2026年1月3日
労務・人事ニュース
2025年11月先行き 東海 中小企業の人件費負担増で求人抑制、最低賃金上昇が経営を直撃
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景気ウォッチャー調査(令和7年11月調査)― 東海(先行き)―(内閣府)
この記事の概要
東海地域の11月は、新政権の景気対策への期待感が高まる一方で、物価高や日中関係の不透明さが企業・家計双方に影を落とし、先行き判断は分野ごとに大きな差が生じた。小売や飲食では値上げの影響が続き消費に慎重さが見られ、観光や車関連でも外部環境に左右される状況が続く。雇用面では求人数は横ばいながら一部で減少の兆しもあり、中小企業を中心に採用の慎重姿勢が強まっている。
東海地域の11月は、緩やかな消費回復を期待する声と、物価高や国際情勢の影響を懸念する声が交錯し、分野ごとに明暗がくっきりと分かれる結果となった。新政権によるガソリン暫定税率廃止や生活支援策が報じられたことで、家計部門では「客の様子が明るくなった」と語るタクシー運転手のように前向きな変化を実感する意見がある一方、光熱費や食費の負担増を理由に消費者が依然として節約志向を強めており、小売現場からは慎重な見方も多く聞かれた。
百貨店や商店街では、新政権の政策効果により一時的には消費が上向くとの予測がある一方で、物販部門の買上点数が伸びず手提げ袋を持つ客が少ないといった、購買行動の変化が指摘された。気温が下がり始めたことで冬物衣料の動きが改善しており、販売数量も前年を上回る場面が見られ、消費者の意欲が維持されていると評価する声もある。しかし一方で、物価高が長期化しているため、家計の負担が軽減しなければ本格回復につながらないと懸念する百貨店担当者もいた。
スーパーの現場では、クリスマスから年末商戦に向けた季節需要により販売が一時的に上向くものの、値上げが続いているカテゴリーでは苦戦が続き、年明け以降はイベントの反動で客足が落ち込むとの予測が多かった。価格が下がりにくい商品が多いため、競合環境や立地に応じた戦略的な売場づくりが欠かせず、需要を的確に捉えた店舗が業績を左右する状況が続いている。
コンビニエンスストアでは、新政権の政策への期待感こそあるものの、来客数は伸び悩み、年明け以降の買い控えが強まる見通しが示された。中国からのインバウンド減少が地域によっては影響をもたらし、特に都市部の店舗では来客数へのマイナス効果が懸念されている。価格に見合った価値を提供できていないという自己分析も挙げられており、慢性的な課題が浮き彫りとなっている。
外食産業では、年末年始の需要に期待する高級レストランがある一方、小規模店舗では客足が限られ、好転要因が乏しいとする意見も多かった。仕入れ先からは来春以降の円安基調を踏まえた値上げの予定が伝えられており、消費者がどこまで価格転嫁を受け入れられるかが課題となる。宴会予約は少人数化が続いており、企業宴会の縮小トレンドは続く見込みである。
観光・宿泊業では、宿泊部門は国内客を中心に一定の堅調さが維持されているものの、中国の渡航制限強化で宴会やレストラン部門の弱さが続くという声が多い。予約は前年並みを確保しているホテルもあるが、7〜8%増の実績には至らず、販売価格への下押し圧力も懸念されている。テーマパークや観光名所では、物価高や国際関係の影響を理由に先行きに慎重な姿勢がみられ、来客数確保への取り組みが強まっている。
企業動向では、半導体関連や機械製造業で前向きな見通しが出ており、東南アジアでの設備投資の増加に期待する企業もあった。新工場建設情報やクリーン容器需要の拡大を背景に、出荷量の微増を見込む声もあり、一部では採用意欲が高まる場面も見られた。しかし鉄鋼や金属製品、出版・印刷などでは受注減少や賃金上昇が進まず、物価上昇に追いつかない構造的課題が継続している。
建設業では、物価高によるコスト上昇が利益を圧迫し、来年度の受注は慎重姿勢が強まっている。新築住宅着工は伸び悩んでおり、リフォーム需要も一巡したとの見方が示されるなど、複数の分野で需要減退が懸念されている。
雇用環境については、職業安定所から「新規求人数と求職者数は前月比で増加しているが大きな動きはない」との声があり、有効求人倍率の急激な変化は見込みにくいと評価されている。一方で、中小企業では最低賃金引上げや原材料費高騰の影響が大きく、新規求人を控える動きが出ているとの報告もあった。派遣業界では、大手企業の人員削減により中高年層の求職者増加が予測されるが、製造業では派遣人材の確保が難しく、採用難が続く構造的問題が浮上している。また、自動車関連では米国市場の不透明感が派遣予算に影響し、先行きに慎重な見通しが示されている。
総じて東海地域は、新政権による財政政策や消費支援策が短期的には消費を押し上げる可能性があるものの、根強い物価高と国際情勢の不透明感が企業心理と採用姿勢を抑制する構図が続いている。年度末にかけて人の動きが増えることで求人・求職活動も活発化する見込みはあるものの、賃上げ余力に乏しい中小企業では慎重な判断が続き、有効求人倍率は安定傾向ながら、雇用市場の改善スピードは緩やかになると予測される。
この記事の要点
- 新政権の政策により消費回復への期待が一時的に高まる
- 小売では値上げ長期化に伴う節約志向が定着し来客数が伸び悩む
- 宿泊業は国内客中心で堅調だが中国客減少が宴会部門に影響
- 製造業は半導体関連を中心に一部で回復の兆し
- 建設・住宅では物価高で来年度受注が慎重姿勢に転じる
- 新規求人数と求職者数は増加も大きな変動はなく採用は慎重
- 派遣業では採用難と人件費上昇が続き中高年層の求職増が見込まれる
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