2026年1月22日
労務・人事ニュース
485件分析で見えた解雇型雇用終了事案の解決金額中央値23.5万円の実態
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最終更新: 2026年1月22日 01:30
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労働局あっせんにおける解雇型雇用終了事案の分析(JILPT)
この記事の概要
2025年12月25日、労働局あっせんにおける解雇型雇用終了事案を対象とした分析結果が公表された。本調査は、解雇無効時の金銭救済制度を巡る検討に資する目的で実施され、485件の事案を詳細に分析している。解決までの期間や解決金額、労働者と企業の属性などが明らかになり、今後の雇用管理や紛争対応を考える上で重要な示唆を示している。
2025年12月25日、労働局あっせんにおける解雇型雇用終了事案を分析した調査結果が公表された。この調査は、解雇が無効とされた場合の金銭救済制度を巡る議論が続く中で、実際の紛争解決の実態を把握することを目的として実施されたものである。調査は、制度設計を検討するための基礎資料として位置付けられている。
対象となったのは、令和5年度中に4つの労働局で処理が完結したあっせん事案のうち、解雇型雇用終了に該当する485件である。あっせん制度の運営状況、労働者の属性、企業の属性、雇用終了の形態や理由、請求内容、解決金額など、多岐にわたる項目について集計と分析が行われている。
あっせんの結果を見ると、485件のうち合意が成立したのは180件で全体の37.1%にとどまっている。一方で、被申請人があっせんに参加しなかった事案は207件で42.7%を占めており、制度の利用において当事者双方が必ずしも交渉の場に立っていない実態が浮かび上がっている。
制度の利用期間については、合意が成立した180件のうち、申請から終了までが2か月以上3か月未満の事案が47.2%と最も多く、1か月以上2か月未満も41.7%を占めている。比較的短期間で手続きが進んでいる点は、あっせん制度の特徴の1つといえる。
雇用終了日から解決までの期間を見ると、3か月以上6か月未満が41.1%で最多となっている。次いで2か月以上3か月未満が24.4%となっており、解雇後一定期間を経てから解決に至るケースが多いことが分かる。迅速性とともに、一定の調整期間が必要である実態が示されている。
労働者の属性では、女性が54.6%と男性を上回っており、過去の調査結果とは異なる傾向が見られる。年齢層では60代が27.8%、50代が23.0%と、中高年層の割合が高い。雇用形態については、直用の非正規雇用が52.4%と過半数を占め、正社員は32.8%にとどまっている。
勤続期間を見ると、1年未満の短期勤続者が全体の6割を超えており、特に1か月以上6か月未満が31.4%と多い。賃金月額では20万円以上30万円未満が42.2%で最多となり、中央値は23.0万円となっている。職種別では事務職が25.4%と最も多く、専門職やサービス職が続いている。
企業側の属性を見ると、業種では医療や福祉、卸売や小売が比較的多く、製造業は1割未満にとどまっている。企業規模は10人以上50人未満や100人以上300人未満が多く、中央値は70人である。労働組合が存在しない企業が86.9%を占めており、組合による交渉支援がない環境で紛争が発生しているケースが多い。
雇用終了の形態では、普通解雇が51.3%と過半数を占め、雇止めが33.6%で続いている。雇用終了に至った理由としては、労働者の行為に関するものが54.2%と最も多く、能力や属性に関する理由が25.2%となっている。経営上の理由によるものは13.6%にとどまっている。
請求内容を見ると、金銭のみを求める事案が83.0%と大多数を占め、復職を求めるケースはごく少数である。請求金額は50万円以上100万円未満が27.3%で最多となり、中央値は90.3万円である。解決においても復職が認められた事案は1.1%に過ぎず、金銭解決が主流である実態が明らかになっている。
解決金額の分布を見ると、10万円以上20万円未満が22.3%で最も多く、中央値は23.5万円となっている。賃金月額に換算した月収表示では、1か月分未満と1か月以上2か月未満で全体の7割を超えており、中央値は1.03か月分である。実務上の解決水準を示す具体的な数値として注目される。
本調査は、労働局あっせんにおける解雇型事案の全体像を数量的に示した点に大きな意義がある。解雇無効時の金銭救済制度を検討する上で、現行制度下での実態を踏まえた議論が求められており、企業の雇用管理や紛争対応を考える上でも参考となる内容である。
この記事の要点
- 解雇型雇用終了事案485件を対象に詳細な分析が行われた
- 合意成立は37.1%で被申請人不参加が42.7%を占めている
- 解決金額の中央値は23.5万円で月収換算では1.03か月分となっている
- 短期勤続の非正規雇用者が多数を占める構造が明らかになった
- 復職による解決は極めて少なく金銭解決が主流である
⇒ 詳しくは独立行政法人労働政策研究・研修機構のWEBサイトへ


