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2026年6月21日

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2026年4月大分県の有効求人倍率1.14倍と求人減少8.8%の意味

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2026年4月大分県の有効求人倍率1.14倍と地域別採用環境の違い

大分労働局が2026年5月29日に公表した2026年4月の一般職業紹介状況によると、大分県の有効求人倍率は1.14倍となり、前月と同水準を維持しました。有効求人倍率が1倍を超えている状態は、求職者数よりも求人数が多いことを示しており、県内企業にとっては依然として人材確保が容易ではない状況が続いています。一方で、求人市場の詳細なデータを確認すると、単純な人手不足だけでは説明できない変化も見え始めています。採用担当者にとっては、数字の表面だけを見るのではなく、その背景にある求職者の動向や企業の採用意欲の変化を正確に読み取ることが重要な時期に入っています。

2026年4月の有効求人倍率1.14倍は、全国平均の1.18倍をやや下回るものの、九州平均の1.07倍を上回る水準となりました。大分県では2015年2月以降、135か月連続で有効求人倍率が1倍以上を維持しており、長期間にわたり求人が求職を上回る状況が続いています。このことからも、大分県内の企業が慢性的な人材不足と向き合っていることがわかります。

今回の統計で注目したいのは、有効求人数と有効求職者数の動きです。季節調整値で見ると、有効求人数は21,623人で前月比0.5%増加しました。有効求職者数も18,964人で前月比0.4%増加しています。求人と求職の双方が増加した結果、有効求人倍率は前月と同じ1.14倍となりました。求人側は11か月ぶりの増加となった一方で、求職者数は2か月連続で増加しており、労働市場に新たな動きが生まれていることがうかがえます。

さらに新規求職申込件数は6,156件となり、前年同月比で2.8%増加しました。新たに仕事を探し始める人が増えていることを意味しており、採用担当者にとっては応募者確保のチャンスが広がる可能性があります。しかし同時に、新規求人は8,047人で前年同月比8.8%減少しました。企業の採用需要が縮小傾向にある中で求職者が増加しているため、これまでの極端な売り手市場から少しずつ変化していることも読み取れます。

新規求人倍率は1.86倍となり、前月の1.79倍から0.07ポイント上昇しました。新規求人のほうが新規求職者数を上回っている状況は変わらないものの、前年同月の2.11倍と比較すると低下しています。採用市場は依然として企業側に厳しい環境ですが、以前ほど極端な採用難ではなくなりつつあるとも考えられます。

ただし、中小企業の採用担当者が注意しなければならないのは、有効求人倍率の低下や横ばいをそのまま採用環境の改善と判断しないことです。求職者が増えているとはいえ、企業が本当に求める人材と求職者側の希望条件には依然として大きなギャップがあります。特に経験者や専門職、管理職候補、技術職については競争が続いており、応募者数が増えても採用成功につながるとは限りません。

正社員有効求人倍率は1.04倍となりました。前年同月の1.16倍から0.12ポイント低下したものの、58か月連続で1倍台を維持しています。正社員を希望する求職者数よりも正社員求人のほうが多い状況が続いていることから、正社員採用に関しては依然として企業間競争が継続しているといえます。

産業別の新規求人状況を見ると、業種ごとの違いが鮮明になっています。運輸業・郵便業は552人で前年同月比17.4%増加しました。物流需要の高まりやドライバー不足が背景にあると考えられます。一方で製造業は742人で7.0%減少、情報通信業は23.6%減少、卸売業・小売業は22.7%減少、医療・福祉は6.4%減少、サービス業は12.0%減少となりました。

特に卸売業・小売業の減少幅は大きく、726人と前年同月から22.7%減少しています。消費行動の変化や人件費上昇への対応として、企業が採用計画を慎重に進めている可能性があります。情報通信業も107人で23.6%減少しており、全国的なIT業界の採用見直しの影響も考えられます。

しかし採用担当者が見落としてはならないのは、求人が減少している業界でも採用競争そのものが緩和されたわけではない点です。むしろ求職者はこれまで以上に企業を慎重に比較しています。給与だけでなく、休日数、働き方、教育制度、福利厚生、キャリア形成の仕組みなどを総合的に評価して応募先を決める傾向が強まっています。

地域別の有効求人倍率にも大きな差があります。2026年4月時点で最も高かったのは大分所の1.21倍です。一方で最も低かったのは日田所の0.87倍でした。別府は0.92倍、中津は0.91倍、佐伯は0.95倍、宇佐は0.89倍、豊後大野は1.01倍となっています。同じ大分県内でも採用環境には大きな違いがあるため、県全体の数字だけで判断するのは危険です。

例えば大分市周辺では求人が多く、企業間の人材獲得競争が激しくなっています。一方で有効求人倍率が1倍を下回る地域では比較的採用しやすい環境に見えるものの、人口減少や若年層流出という課題も抱えています。そのため採用担当者は自社の所在地だけでなく、周辺地域も含めた広域採用の視点を持つことが重要です。

事業所規模別の新規求人状況を見ると、29人以下の事業所では4,942人で前年同月比13.5%減少しました。30人から99人規模では2.1%減少、100人から299人規模では1.1%減少となっています。一方で300人から499人規模は26.5%増加、500人から999人規模も13.5%増加しています。

この結果から見えてくるのは、中小企業の採用活動が全体的に慎重になっている一方で、一部の中堅企業や大企業は積極採用を継続しているという構図です。採用市場では企業規模による格差が広がる可能性もあります。

では中小企業の採用担当者は、この有効求人倍率1.14倍という状況をどのように活用すべきでしょうか。私は採用市場の変化を前向きに捉えるべきだと考えます。これまで応募者が集まらない理由を「人手不足だから」と説明できた時代は終わりつつあります。今後は企業の魅力発信力や採用設計力が採用成果を左右する時代になります。

求職者数が増加している今だからこそ、自社の魅力を具体的に伝えることが重要です。中小企業には経営層との距離が近いことや仕事の裁量が大きいこと、地域社会への貢献を実感しやすいことなど、大企業にはない強みがあります。しかしそれらを言語化できていない企業も少なくありません。

また採用活動を求人広告中心から情報発信中心へ転換する必要があります。採用サイトの充実、社員インタビューの掲載、SNSによる職場紹介、動画による企業文化の発信など、求職者との接点を増やす施策が重要になります。求職者は応募前に企業を詳しく調べるため、情報発信力がそのまま応募数に直結する時代になっています。

さらに採用後の定着支援も重要です。採用市場が多少緩和しても、離職率が高ければ人材不足は解消しません。教育体制の整備や評価制度の透明化、柔軟な働き方の導入などを進めることで、採用と定着の両面から人材確保を進める必要があります。

2026年4月の大分県の有効求人倍率1.14倍は、人材不足が続いている現状を示しながらも、求職者増加という新しい変化を映し出しています。求人市場は転換点に差しかかっており、単に求人を出すだけでは人材を確保できない時代がさらに進むと考えられます。中小企業の採用担当者は倍率の数字だけを見るのではなく、求職者の価値観の変化や地域ごとの労働市場の特徴を理解し、自社ならではの魅力を発信する採用活動へと進化させることが求められています。

⇒ 詳しくは大分労働局のWEBサイトへ

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