2026年1月19日
労務・人事ニュース
令和7年11月愛知県の有効求人倍率1.21倍から考える中小企業採用の転換点
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県内の雇用失業情勢について(愛知労働局)
この記事の概要
令和7年11月の愛知県における有効求人倍率は1.21倍となり、前月から0.02ポイント低下しました。求人が求職を上回る状況は維持されているものの、7か月連続で低下が続いており、雇用情勢には慎重な見方が必要な局面に入っています。本記事では、最新の雇用統計に基づき、愛知県の有効求人倍率や求人・求職の動向を丁寧に整理しながら、中小企業の採用担当者が今後どのような視点で採用活動を進めるべきかを、実務に即した独自の観点で詳しく解説します。
令和7年11月の愛知県の有効求人倍率は、季節調整値で1.21倍となりました。この数値は全国平均の1.18倍をわずかに上回っているものの、前月からは0.02ポイント低下しており、7か月連続の低下という点が大きな特徴です。有効求人倍率が1倍を超えていることから、求人が求職を上回る構造自体は続いていますが、その勢いは確実に弱まりつつあります。中小企業の採用担当者にとっては、「依然として人手不足」という単純な捉え方だけでは、採用の判断を誤る可能性が高まっている状況です。
有効求人数は119,951人となり、前月比で1.7%減少しました。一方、有効求職者数は99,442人で前月比0.3%増加しています。求人が減少し、求職者が増加するという動きが同時に起きていることが、有効求人倍率低下の直接的な要因です。この動きは、企業側が採用を抑制し始めている一方で、求職者側は将来不安や物価上昇の影響を受け、転職や再就職を検討する人が増えている可能性を示しています。
新規求人倍率は2.24倍となり、前月から0.07ポイント低下しました。新規求人数は37,990件で前月比2.6%減少し、新規求職申込件数は17,966件で前月比0.7%増加しています。新規求人倍率が低下しているということは、新たな採用の場面でも企業と求職者の力関係が徐々に変わり始めていることを意味します。これまで売り手市場を前提に採用活動を進めてきた中小企業にとっては、採用の進め方を見直す重要なタイミングだと言えます。
正社員の状況を見ると、正社員有効求人倍率は1.13倍となり、前月から0.05ポイント低下しました。ただし、この倍率は53か月連続で1倍台を維持しており、正社員採用が極端に冷え込んでいるわけではありません。一方で、正社員有効求人数は64,090人で前年同月比6.6%減少しており、企業側が正社員採用に慎重になっている様子がうかがえます。中小企業の採用担当者にとっては、即戦力人材を前提とした採用だけでは、応募が集まりにくくなる局面に入っていると認識する必要があります。
産業別に新規求人の動向を見ると、製造業や卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業、サービス業など、多くの主要産業で前年同月比マイナスとなっています。特に製造業では、輸送用機械器具製造業や金属製品製造業などで大幅な減少が見られ、愛知県の基幹産業である製造分野にも調整の動きが広がっていることが分かります。一方で、職業紹介・労働者派遣業では増加が見られ、企業が直接雇用よりも柔軟な人材活用を選択している傾向も読み取れます。
地域別に見ると、名古屋地域の有効求人倍率は1.59倍と高い水準を維持している一方で、尾張地域や西三河地域では1.03倍、東三河地域では0.96倍と、地域差が明確に表れています。中小企業の採用担当者が県全体の平均値だけを見て判断すると、実際の採用難易度とのズレが生じやすくなります。自社の所在地や通勤圏における有効求人倍率を意識した採用設計が、これまで以上に重要になります。
求職者の内訳を見ると、在職者からの求職が引き続き多くを占めていますが、事業主都合による離職者は増加傾向にあります。この点は、今後一定数の人材が市場に流入する可能性を示しており、中小企業にとっては採用機会が生まれる余地もあります。ただし、こうした求職者は企業の安定性や将来性をより厳しく見極める傾向が強いため、採用活動では条件面だけでなく、事業の方向性や働き続けられる環境を丁寧に伝える姿勢が欠かせません。
有効求人倍率1.21倍という数字は、「まだ人手不足」と「採用環境が変わり始めている」という2つの側面を同時に含んでいます。中小企業の採用担当者がこの局面で意識すべきなのは、採用を急ぐことよりも、採用の質を高めることです。求人票の内容を見直し、業務内容や期待する役割を具体的に示すこと、入社後の育成や評価の仕組みを分かりやすく伝えることが、応募者の納得感につながります。
また、これまで採用が難しかった職種や年齢層に目を向けることも有効です。統計上は求人が減少しているように見えても、求職者側の不安が高まっている局面では、中小企業ならではの柔軟な働き方や人間関係の近さが評価されるケースも少なくありません。有効求人倍率を単なる結果として捉えるのではなく、採用戦略を考えるための材料として活用することが、今後の人材確保を左右すると言えるでしょう。
この記事の要点
- 令和7年11月の愛知県有効求人倍率は1.21倍で7か月連続の低下
- 求人は減少し求職者は増加しており採用環境は転換点にある
- 正社員求人は減少傾向で即戦力採用だけでは難しさが増している
- 地域や産業による採用難易度の差が大きい
- 中小企業は採用の量より質を重視した戦略が求められる
⇒ 詳しくは愛知労働局のWEBサイトへ


