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2026年1月8日

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令和6年度の石綿関連労災請求1,529件が示す職場環境管理の重要性

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「令和6年度 石綿による疾病に関する労災保険給付などの請求・決定状況まとめ(確定値)」を公表します(厚労省)

この記事の概要

令和7年12月17日、国は令和6年度における石綿による疾病に関する労災保険給付および特別遺族給付金の請求・決定状況について、確定値を取りまとめ公表した。労災保険給付の請求件数は前年度より増加した一方、支給決定件数はわずかに減少している。特別遺族給付金については、請求件数、決定件数、支給決定件数のすべてで増加が確認された。統計は、石綿による健康被害の現状と、制度の利用状況を客観的な数字で示しており、今後の労働環境管理や企業の健康配慮体制を考える上で重要な資料となっている。


国は、令和6年度の石綿による疾病に関する労災保険給付などの請求および決定状況について、確定した数値を公表した。これは同年度中に受け付けられた請求と、その後の審査結果を整理したもので、速報値の公表後に精査を行った最終的な内容となる。

石綿による疾病は、長期間の潜伏期間を経て発症するケースが多く、発症時にはすでに離職している場合も少なくない。そのため、労災保険制度や特別な救済制度の利用実態を継続的に把握することは、社会的にも重要な意味を持つ。

令和6年度の労災保険給付における請求件数は、石綿肺を除いた疾病で1,529件となった。これは前年度と比べて224件増加し、増加率は17.2%となっている。石綿による健康被害への認識が進み、制度利用が広がっている状況が数字から読み取れる。

同じく決定件数は1,349件で、前年度より41件増加し、増加率は3.1%となった。一方で、実際に支給が認められた件数は1,140件となり、前年度から30件減少し、2.6%の減少となっている。請求の増加に対し、認定の判断が慎重に行われている状況がうかがえる。

対象となった疾病は、肺がんや中皮腫のほか、良性石綿胸水やびまん性胸膜肥厚などで、いずれも業務による石綿ばく露との因果関係が審査の焦点となる。医学的知見と作業歴の確認を踏まえた判断が求められる分野である。

石綿肺については、じん肺の一種として別途集計されており、令和6年度の支給決定件数は71件となった。前年度と比べると9件の増加で、増加率は14.5%である。長期的なばく露の影響が、現在も継続して表面化していることを示している。

一方、特別遺族給付金は、時効により労災保険の遺族補償給付を受けられなかった遺族を対象とした制度であり、石綿による疾病が業務に起因すると認められた場合に支給される。労災制度を補完する役割を担っている。

令和6年度の特別遺族給付金の請求件数は377件で、前年度から60件増加し、18.9%の伸びを示した。決定件数は341件となり、106件増加して45.1%の大幅な増加となっている。

そのうち支給が決定された件数は238件で、前年度から79件増加し、増加率は49.7%となった。請求から決定、支給に至るまでの各段階で増加が見られ、制度の周知が進んでいる状況が数字から確認できる。

今回の確定値では、死亡年別の統計資料も整理されており、過去に支給決定を受けた事案について、時系列での把握が可能となっている。これにより、石綿による健康被害が長期間にわたり続いている実態が、客観的に示されている。

これらのデータは、労働安全衛生の取り組みや健康管理体制を検討する企業にとっても重要な示唆を含んでいる。過去の作業環境が現在の健康被害につながる可能性を踏まえ、記録管理や相談体制の整備が改めて求められる。

数字に基づき現状を正確に把握することは、被害を受けた人や遺族の救済だけでなく、同様の被害を繰り返さないための基盤となる。今回公表された確定値は、今後の制度運用や職場環境の改善を考える上で、信頼できる指標の一つといえる。

この記事の要点

  • 令和6年度の石綿関連労災保険給付の請求件数は1,529件で前年度より増加
  • 支給決定件数は1,140件となり前年度からわずかに減少
  • 石綿肺の支給決定件数は71件で増加傾向が続いている
  • 特別遺族給付金は請求、決定、支給のすべてで前年度を上回った
  • 長期的な健康被害の実態を示す統計資料も併せて整理された

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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