2025年12月24日
労務・人事ニュース
令和6年 北海道の監督指導で64.8%が法令違反、全5,637事業場の詳細結果が明らかに
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令和6年の監督指導結果を公表します ~64.8%の事業場で労働基準関係法令違反を是正指導~(北海道労働局)
この記事の概要
北海道内で2024年に行われた監督指導では、全5,637事業場のうち3,652事業場が労働基準関係法令に違反していたことが明らかになりました。違反率は64.8%で、安全基準や労働時間管理、割増賃金の支払いなど基本的な労務管理に関する項目が中心となっています。業種別では運輸交通業や畜産・水産業、製造業で高い違反割合が確認され、業界ごとに課題が異なる実態が浮き彫りとなりました。
令和6年に実施された労働基準関係法令の監督指導では、北海道内の17署が合計5,637事業場を対象に調査を行い、そのうち3,652事業場で違反が確認されました。違反率は64.8%で、前年と同様に高い水準となりました。監督指導は、法定労働条件の履行状況と労働災害防止の取り組みを確認し、必要に応じて改善を促すことを目的としており、今年は特に安全確保と健康管理の重要性が強調されました。
調査結果によると、安全基準に関する違反が1,247件と最も多く、全体の22.1%を占めています。資料には、機械の安全装置が設置されていないケースや、高所作業における墜落防止措置が不十分な事例などが含まれており、基本的な安全管理の不足が依然として多い状況が見て取れます。特に、使用停止命令を受けた事業場は249件にのぼり、安全対策の遅れが労働災害につながるリスクが指摘されています。
労働時間に関する違反も1,022件と多く、全体の18.1%を占めています。中には時間外労働に関する協定が未締結のまま法定時間を超えて労働させている事例や、協定の範囲を超える残業が行われていたケースが含まれています。割増賃金に関する違反は673件で、法定の割増率に基づいた賃金支払いが行われていないなど、基本的な賃金管理に関する課題も目立ちました。
健康診断に関する違反も371件報告されています。定期健康診断が未実施であるケースや、有害業務従事者の特定健康診断が必要回数実施されていない事例、さらに異常所見があったにもかかわらず医師の意見聴取が行われていないケースも含まれています。労働者の健康管理は重大な安全衛生の柱であるにもかかわらず、改善が求められている状況です。
業種別に見ると、運輸交通業の違反割合が78.4%と最も高く、次いで畜産・水産業が77.6%、製造業が73.6%となっています。運輸交通業では労働時間に関する違反が突出しており、全体の51.7%を占めています。商業では180件の労働時間違反と145件の割増賃金違反が確認されるなど、多くの職場で基本的な労務管理の不足が問題として表れました。
製造業では安全基準違反が344件と最も多く、危険な作業が伴いやすい業種の特性が反映されています。建設業でも691件の安全基準違反が記録されており、足場や開口部の安全措置の不足が典型例として挙げられています。現場では元請と下請の両者に指導が行われる場面もあり、全体として複数の関係者が協力して労働環境を整備する必要性が示唆されています。
これらの結果は、労務管理の基本を確実に行うことの重要性を改めて示しています。法定労働条件の履行や安全衛生管理の徹底は、労働者の健康や安全を守るだけでなく、事業場全体の安定的な運営にも大きく関わる要素です。今回の公表は、事業場が自主的に改善を進めるための重要な指標となるものであり、今後も継続的な取り組みが求められています。
この記事の要点
- 監督指導の対象5,637事業場のうち3,652事業場で違反が確認
- 最も多い違反は安全基準で1,247件
- 労働時間に関する違反は1,022件
- 割増賃金の未払い等は673件
- 健康診断や医師意見聴取の不足が371件
- 業種別で最も違反率が高いのは運輸交通業の78.4%
- 使用停止命令を受けた事業場は249件
⇒ 詳しくは北海道労働局のWEBサイトへ


