2025年12月1日
労務・人事ニュース
令和7年12月1日施行、北海道特定最低賃金が1113円から1165円へ改定
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北海道特定最低賃金(4業種)が改定されます(北海道労働局)
この記事の概要
令和7年12月1日に北海道の特定最低賃金が4業種で改定され、時給額はそれぞれ65円から67円の幅で引き上げられる。また令和7年10月4日には地域別最低賃金も1075円に改定された。本記事では、改定内容の詳細と対象業種の時給額の変化を整理し、最低賃金制度の理解に役立つ情報をまとめる。
令和7年12月1日から、北海道内で適用される4つの特定最低賃金が改定される。今回の改定では、処理牛乳・乳飲料、乳製品、砂糖・でんぷん糖類製造業の時給が1113円に、鉄鋼業の時給が1165円に、電子部品やデバイス、電気機械器具、情報通信機械器具製造業の時給が1116円に、船舶製造・修理業および船体ブロック製造業の時給が1105円にそれぞれ改定されることになった。いずれの業種でも改定前と比較して時給が65円から67円引き上げられることが特徴であり、引き上げ率は5.9%から6.4%の範囲に収まっている。
この改定は、物価上昇の影響が続く中で最低賃金の購買力維持を図る目的や、業界の労働環境改善を意識した取り組みの一環として行われるものである。今回の4業種は北海道内において事業者数や従業員数が多く、地域産業を支える分野でもあるため、賃金の引き上げが広い範囲に影響を与えることが考えられる。例えば、電子部品・デバイス・電子回路を含む製造業の最低賃金は改定後1116円となり、改定前と比べて67円の増額となったことで、6.4%の引き上げ率が示されている。この業界は技術水準の高さと労働需要の安定性が特徴であるため、最低賃金の改定が人材確保や人材流動性の改善に寄与する可能性がある。
また、船舶製造・修理業と船体ブロック製造業は、今回の改定で最低賃金が1105円となり、65円の引き上げが実施される。引き上げ率は6.3%であり、機械加工や溶接といった技能が求められる分野であることから、人材の定着が課題となる業界でもある。最低賃金の上昇は人材の流出防止に一定の効果が期待される。鉄鋼業についても、改定後の最低賃金は1165円となり、65円の引き上げで5.9%の上昇となった。鉄鋼業は重量物の取り扱いや設備操作などの業務が含まれるため、賃金水準の改善が労働者の確保に与える影響は比較的高いと考えられる。
一方、令和7年10月4日には北海道の地域別最低賃金も改定されており、時間額1075円が適用されている。前回の最低賃金改定から65円の引き上げが行われ、6.4%の上昇率となる。地域別最低賃金はすべての労働者に適用される基準であり、正規労働者、非正規労働者、学生アルバイトなど、雇用形態を問わず広範囲に影響することが特徴である。最低賃金は企業が従業員に対して支払うことが義務づけられている最低限の金額であるため、この引き上げにより地域全体の賃金水準が底上げされる効果がある。
この地域別最低賃金と特定最低賃金の関係については、適用が重なる場合には高い金額が適用される仕組みになっている。たとえば、電子機器製造業の従業員が対象となる場合、地域別最低賃金の1075円より特定最低賃金の1116円が高いため、特定最低賃金が適用される。これは、業種ごとの労働負荷や技能水準に応じてより適切な最低賃金を設定するための制度であり、労働者の保護を強化する目的も含まれている。
さらに、最低賃金には通勤手当や精皆勤手当、家族手当などの手当は含まれないことが規定されている。これらの賃金は最低賃金額に算入されないため、企業が最低賃金を満たしているかどうかを判断する際には、基本給を中心に確認する必要がある。また、時間外労働などの割増賃金も最低賃金とは別に計算されるため、企業側は賃金体系を確認しながら適切な支払いを行う必要がある。
特定最低賃金には適用除外の範囲も定められている。例えば18歳未満や65歳以上の人、雇入れから3か月または6か月未満で技能習得中の人、清掃や整理、雑役などに従事する人などが除外対象となっている。これらは技能習得の進度や職務内容の違いを考慮したものであり、労働者の業務内容や状態に応じて適用が調整される仕組みが取られている。
今回の改定では、北海道の産業構造を支える複数の分野が対象となっているため、最低賃金の引き上げが事業者に与える影響も多岐にわたると考えられる。最低賃金の引き上げは労働者の働きやすさの向上につながる一方、事業者にとっては人件費の増大につながるため、企業の経営判断に影響を及ぼす面もある。しかし、最低賃金の改定は労働環境の改善や地域経済の活性化に寄与するものであり、長期的には労働者の定着や生産性の向上に結びつく可能性もある。
また、資料には最低賃金に関する注意事項が明記されており、最低賃金法第8条によって事業場内への掲示義務があることが示されている。労働者が自身の権利を理解できるように周知を行うことは重要であり、企業側も従業員が確認しやすい場所に掲示する必要がある。
さらに、最低賃金に関する相談窓口や支援策に関する情報も提示されている。賃金引き上げに関する助成金の情報が案内されており、賃上げを検討する中小企業などが支援を受けられる制度が用意されている。最低賃金の改定に伴い経営負担が増加する事業者にとって、こうした支援制度を活用することで負担を軽減しながら適切な賃金支払いが可能となる。
この記事の要点
- 特定最低賃金が4業種で65円から67円引き上げ
- 改定後の最低賃金は1113円、1165円、1116円、1105円
- 北海道地域別最低賃金は1075円に改定
- 最低賃金の適用範囲と除外対象が明確に規定
- 賃金引上げ支援制度の案内が提示されている
⇒ 詳しくは北海道労働局のWEBサイトへ


