2026年4月11日
労務・人事ニュース
2025年 人権侵犯事件8,207件分析で見えた教育関係26.1%と学校におけるいじめ1,422件の深刻実態
令和7年における「人権侵犯事件」の状況について(概要)~法務省の人権擁護機関の取組~(法務省)
2026年3月24日、国内における人権侵害の実態と対応状況をまとめた報告が公表され、2025年における人権侵犯事件の動向が明らかになった。人権を侵害されたとする申告を受けて調査や救済を行う仕組みに基づき、被害の解消と再発防止に向けた取り組みが継続的に実施されていた。
2025年に新たに救済手続が開始された件数は8,207件、処理された件数は8,167件となり、前年と同水準で推移していた。人権侵犯事件は多様な分野に広がっており、教育や労働、プライバシーに関わる問題など、日常生活のさまざまな場面で発生している状況が確認されていた。
分野別では教育関係が最も多く、全体の26.1%を占めていた。次いで名誉やプライバシーに関する事案が24.3%、労働に関する問題が17.7%と続いており、個人の尊厳や働く環境に関わる課題が依然として大きな割合を占めていたことが、資料の円グラフから読み取れる。
教育分野の中でも、学校におけるいじめは1,422件にのぼり、全体の17.3%を占める結果となっていた。児童生徒を取り巻く環境において、人権侵害が依然として深刻な課題であることが浮き彫りとなり、継続的な対策の必要性が示されていた。
また、インターネット上の人権侵害については1,569件が新規に救済手続の対象となっており、高い水準で推移していた。内容としては、プライバシー侵害が503件、識別情報の摘示が494件、名誉毀損が348件とされ、これらで全体の約85%を占めていた点が特徴的であった。
対応の具体像としては、被害者への助言や削除依頼の方法の案内が約4割を占め、違法性が認められた場合にはプロバイダなどに対して削除要請が行われていた。実際の事例では、個人情報の無断掲載や誹謗中傷、無断撮影画像の公開などに対し、調査の上で削除措置が講じられていたことが報告書の事例から確認できる。
さらに、外国人に対する診療拒否や入居拒否、性自認に関する情報の不適切な共有など、多様な差別的取扱いに対しても対応が行われていた。これらの事案では、関係者への指導や再発防止の要請が行われ、基本的人権の尊重に向けた啓発が重視されていた。
相談件数の面では、年間152,918件に達しており、電話による相談が61.1%と最も多くを占めていた一方、チャットやメールといったデジタル手段の利用も一定数確認されていた。相談手段の多様化は、利用者のアクセス向上に寄与していると考えられていた。
今回の結果からは、従来型の人権問題に加え、インターネットを介した新たな侵害が拡大している実態が浮かび上がった。特に青少年への影響が懸念されており、教育現場や社会全体での理解促進が求められていた。
人権擁護機関は、相談対応や調査、関係機関との連携を通じて被害の早期解決を図るとともに、啓発活動や教育を通じて未然防止にも取り組んでいた。今後は、社会の変化に対応した柔軟な対応体制の整備が重要となるとみられている。
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