2025年12月24日
労務・人事ニュース
北海道の有効求人倍率0.94倍が示す2025年10月の採用環境の変化
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最終更新: 2025年12月24日 09:36
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道内の雇用失業情勢《概要版》(令和7年10月)(北海道労働局)
この記事の概要
北海道の2025年10月の雇用情勢は、有効求人倍率が0.94倍となり前年同月より0.03ポイント低下した。新規求人数は29,695人で前年から2.0%減少し、月間有効求人数も4か月連続の減少となった。一方、有効求職者数は84,250人で2.0%増加するなど、求職者が増える局面が続いている。雇用環境は持ち直しつつも弱さが残り、物価上昇による影響にも注意が必要とされる。
2025年10月の北海道における雇用動向が取りまとめられ、全体の基調としては持ち直しの動きがみられるものの、依然として弱さが残る状況であることが示された。その指標として特に注目されるのが有効求人倍率であり、常用労働者を対象とした数値は0.94倍となった。前年同月より0.03ポイント低下し、3か月連続で前年同月を下回る結果となった。求人が減少する一方で求職者が増えるという動きが重なり、採用市場のバランスが微妙に変化していることが読み取れる。
北海道内の新規求人数は29,695人となり、前年同月比で2.0%減少した。新規求人数の減少は4か月連続となり、市場全体の求人回復が足踏みしている様子を示している。一方で月間有効求人数は78,844人で、こちらも前年同月比で1.8%減少し、4か月連続の減少となった。主要8産業のうち医療や福祉、サービス業など4産業では新規求人が増加したものの、残る4産業では減少が続き、業種ごとの差が広がっている。
これに対して求職側の動きは異なる推移を示した。新規求職申込件数は14,890件となり前年同月比で4.1%減少したものの、有効求職者数は84,250人で前年同月比2.0%増と2か月連続の増加となった。求職者が増えるという状況は、労働市場がやや求職超過に傾きつつあることを意味し、企業側、とりわけ採用に苦戦している中小企業にとっては採用戦略を見直す転機になり得る。
また、正社員の有効求人倍率は0.82倍で、前年と同水準だった。これは正社員への需要が引き続き高く推移している一方で、希望する求職者が増加している現状の表れでもある。求職者側にとっては選択肢が以前よりも増えている状況だが、企業側から見ると質の高い人材を確保するための競争は依然続いているといえる。非正規雇用では業種ごとにばらつきが見られ、特にサービス業や医療福祉の分野では求人が増加したものの、他の産業では回復の勢いに弱さが残った。
さらに、雇用情勢に影響を与えている背景には物価上昇がある。生活コストが増す中で求職者の働き方に対する意識も変化し、より安定した雇用や収入の増加を求める傾向が強まっている。企業側にも賃金改善や待遇向上の要求が高まり、採用と定着の両面で課題が生じている。物価上昇が企業経営を圧迫する一方で、人材確保のための投資も必要となるため、採用戦略をより慎重に見直す必要性が高まっている。
北海道全体の雇用動向を踏まえると、中小企業の採用担当者が今後どのように動くべきかについて、いくつかの重要な視点が考えられる。まず、有効求人倍率が0.94倍という状況は、求人1件に対して約1人の求職者が存在する比較的均衡した市場であることを示すが、求職者が増加していることを踏まえると、従来よりも広い層にアプローチできる可能性がある。特に2025年10月時点では有効求職者数が84,250人に増加しており、適切な採用設計を行えば人材確保のチャンスは高まる。
次に、職種や雇用形態ごとに市場状況が異なる点を理解した戦略が必要である。例えば、正社員の有効求人倍率が0.82倍であることから、正社員希望者が増えているため、企業が提示する待遇水準が適切であれば応募を集めやすい環境が整っている。一方、非正規雇用では求人の減少が続く業種もあり、時給や勤務条件の見直しが求められる可能性がある。医療福祉やサービス業では新規求人数が増加しているため、人材流動が発生しやすく、採用のタイミングをうまく捉えることが鍵となる。
また、中小企業にとっては求人票の改善が極めて重要となる。有効求人倍率が1倍を下回る状況では求職者との接点が増えるため、仕事内容、給与、福利厚生、キャリア形成の説明が曖昧な求人は選ばれにくくなる。求職者が比較しやすいように情報の透明性を高め、企業が提供できる魅力を正確に伝える工夫が必要だ。特に北海道のように広域で通勤距離や交通手段が採用に影響する地域では、勤務地情報や通勤支援策を積極的に示すことが応募につながる。
さらに、採用活動ではハローワークインターネットサービスの活用が欠かせない。2021年以降オンライン求職登録者が増加し、直接応募も増えているため、求人情報を最新の状態に保ち、オンライン応募者への迅速な対応を行うことで応募者との機会損失を防ぐことができる。北海道内ではオンライン経由の求職行動が浸透しており、企業の対応スピードが採用成功に直結する。
採用担当者にとって最も重要な視点は、募集から選考、内定後のフォローまでを一貫して最適化することである。求人倍率が下がる局面は一見採用しやすいように見えるが、求職者側の企業選別の動きが強まる時期でもあり、応募してもらうための訴求力と内定辞退を防ぐための関係構築が不可欠となる。特に2025年10月の有効求人倍率のように微妙な変動が続く局面では、小さな改善が大きな成果につながる可能性がある。
北海道の雇用情勢は今後も物価動向や経済情勢の影響を受けると考えられ、採用の難易度は業種ごとに変化していく。中小企業は市場の変化を敏感に捉え、求人情報の魅力向上、働きやすさの改善、オンライン対応の強化を進めることで、変化する労働市場の中でも効果的に人材を確保できる体制を築くことが求められる。
この記事の要点
- 2025年10月の北海道の有効求人倍率は0.94倍だった
- 新規求人数は29,695人で4か月連続の減少だった
- 有効求職者数は84,250人で増加が続いた
- 正社員の有効求人倍率は0.82倍で前年同水準だった
- 中小企業は求人情報の質向上とオンライン対応が重要になる
- 求職者増加局面では採用方法の改善が成果につながりやすい
⇒ 詳しくは北海道労働局のWEBサイトへ


