2025年12月24日
労務・人事ニュース
令和6年 北海道の運輸業で83.2%が法令違反、250事業場の監督結果を公表
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最終更新: 2025年12月24日 00:36
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自動車運転者を使用する事業場に対する令和6年の監督指導状況 ~自動車運転者を使用する事業場の 83.2%で法令違反~(北海道労働局)
この記事の概要
北海道における自動車運転者を使用する事業場への監督指導が2024年に実施され、対象となった250事業場のうち208事業場で法令違反が確認された。違反率は83.2%に上り、労働時間や割増賃金、安全基準に関する違反が多数を占めた。さらに改善基準告示の違反も139事業場で認められ、拘束時間や連続運転時間が長時間に及ぶ実態が明らかになった。
北海道で2024年に実施された自動車運転者を使用する事業場への監督指導では、全250事業場のうち208事業場で労働基準関係法令の違反が確認され、違反率は83.2%に達した。北海道内の運輸事業においては慢性的な長時間労働が課題とされており、今回の結果はその現状を裏付けるものとなった。監督指導の対象はトラックやタクシー、バスなどの運転者を抱える事業場であり、事業規模に関係なく労務管理上の問題が広範に確認された。
業種別の状況を見ると、北海道内のトラック関連事業場では216事業場のうち175事業場で違反が認められ、違反率は81.0%となった。タクシー事業場では27事業場すべてに違反が見つかり100.0%に達し、バスでは6事業場中5事業場が違反となり83.3%となっている。その他の業種も含めると、北海道における運輸業全体で高い違反率が続き、労働環境の改善が急務であることが浮き彫りとなった。
違反内容の中で最も多かったのは労働時間に関する項目で、116件が確認され46.4%に上った。北海道では広域配送が多く、長距離運転による拘束時間の長期化が顕著であることが背景にあるとみられる。次いで割増賃金に関する違反が74件で29.6%となり、時間外労働や深夜労働に対する適切な割増賃金が支払われていない事例が多く報告された。また、安全基準の違反が11件確認され、運転者の安全確保に向けた基本的な取り組みの不足が問題として浮かび上がった。
さらに北海道で実施された監督指導では、改善基準告示に基づく違反も多く、139事業場で基準超過が確認された。最大拘束時間の違反は86件で34.4%と最も多く、北海道内の特性である長距離移動や荷待ち時間の増加が影響しているとみられる。総拘束時間に関する違反が68件で27.2%、連続運転時間に関する違反も66件で26.4%となり、運転者の休息時間が十分に確保されない状況が続いていることが示された。休息期間に関する違反も48件確認され、運転者の健康維持に必要な基準が守られていないケースも多い。
北海道で行われた監督結果を3年間で比較すると、法令違反事業場数は高い割合で推移しており、改善基準告示違反も半数を超える状況が続いている。令和4年から令和6年までの3年間で、北海道のトラック関連事業場では監督対象216事業場中125事業場が改善基準告示違反となっており57.9%に上った。タクシー事業場でも12事業場が違反となり44.4%を占めている。北海道全体として運転者の拘束時間短縮や労働時間管理の強化が必要であることが数字からも明確になった。
また、北海道内では労働時間を削減するための具体的な取り組みも行われている。食料品の運送を行う事業場では、一部の運転者で月100時間を超える時間外労働が発生していたが、荷主と協議し、積み込み作業の見直しや配送ルートの変更などを行ったことで労働時間の削減を実現した。水産加工品を運搬する事業場でも、積み下ろし方法やフェリー利用の調整を行い、時間外労働を減らす効果が確認されている。これらの事例は北海道ならではの長距離輸送や季節による業務量の変動に対応しつつ、荷主と協働して改善を進める重要性を示している。
今回の監督指導結果は、北海道の運輸業全体が抱える長時間労働や労務管理の課題を改めて浮き彫りにした。運転者の安全と健康を守るためには、拘束時間や休息時間などの基準を順守し、荷主や取引先との連携を強化した改善が求められる。北海道の広域性や物流特性を踏まえたうえでの労働時間管理の見直しは、今後の運輸業の安全確保と働きやすい環境づくりに欠かせない取り組みとなる。
この記事の要点
- 北海道で250事業場を監督し208事業場が違反
- 北海道の違反率は83.2%で高水準が継続
- 労働時間違反は116件で最も多かった
- 改善基準告示違反は139事業場で55.6%
- 最大拘束時間の違反は86件と深刻
- 北海道内では荷主との協議による改善事例も確認
⇒ 詳しくは北海道労働局のWEBサイトへ


