2026年1月19日
労務・人事ニュース
令和7年11月三重県の有効求人倍率1.17倍から考える中小企業採用戦略
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一般職業紹介状況(令和7年11月内容)(三重労働局)
この記事の概要
令和7年11月に公表された三重県の一般職業紹介状況では、有効求人倍率が1.17倍となり、前月からわずかに上昇しました。全国平均とほぼ同水準で推移する一方、求人の動きには足踏み感が見られ、雇用環境は回復基調の中にも弱さを含んでいます。本記事では、三重県の最新の有効求人倍率や求人・求職の具体的な数値を丁寧に読み解きながら、中小企業の採用担当者がこの数値をどのように受け止め、今後の採用活動にどう生かすべきかを実務目線で詳しく解説します。
令和7年11月の三重県における有効求人倍率は、季節調整値で1.17倍となりました。前月から0.01ポイント上昇しており、求人が求職を上回る状態は維持されています。ただし、この結果を単純に採用環境が好転したと判断するのは早計です。全国の有効求人倍率は1.18倍であり、三重県は全国順位で25位となっています。つまり、全国的に見れば平均的な水準であり、突出した人手不足県というわけではありません。この点を正しく理解することが、中小企業の採用判断において非常に重要です。
有効求人数は28,897人で前月比0.3%増加しました。一方、有効求職者数は24,708人で前月比0.3%減少しています。求人が増え、求職者が減った結果として、有効求人倍率が上昇していますが、その増減幅はいずれも小さく、全体としては横ばいに近い動きと言えます。雇用情勢の判断としては、求人が求職を上回る状態が続くものの、改善の勢いは弱く、慎重な見方が必要な局面にあると捉えるのが現実的です。
新規求人倍率に目を向けると、令和7年11月は1.88倍となり、前月から0.21ポイント低下しました。新規求人数は9,781人で前月比2.1%減少し、新規求職申込件数は5,202件で前月比8.7%増加しています。これは、企業が新たな採用に対して慎重になり始めている一方で、求職者側は動きを強めていることを示しています。中小企業の採用担当者にとっては、これまでのように求人を出せば自然と応募が集まる環境ではなくなりつつあることを意味します。
産業別に見ると、建設業や製造業、運輸業・郵便業では新規求人が前年同月を下回っています。特に建設業では前年同月比で約20%減少しており、人手不足が続く中でも受注環境やコスト上昇の影響から採用を抑制する動きが見られます。一方、医療・福祉分野では新規求人が前年同月比13%以上増加しており、人材需要の二極化が進んでいることが分かります。中小企業の採用担当者は、自社が属する業界だけでなく、地域全体の産業構造の変化も踏まえて採用戦略を考える必要があります。
求職者の動向を見ると、新規求職申込件数は3,993件で前年同月比4.6%減少しています。在職者の求職は減少している一方、無業者の求職は増加しており、働き方や生活環境の変化が背景にあると考えられます。また、離職者は全体として減少傾向にあり、特に事業主都合による離職者が減っている点は、雇用の安定性が一定程度保たれていることを示しています。このような状況では、求職者は職場環境や将来性をより重視する傾向が強まります。
正社員に限定した有効求人倍率は1.04倍となり、前年同月から0.02ポイント上昇しました。有効求人数は13,930人で前年同月比1.8%増加し、有効求職者数は13,347人で0.9%減少しています。正社員求人は増加しているものの、その伸びは緩やかであり、企業側が慎重に採用枠を設定している様子がうかがえます。中小企業にとっては、即戦力人材だけを求め続ける採用では限界があり、育成を前提とした採用や職務内容の柔軟な設計が求められます。
有効求人倍率1.17倍という数字は、一見すると採用が難しい状況を示しているように見えますが、実際には「選ばれる企業」になれるかどうかが問われる局面です。賃金や福利厚生だけで大企業と競争するのではなく、仕事内容の明確化、働きやすさ、経営者の考え方や会社の将来像を丁寧に伝えることが、応募者の安心感につながります。有効求人倍率は単なる統計ではなく、採用市場の空気感を読み取るための重要な指標であり、中小企業の採用担当者はこの数値を起点に、自社の採用活動を見直すことが求められています。
この記事の要点
- 令和7年11月の三重県有効求人倍率は1.17倍で前月からわずかに上昇
- 求人は増加したが全体としては足踏み感のある雇用情勢
- 新規求人倍率の低下から企業の採用姿勢は慎重化している
- 産業や職種による人材需給の差が拡大している
- 中小企業は有効求人倍率を基に採用の質と伝え方を見直す必要がある
⇒ 詳しくは三重労働局のWEBサイトへ


