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2026年4月29日

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平均賃金148,615円、10万円台83.0%の技能実習生の収入実態

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技能実習制度の運用等に関する実態調査(JILPT)

2026年3月31日、技能実習制度の見直しに向けた基礎資料として、監理団体、実習実施者、技能実習生を対象とした大規模な実態調査の結果が公表された。制度運用の実情を多面的に把握するため、関係主体それぞれに対してアンケートが実施されている。

調査は、監理団体3,421団体、実習実施者約60,000社から抽出した5,000社、さらに各企業に所属する技能実習生25,000人を対象に行われた。調査期間は2023年8月から10月にかけてで、監理団体1,095件、実習実施者1,028件、実習生2,230件の回答が得られている。

監理団体の実態を見ると、1団体あたりが監理する企業数は15社未満が57.0%と過半数を占め、そのうち5社未満が25.3%と小規模な運用が多い。一方で50社以上を管理する団体も12.8%存在しており、運用規模にはばらつきが見られる。

受け入れている実習生数については、50人未満が49.8%と約半数を占める一方、150人以上も19.7%と一定数存在する。団体の形態では事業協同組合などの中小企業団体が88.3%と大半を占めており、制度運営の中心を担っている。

業種別では、溶接や塗装などを含む分野が57.5%、建設関係が51.6%、機械・金属関係が45.6%と高い割合を示している。さらに、常勤職員1人あたりの管理対象は4社未満が51.1%、7社未満が81.2%に達し、人的負担が一定範囲に収まっている状況がうかがえる。

母国語での相談対応は「毎日」が66.8%と最多で、実習生支援の頻度は高い。過去1年で転籍相談を受けた団体は44.8%に上り、そのうち68.0%が実際に転籍支援を行っていることが確認された。

実習実施者側では、従業員100人未満の企業が64.9%と中小企業が中心となっている。実習生の出身国ではベトナムが62.1%と突出しており、インドネシア22.0%、フィリピン14.8%、中国14.1%が続いている。

受け入れ分野は建設関係が29.3%で最も高く、機械・金属や農業、繊維、食品製造など幅広い分野に広がっている。日本語能力に関しては、「問題はない」が44.3%と最多である一方、「指示が理解されず危険やミスの恐れ」が42.2%と拮抗しており、現場でのリスク要因として無視できない状況が浮かび上がる。

過去1年間で離職者がいなかった企業は64.2%と過半数を占めるが、離職理由では「本人や家族の事情」が66.9%と最も多く、労使間トラブルは限定的である。賃金設定は最低賃金を基準とする企業が62.6%と多数を占めている。

技能実習生の属性を見ると、年齢は20代が約7割を占め、男性59.1%、女性40.9%と男性がやや多い。学歴は高校卒業が59.3%で最多となっている。

日本語能力は来日前にはN5が51.4%と半数以上を占めるが、実習後はN3やN2が2割以上に増加しており、一定の向上が確認されている。一方で、言語面の課題は残っており、作業時の理解不足によるリスクを挙げる声も33.5%に上る。

就労意識については、「辞めたいと思ったことはない」が84.8%と大多数を占めるが、理由がある場合は「給料が低い」が45.9%と最も多く、「仕事がきつい」28.4%、「家族に会いたい」24.6%が続いている。

手取り賃金は「10万円以上~15万円未満」が46.2%、「15万円以上~20万円未満」が36.8%で、平均は148,615円となっている。労働時間は週45時間前後が中心だが、50時間以上も24.7%存在しており、長時間労働の実態も確認された。

また、要望としては「もっと残業したい」が60.2%、「賃金を上げてほしい」が51.5%と高く、収入向上への強いニーズが示されている。一方で、労働時間が長くなりすぎると賃金満足度が低下する傾向も見られ、働き方と報酬のバランスが課題となっている。

今回の調査は、制度運用の現場における実態を具体的な数値で示したものであり、監理体制、企業側の受け入れ環境、実習生の就労状況のいずれにおいても、多様な課題と実態が併存していることを明らかにした。今後の制度見直しに向けて、実態に即した議論が求められる。

⇒ 詳しくは独立行政法人 労働政策研究・研修機構のWEBサイトへ

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