2026年4月5日
労務・人事ニュース
2025年10月時点で外国人労働者2,571,037人に拡大、10年で約2.8倍に増加した雇用市場
外国人雇用対策の在り方に関する検討会(第13回)会議資料 【資料2-1】当面の外国人雇用対策として考えられる課題(案)(厚労省)
令和7年10月時点における外国人労働者数は2,571,037人となり、過去最多を更新した。この数は10年前の平成27年10月時点の約910,000人と比較して約2.8倍に増加しており、日本の労働市場において外国人材の存在感が急速に高まっている現状が明らかになっている。人口減少が進む中で人手不足が深刻化する状況において、この増加は構造的な変化として捉える必要がある。
これまでの議論では、外国人労働者の受け入れにあたり、労働市場への適切な包摂や国際的な労働移動の把握を踏まえた施策の必要性が指摘されてきた。さらに、文化や価値観の違いを乗り越え、長期的なキャリア形成を前提とした就労環境の整備が求められている。こうした方向性に基づき、実態把握を重視した調査や支援施策が段階的に進められてきた経緯がある。
実際に、雇用形態や賃金、入職経路、生活状況などを把握するための調査が開始され、客観的なデータに基づく政策立案の基盤が整いつつある。また、多言語対応の相談体制や人事労務に関する支援ツールの整備も進められており、外国人労働者が安心して働ける環境づくりが進展している点は重要である。
一方で、中間的な取りまとめから約5年が経過する中で、制度の目的と現場の実態との間に乖離が生じているとの指摘もある。制度改正の動きや人手不足の深刻化を背景に、外国人労働者を取り巻く環境は大きく変化しており、新たな課題への対応が求められている状況である。
特に課題として挙げられているのが、適切な雇用管理の徹底である。外国人労働者が安心して働くためには、在留資格の範囲内での就労や適正な労働条件の提示、法令遵守の徹底が不可欠であり、これらは事業主が主体的に取り組むべき基本的な責務とされている。加えて、職場内トラブルの未然防止も重要な観点となっている。
また、現場では日本語能力の不足によるコミュニケーションの難しさや、文化や生活習慣の違いに起因するトラブルが多く報告されている。こうした問題は業務効率だけでなく、職場環境や定着率にも影響を及ぼすため、日本語教育の充実が重要な対策として位置付けられている。
日本語教育については、質と量の両面での強化が求められている。従来の教育手法に加え、技術の活用による効率的な学習環境の整備や、地域ごとの教育機関の拡充が課題として挙げられている。さらに、企業と行政が連携し、学習機会の提供を継続的に行う体制づくりが必要とされている。
加えて、外国人労働者の処遇に関しては、同一労働同一賃金の考え方の適用や、教育訓練の充実が求められている。適正な処遇を確保することは、労働者の権利保護だけでなく、企業側の信頼性向上にもつながる重要な要素となる。
さらに、外国人労働者が直面する問題として、就労に関連する費用負担や相談先の認知不足も指摘されている。トラブル発生時に適切な支援につながらない場合、離職や不安定な就労につながる可能性があるため、相談体制の周知とアクセス向上が重要である。
制度面では、外国人雇用状況の届出制度の運用改善も課題となっている。偽造在留カードの問題や未届、虚偽届出といった不適切な事例への対応が求められており、適正な運用と監督の強化が必要とされている。一方で、過度な事務負担とならないよう配慮することも重要な視点である。
今後の大きな転換点として、令和9年4月には育成就労制度の本格施行が予定されている。この制度では本人の意向による転籍が可能となるため、労働市場の流動性が高まることが見込まれている。その中で、就業支援機能の強化やマッチング精度の向上がこれまで以上に重要となる。
また、外国人労働者の増加に伴い、就労支援機関の役割も拡大していくと考えられている。多言語対応や通訳配置の充実など、利用しやすい環境整備とともに、制度や支援内容の周知を進めることが不可欠である。
今回整理された課題は、外国人労働者が安全かつ安心して働ける社会の実現に向けた重要な指針となる。データに基づく分析と現場の実態を踏まえた施策を両立させることで、持続可能な労働環境の構築が期待されている。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ


