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2026年1月18日

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令和7年11月の埼玉県有効求人倍率1.09倍から考える中小企業採用戦略

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労働市場ニュース(令和7年11月)(埼玉労働局)

この記事の概要

令和7年11月の埼玉県における有効求人倍率は1.09倍となり、前月から0.03ポイント低下しました。求人が求職を上回る状態は続いているものの、求人数は減少傾向にあり、雇用情勢には持ち直しの弱さが見られます。本記事では、埼玉県の最新雇用統計に基づき、有効求人倍率の背景にある事実を丁寧に整理しながら、中小企業の採用担当者が今後どのように採用活動を進めるべきかを、実務視点で詳しく解説します。


令和7年11月の埼玉県の雇用情勢を見ると、有効求人倍率は季節調整値で1.09倍となりました。前月の1.12倍から低下しており、数字だけを見ると採用環境がやや緩和したように感じられるかもしれません。しかし実態を見ると、有効求人数は96,914人で前月比2.8%減少しており、求人の動きそのものが弱まっていることが分かります。一方で、有効求職者数は89,157人と前月比0.1%増加しており、仕事を探す人の数は高水準で推移しています。この結果として、有効求人倍率が低下している点は、企業側にとって必ずしも採用しやすくなった状況を意味するものではありません。

新規求人倍率は1.99倍となり、前月から0.04ポイント低下しました。新規求人数は32,517人で前月比0.2%増加したものの、前年同月比では17.0%減少しており、長期的には新たな採用に慎重な姿勢が続いています。特にフルタイム求人は前年同月比19.4%減少しており、正社員採用に対する企業の慎重さが数字に表れています。パート求人も前年同月比13.2%減少しており、雇用形態を問わず求人総量が縮小している状況です。

産業別に新規求人の動きを見ると、主要11産業すべてで前年同月を下回りました。生活関連サービス業や娯楽業では前年同月比34.3%減少し、理容業など身近なサービス分野で求人が大きく減っています。建設業も24.1%減少しており、一般土木建築工事業などで人材需要が抑制されています。製造業も22.9%減少し、食料品製造業などで求人が減っています。これらの数字からは、特定の業界だけの問題ではなく、埼玉県全体で採用に対する慎重姿勢が広がっていることが読み取れます。

正社員に目を向けると、就業地別正社員有効求人倍率は0.92倍となり、前年同月から0.11ポイント低下しました。正社員求人は求職者数を下回っており、正社員として働きたい人に対して、十分な求人が用意されていない状況です。一方で、新規求職者のうち正社員希望者の割合は62.2%と前年より上昇しており、安定した雇用を求める意識は強まっています。この需給のギャップは、中小企業の採用現場でミスマッチが起こりやすい背景となっています。

就職件数は2,715件で前年同月比4.7%減少しました。就職率自体は大きく悪化していないものの、求人減少の影響を受け、採用が決定するまでに時間がかかるケースが増えていると考えられます。さらに、雇用保険受給者実人員は24,802人と前年同月比13.4%増加しており、離職後に次の仕事を探している人が増えている点も見逃せません。

こうした埼玉県の有効求人倍率1.09倍という数字から、中小企業の採用担当者が読み取るべき重要なポイントは、採用市場が決して企業優位に転じたわけではないという点です。求人が減少し、求職者が高水準にある局面では、条件や仕事内容が明確でない求人は選ばれにくくなります。求職者は複数の求人を比較しながら応募先を選んでおり、企業側の情報発信力が採用結果を大きく左右します。

中小企業が採用活動を進めるうえでは、有効求人倍率を単なる景気指標として見るのではなく、自社の採用戦略を見直す材料として活用することが重要です。例えば、正社員希望者が多い一方で正社員求人が不足している現状では、育成前提の採用や、入社後のキャリアパスを丁寧に示すことが効果的です。即戦力だけを求め続ける採用では、母集団が限られてしまいます。

また、埼玉県では29人以下の事業所による求人が全体の多くを占めています。同じ規模の企業同士で人材を取り合う状況だからこそ、自社ならではの強みを明確に伝えることが欠かせません。大企業と比較した条件面の不利を嘆くのではなく、裁量の大きさや経営者との距離の近さ、地域密着型の安定性など、中小企業だからこそ伝えられる価値を具体的に表現する必要があります。

選考スピードの見直しも重要な視点です。有効求人倍率が1.09倍という環境では、優秀な人材ほど複数の内定候補を持っています。面接日程の調整や合否連絡に時間をかけすぎると、それだけで機会損失につながります。採用活動を人事部門だけの業務と捉えるのではなく、経営課題の一部として取り組む姿勢が、今後の人材確保には欠かせません。

令和7年11月の埼玉県の有効求人倍率1.09倍は、採用環境が改善したことを示す数字ではなく、採用活動の質がこれまで以上に問われる段階に入ったことを示しています。中小企業の採用担当者が、この数字の背景にある雇用情勢を正しく理解し、自社の魅力を分かりやすく伝えることができれば、厳しい環境の中でも着実な採用につなげることができるでしょう。

この記事の要点

  • 令和7年11月の埼玉県の有効求人倍率は1.09倍で前月から低下
  • 有効求人数は減少し求人の動きに弱さが見られる
  • 主要産業すべてで新規求人が前年同月を下回った
  • 正社員希望者は多いが正社員求人は不足している
  • 中小企業は自社の強みを明確にした採用活動が必要
  • 選考スピードと情報発信力が採用成功の鍵となる

⇒ 詳しくは埼玉労働局のWEBサイトへ

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