2026年1月2日
労務・人事ニュース
2025年11月 求人横ばいで求職者不足が深刻化、採用難が続く四国の雇用環境
エラー内容: Bad Request - この条件での求人検索結果表示数が上限に達しました
景気ウォッチャー調査(令和7年11月調査)― 四国(現状)―(内閣府)
この記事の概要
四国地域の11月は、人気キャラクターショップの開業や芸術祭の開催が人流を押し上げ、商店街や小売では活気が戻る場面が見られた。一方で物価高の影響は依然として重く、スーパーやコンビニでは来客数が前年を下回るなど節約志向が強まっている。衣料品では来客が大幅に減少し、買い控えの傾向が続いた。製造業では一部で駆け込み受注があり好調な分野があるものの、建設業や不動産業ではコスト上昇が重荷となり動きが鈍い。雇用全体では人手不足感が継続しつつ、新規求人数は微減となり採用の難しさが一層鮮明となった。
四国地域の11月は、観光客とインバウンドの流入がもたらす人流の増加が地域経済にポジティブな影響を与えた。商店街では人気キャラクターショップのオープンが集客を大きく押し上げ、通りを歩く人が増え活気が戻った。一部飲食店ではこの増加が売上につながっており、来街者は観光目的の割合が高いものの、賑わい効果は地域全体に波及している。一方で売上の増加が限定的な店舗もあり、地域の商況の回復にはまだ差が残る状況が続いている。
一般小売では業種によって売上の動きが異なった。文具店では受注量と販売量がともに増加し、安定した需要が続いているとの声があった。生花店では客が商品を慎重に選ぶ姿が多く、少しでも安いものを探す層と気に入れば多少高くても購入する層に分かれ、消費行動が二極化している。書籍店は店頭売上・外商売上とも例年並みで、景気動向による大きな変化はみられなかった。一方で酒類を扱う小売では、物価高が家計を圧迫し家庭用の配達が減少するなど逆風が強まっている。
スーパーでは、物価上昇が顧客心理を直撃している。単価の上昇分が売上増加に寄与する一方、来客数は対前年比で減少が続き、買上点数も落ち込んでいるとの声が複数出ている。ある店舗では夏以降ずっと来客数が前年を下回っており、節約志向が定着し、特売品を中心に選ぶ傾向が強まっている。売上はこれまで値上げ分で補えていたが、最近では売上そのものも減少傾向にあり、消費者の財布の締まり具合が一段と厳しくなっていることがうかがえる。
コンビニエンスストアでも同様の傾向がみられた。商品価格の上昇と売上増加施策により売上は増えているものの、来客数が減少し、余分な買い物を控える傾向が顕著となっている。食材価格の高騰も止まらず、米価や野菜、卵などの価格は先行き不透明感が強く、企業側も仕入れに慎重な姿勢を続けている。客単価は上昇している店舗もあるが、中身は必要最低限の品目に絞られており、消費行動の抑制が続いている。
衣料品専門店は特に厳しい状況に置かれた。来客数が大幅に減少し、物価高によって衣料品購入まで資金が回らないという顧客が増えている。仕入れ単価の上昇も続いており、売上は前年並みで推移していても利益確保が難しい。生活必需品への支出が優先されるなかで、衣料品は後回しとなるケースが多いようだ。
家電量販店では、OSサポート終了に伴う買い換え需要が押し上げ効果を発揮し、売上が前年比140%と大幅に伸びた。とはいえ季節商品の動きが鈍く、買い換え需要の一巡後は消費者の慎重姿勢が再び影響する可能性もある。通信会社では来客数が前月比1割減少するなど、消費者の行動量そのものの減退も確認されている。
観光関連では、四国遍路や芸術祭の影響でタクシー利用が増え、タクシー業界では稼働台数が少ないこともあり一人あたりの乗車回数が増えている。観光型旅館は11月が繁忙期で、平年と同じく行動規制のない環境が集客を押し上げた。ショッピングセンターでも来客が前年を上回っており、近隣イベントの集客効果が大きいとの声があった。都市型ホテルでは実感としては改善が乏しいとの声もあるが、全体として観光による人流の恩恵は強く、週末のタクシー利用増にもつながっている。
一方で企業活動の景況感にはばらつきがある。繊維工業では値上げ前の駆け込み需要が発生し売上が好調だった。電気機械器具製造業でもバイオマス関連事業の受注により売上が増加している。しかし食品や日用品の価格高騰が続く中では消費者の財布の紐が固く、全体的な商況は前年並みにとどまっているとの声も多い。木材関連では受注は安定しているが住宅着工の減少が懸念されており、鉄鋼業でも受注・生産量は大きな変動がないものの先行きを慎重にみる姿勢が続く。
建設業では人材不足と物価高を注視する必要があり、民間・公共工事とも発注が減少しているとの報告があった。不動産業では郊外の安価な土地を求める動きが増えている一方、建築単価が上昇していることで売買の動きは良くない。税理士事務所からは物価高や人件費高騰により利益が伸び悩む企業が増えているとの指摘もあり、中小企業の収益環境は厳しい状況に置かれている。
雇用環境では、慢性的な人材不足が続く中で新規求人数は前年からわずかに減少した。建設業や一部の製造業では増加がみられるものの、自動車関連では業務量低下から雇用調整助成金の申請があるなど、業種による差が顕著である。人材派遣では求職者が少なく成約に苦戦しており、求人側の条件と求職者の希望のずれが深刻化している。求人情報誌の担当者からは採用が少しずつ進んでいるとの声もあるが、依然として人手不足感は強いままである。職業安定所の報告では、宿泊業がインバウンド需要を受け労働者確保の動きを強めている一方、他業種では新たな採用余力が限定的で、有効求人倍率に大きな変化はないものの採用の難しさは続いている。
四国地域の11月は、観光による人流増と物価上昇による購買抑制が同時に進行し、業種ごとに明暗が分かれる複雑な景況となった。求人の減少と求職者不足によるミスマッチは事業運営に影響を及ぼしつつあり、企業には柔軟な働き方や待遇改善による人材確保が求められる。
この記事の要点
- 人気キャラクターショップ開業で商店街の来客が増加したが売上増は限定的
- スーパーは来客減と買上点数減が続き節約志向が鮮明に
- 家電量販店はOS買換え需要で前年比140%と大幅増
- 観光需要が堅調でタクシー・旅館・商業施設の来客が増加
- 建設・不動産はコスト高で発注減少、景気の弱さが表面化
- 新規求人数微減と求職者不足で採用難が継続しミスマッチ拡大
⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ


