歳の新規求職者が前年同月比で24.3%増加しており、シニア層の就職意欲が高まっていることが分かります。中小企業はこの層を積極的に採用活動に取り込み、即戦力として活用する戦略が有効です。シニア層は経験や技能が豊富で、教育コストの面でもメリットが大きいことから、人材不足に悩む企業にとって採用の選択肢を広げる重要な要素になります。

さらに、新規求人倍率が2.46倍と高い水準にあることから、新規求人を出しても他社との競争が激しく、埋もれてしまう可能性が高い点にも注意が必要です。求職者にとって魅力的な求人を作成し、迅速に応募者対応を行うことが応募獲得の重要なポイントになります。特に採用選考のスピードは競争力を左右する大きな要因です。応募から面接設定までの期間が長い企業ほど、求職者が他社に流れてしまい、採用機会を逃してしまいます。

また、地域別の有効求人倍率を見てみると、広島西条や福山などの都市部でも倍率が1.40〜1.60前後と依然として高い水準にあり、地方でも人材確保の難しさに大きな差は見られません。特に可部や廿日市などのエリアでは倍率が0.5~0.6台まで低下していますが、これは求職者の地域偏在が背景にあり、通勤圏を広げたりリモートワークを導入したりする企業ほど採用の可能性を広げやすくなります。

採用担当者が取るべき戦略としては、

求人票の質を高め、企業の魅力を明確に伝える
採用フローを短縮し、迅速な対応を徹底する
シニア層や女性、子育て世代などターゲット層を広げる
地域偏在を踏まえ、通勤条件や働き方の柔軟性を向上させる
成長産業や資格取得支援を訴求し、求職者の長期的な安心感に応える

これらに取り組むことで、変化する雇用環境に対応した強い採用体制を築くことができます。

採用市場は今後も不透明な状況が続くことが予想され、最新データの活用と戦略的な採用活動が中小企業の競争力を左右します。広島県内のデータを丁寧に読み解き、自社にとって最適な採用手法を確立することが求められます。

この記事の要点

  • 広島県の有効求人倍率は令和7年10月時点で1.36倍
  • 求人は求職者を上回るが3か月連続で落ち込み採用環境は鈍化
  • 宿泊飲食や小売などで新規求人数が大幅減少
  • 建設業や運輸業では需要増で採用競争が続く
  • 中小企業は求人票の質向上と応募対応の迅速化が必須
  • 60歳以上の求職者増加は採用戦略の機会
  • 地域別で倍率に差があり働き方の柔軟性が重要
  • 採用対象を広げることで人材確保の可能性が向上
  • 情報発信力と選考スピードが採用成功の鍵

⇒ 詳しくは広島労働局のWEBサイトへ

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