2026年1月3日
労務・人事ニュース
2025年11月先行き 近畿 最低賃金引上げが採用抑制要因に、求人増要素乏しく有効求人倍率に不透明感
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最終更新: 2026年1月3日 07:01
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景気ウォッチャー調査(令和7年11月調査)― 近畿(先行き)―(内閣府)
この記事の概要
近畿の11月先行き判断では、大阪・関西万博閉幕後の反動や中国の渡航自粛による影響を懸念しつつも、年末商戦や気温低下による季節需要、政府の物価高対策への期待感などを背景に、販売量が一時的に増加するとの見通しが示された。雇用面では、派遣・紹介の動きが活発化し始める一方、最低賃金引上げによる採用抑制や、観光業の求人減少懸念が語られ、有効求人倍率の先行き不透明感が高まっている。
近畿の11月は、百貨店や商店街、飲食、宿泊といった幅広い業種で、中国の渡航自粛の影響がどの程度広がるのかが最大の関心となった。ここ数か月、百貨店では前年を30〜70%上回るほどインバウンド消費が拡大していたが、直近は増加ペースが急減しており、春節期に向けて落ち込みが続く可能性が指摘されている。大阪は中国人比率が全国でも高く、中国からの団体旅行キャンセルが続けば、売上への影響は避けられないとの声が現場から伝わった。一方で、欧米や東南アジアからの来客は堅調で、限定品を中心に国内客の動きも戻り始めており、百貨店は国内需要向けの販売強化に軸足を移しつつある。
食品スーパーでは、キャッシュレス決済による自治体キャンペーンが複数地域で実施されることから、米や年越し商材など主要商品の年末需要は伸びると予想される。ただし、食品価格の高騰が続くなか、日常消費を引き締める傾向は変わらず、原価上昇が続けば来店頻度の低下が懸念されるとの見方もある。ガソリン減税による物流コスト低減効果は期待されているものの、実際の価格転嫁には時間を要し、現場ではまだ実感が薄い。スーパーではクリスマスから正月にかけて「価格が高くても売れる」時期が来るとはいえ、例年以上の値上がりが続けば需要鈍化のリスクが依然として残っている。
コンビニエンスストアでは、年末のイベント商材や予約商品の増加により売上の上振れが期待される一方、万博効果の剥落や常連客中心の購買構造から、来客数が大きく伸びる見込みは薄いとされる。気温変化に応じたホットスナックや温かい飲料の強化が売上維持策として挙げられるものの、物価上昇で客の節約志向が強まっており、売上確保には工夫が求められる。
衣料品では、冬物の重衣料が動き始め需要増が期待される一方、中国問題や物価高の長期化に伴い、客が新しい服を買い控える傾向は強まっている。家電量販店でもボーナス時期の需要に期待がかかるが、高額家電の購入判断は慎重となっており、全体の販売増にはつながりにくいとの分析があった。補助金制度終了後の反動減も拍車をかけ、先行きを楽観できない状況が続いている。
飲食業では、中国からの来店が明確に減少したという報告が複数寄せられ、宴会シーズンに入っても予約にばらつきがみられる。国内旅行需要が弱いほか、中国からのインバウンド減少が続けば、観光地に立地する飲食店は影響を大きく受けるとみられ、購買意欲の回復には時間を要する。繁華街では新規店舗の増加により競争が激化しており、物価上昇の長期化による家族外食回数の減少が、地域の外食市場を押し下げている。
宿泊業では、万博開催期間中に集中していたレジャー需要の反動で、観光名所では来客数が大幅に戻らない状況が続いている。中国の渡航自粛による影響は地域によって差があり、中国人依存度の高い旅館では、訪日抑制が続けば売上に直結すると懸念が示された。一方、都市型ホテルでは欧米からの需要増や企業宴会の復活がみられ、団体利用の予約が埋まりつつあるなど、一定の改善が進んでいる。ただし、先行予約のペースは全体として鈍く、価格競争が激しくなれば収益性が低下するリスクが指摘されている。
住宅市場では、地価の局所的な上昇がみられるものの需要は伸び悩み、分譲・賃貸ともに価格が高止まりしているため、顧客の購買意欲は弱いままである。住宅ローン金利の先行きが不透明な点も消費マインドに影響し、営業現場では「良くなる材料が見当たらない」との声が複数上がっている。住宅設備関連でも、中国客減少によるホテル・民泊の新規出店停滞が懸念され、設備投資の鈍化が続く可能性が示された。
製造業に目を向けると、木材・木製品では燃料関連事業の売上が10年以上の水準から半分以下に落ち込んでいる一方、他事業で補完し全体改善を図る動きがみられた。電気機械では自動車関連が動かないまま、産業用機器が堅調で春までは好調が続くと予想される。食料品ではクリスマス需要により一時的に売上が増える見通しがあるものの、中国からの原材料到着遅延への懸念が強い。金属製品や建設業では、受注が伸び悩むほか、技術者不足で予算のかい離が広がり、工事の進捗にも影響が出始めている。
雇用環境では、冬に入り求人・求職が活発になるという季節的要因から、派遣会社では動きが増えるとの見通しが示された。しかし、求人数の顕著な増加要因は乏しく、最低賃金引上げにより採用を抑制する企業の声も強まっている。民間紹介機関では新卒採用に向けた合同企業説明会の出展企業数が伸び悩み、企業側の採用負担感が大きい様子がうかがえる。職業安定所では「求人は続いているものの増加要素はなく、動きは横ばい」としており、今後の有効求人倍率は上向きにくいとの見解がにじむ。また、インバウンド減速が長期化すれば観光業の求人縮小が避けられないとの懸念も挙がり、雇用市場の先行きには不安要素が多い。
このように近畿の11月先行きは、年末需要や欧米客増加などの明るい材料がありつつも、中国問題、物価高、賃金上昇負担といった複合的な要因に左右され、全体としては慎重な姿勢が示されている。企業にとっては、販売戦略だけでなく採用計画の精緻化や業務効率の改善が欠かせない局面に来ているといえる。
この記事の要点
- 百貨店はインバウンド30〜70%増から急減へ転じ春節影響を強く懸念
- スーパーはキャッシュレス還元で年末需要増を見込むが日常消費は節約続く
- 飲食は中国客減少が鮮明で宴会予約にもばらつきが生じている
- 都市型ホテルは欧米客増と企業宴会復活で部分的に改善
- 住宅市場は高止まりが続き購入意欲の弱さが消費者心理を圧迫
- 製造業は業種間の差が拡大し供給遅延や人手不足が課題
- 人材派遣は動きが活発化する一方求人数伸び悩みでマッチング難航
- 最低賃金引上げが採用抑制要因となり有効求人倍率の改善が見込みづらい
⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ


