2026年7月5日
補助金・助成金, 労務・人事ニュース
2026年10月31日締切のエイジフレンドリー補助金、補助率80%で上限100万円の職場改善支援が中小企業の採用力向上を後押し
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令和8年度エイジフレンドリー補助金
高年齢労働者が安全に働き続けられる職場環境づくりを後押しする「令和8年度エイジフレンドリー補助金」の申請受付が始まっている。高年齢労働者の労働災害防止や健康保持増進を目的とした制度で、設備導入や専門家による指導、熱中症対策、健康づくりの取組に対して補助が行われる。申請受付期間は令和8年5月20日から10月31日までとなっているが、予算額に達した場合は期間中であっても受付が終了するため、利用を検討している事業者は早めの対応が求められる。
この補助金は、高年齢労働者の労働災害防止を推進するとともに、人手不足が続くなかで高齢人材が安心して働ける環境整備を支援する制度として実施されている。対象となるのは中小企業事業者で、労災保険に加入していることに加え、60歳以上の高年齢労働者が常時1人以上就労していることなどが要件となる。近年は定年延長や継続雇用制度の活用が進んでおり、高齢人材の活躍は多くの業界で重要性を増している。そうしたなか、労働災害防止と職場環境改善を同時に進める支援策として注目を集めている。
令和8年度は大きく分けて3つのコースが用意されている。専門家総合対策コース、熱中症対策コース、コラボヘルスコースで構成されており、それぞれ対象となる取組や補助率、上限額が異なる。なお、複数コースを同時に申請することはできず、申請は1年度につき1回までとなっている。申請前にはリーフレットやQ&A、事業実施要領などの確認が必要とされている。
専門家総合対策コースは、職場環境改善や運動指導などを支援する制度で、第1段階と第2段階に分かれている。第1段階では、労働安全衛生の専門家によるリスクアセスメントの実施が対象となる。高年齢労働者の特性を踏まえたリスクアセスメントに必要な経費について補助率5分の4、上限100万円の補助が受けられる。外部専門家ではなく、自社の安全衛生担当者によるリスクアセスメントを実施する場合は、第1段階を経ずに第2段階から申請することも可能となっている。
第2段階では、リスクアセスメント結果を踏まえた労働災害防止対策が対象となる。高年齢労働者の身体機能低下を補う設備や装置の導入、転倒防止や腰痛予防対策、専門家による運動指導などが補助対象として設定されている。補助率は2分の1で、上限額は100万円となる。対象となる高年齢労働者は60歳以上であり、役員や派遣労働者は対象外とされている。
具体的な設備導入では、転倒防止のための床や通路の段差解消、防滑性の高い床材の導入、階段への手すり設置などが対象となる。また、重量物運搬機器やリフトの導入、介護現場での移乗支援機器や入浴介助支援機器の導入も対象に含まれている。高年齢労働者に多い転倒災害や腰痛災害の予防を目的としており、実際の作業環境改善につながる設備整備が支援される。
運動指導等の取組についても補助対象となる。専門家による身体機能チェックを実施した後、その結果に基づく運動指導を行い、さらに改善状況を確認する流れとなる。対象者は高年齢労働者を含む労働者であり、身体機能の維持向上による転倒防止や腰痛予防が期待されている。なお、オンラインによる実施は補助対象外となっているため注意が必要である。
熱中症対策コースは、近年の猛暑対策として注目度が高まっている制度である。対象は60歳以上の高年齢労働者で、補助率は2分の1、上限額は100万円となる。屋外作業時に体温を下げる機能を持つ服や装備、スポットクーラー、アイススラリー専用冷凍ストッカーなどの導入が対象となる。さらに、熱中症の初期症状や体調変化を把握するためのウェアラブルデバイスを活用した健康管理システムの導入も補助対象に含まれている。
熱中症対策については、屋外作業や空調設備のない屋内作業など、高温環境下で働く労働者の安全確保が大きな課題となっている。特に建設業や運輸業、製造業などでは夏季の労働災害防止対策が重要視されており、人材確保の観点からも職場環境改善への関心が高まっている。採用活動においても安全対策への取組を明確に示す企業が増えており、働きやすい職場づくりは求人応募者への訴求材料にもなっている。
コラボヘルスコースは、健康診断情報などを活用した健康保持増進の取組を支援する制度である。補助率は4分の3、上限額は30万円となる。健康教育や研修、システム導入、栄養指導や保健指導などが対象となっており、保険者から提供される健康スコアリングレポートや事業所カルテなどを活用した健康経営の推進が求められる。職場全体の健康づくりを通じて、生産性向上や職場定着率向上につなげる狙いがある。
申請スケジュールにも注意が必要となる。専門家総合対策コース第1段階の申請期限は8月31日までで、随時審査が実施される。一方、第2段階については月ごとに申請受付と審査が行われる仕組みとなっている。熱中症対策コースとコラボヘルスコースも毎月末ごとに申請を取りまとめ、翌月に審査が行われる。交付決定前に発注や購入、工事などを実施した場合は補助対象外となるため、事業者はスケジュール管理を十分に行う必要がある。
補助金の支払請求資料提出期限は令和9年1月31日となっている。この期限を過ぎると補助金の支払いを受けることができないため、事業完了後は速やかな書類作成と提出が必要になる。支払請求時には所定の様式を使用し、必要書類をそろえて提出しなければならない。
対象となる中小企業の範囲は業種ごとに定められている。例えば小売業や飲食業、持ち帰り・配達飲食サービス業では常時使用する労働者数50人以下かつ資本金または出資総額5,000万円以下が対象となる。サービス業では100人以下かつ5,000万円以下、卸売業では100人以下かつ1億円以下、その他の業種では300人以下かつ3億円以下となっている。多くの中小企業が活用可能な制度となっており、幅広い業種で利用が期待される。
近年は高齢化の進行に伴い、60歳以上の労働者が職場を支える重要な戦力となっている。特に人手不足が続く業界では、高年齢労働者の定着や安全確保が経営課題となっている。転倒災害や腰痛災害、熱中症などのリスクを低減しながら働きやすい職場環境を整備することは、既存従業員の定着だけでなく、新たな採用活動にも好影響を与える可能性がある。
今回の補助金制度は、職場環境改善と高年齢労働者の安全確保を同時に進めるための支援策として実施される。申請受付は令和8年10月31日までとなっているが、予算上限に達した場合は受付終了となるため、活用を検討している事業者は早めの準備が重要となりそうだ。
⇒ 詳しくは一般社団法人 日本労働安全衛生コンサルタント会のWEBサイトへ


