2026年8月14日
労務・人事ニュース
AI活用を本格加速へ 2026年7月、人間中心の行政サービス方針を策定
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最終更新: 2026年8月27日 07:04
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最終更新: 2026年8月27日 21:30
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最終更新: 2026年8月27日 21:30
特許庁におけるAI活用の基本方針「JPO AIビジョン」を策定しました(経産省)
2026年7月27日、知的財産行政を担う機関は、業務におけるAI活用の基本的な方向性をまとめた新方針を策定しました。人間中心の原則を守り、情報漏えいや誤情報などのリスクに対応しながら、行政サービスの品質と処理速度を高める考えです。
新方針では、AIを単なる業務効率化の道具として扱うのではなく、知的財産行政の高度化やイノベーションの促進につなげる姿勢を明確にしました。審査を含む幅広い業務について、技術の進展を確認しながら活用可能性を検討します。
知的財産行政のデジタル化は、1990年に世界に先駆けて電子出願システムを構築したことから本格化しました。その後も30年以上にわたってIT化を進め、出願や審査などに関する行政基盤の整備に取り組んできた経緯があります。
AIについては、2017年に策定した行動計画に基づき、業務への導入に向けた検証と活用を進めてきました。今回の方針は、その後の技術革新、とりわけ生成AIの急速な発展を踏まえ、今後の方向性を改めて整理したものです。
生成AIには、文書の整理や情報処理などを通じて、行政サービスの品質と効率を大幅に高める可能性があります。世界各国の知的財産行政でも活用に向けた取組が進んでおり、技術変化への迅速な対応が重要になっています。
一方、AIの利用には、機密情報が外部へ漏れる危険や、事実と異なる内容を出力する問題があります。出願情報などには公開前の技術情報も含まれるため、利便性だけを優先せず、情報管理と正確性を確保する仕組みが欠かせません。
新方針が掲げる目標は、高品質で迅速な行政サービスの提供、責任あるAI活用、AIを活用するための基盤強化です。AIによって業務を支援しながらも、最終的な責任を人間が担う体制を維持する方向が示されました。
AI活用の推進では、生成AIを含む最新技術の動向を継続的に把握し、各業務に最も適した利用方法を探ります。技術の変化が速いことを踏まえ、あらかじめ定めた計画を固定せず、必要に応じて柔軟かつ迅速に見直します。
業務への導入に当たっては、短い周期で検証と改善を重ねる考え方を取り入れます。新しい技術が登場した際にも速やかに評価できるようにし、効果が確認された活用方法を行政サービスへ反映させる方針です。
人間中心のAI活用も重要な柱となっています。AIの出力結果を業務で利用する際には、職員が内容を検証したうえで最終判断を行い、AIだけで重要な行政上の判断が完結しない運用を目指します。
透明性を確保するため、どの業務工程で、どのようにAIを利用しているかについて、必要かつ可能な範囲で情報を開示します。AIが生成した情報を基に提供するサービスについても、行政側が説明責任を負うことを明確にしました。
リスク管理では、出願情報などの機密情報をAIに入力した結果、外部へ漏えいすることがないよう対策を講じます。利用前に想定される危険を洗い出し、問題が発生した場合の影響をできる限り小さくする体制を整えます。
AIが誤った情報を生成する可能性も踏まえ、職員による確認や最終判断が安全対策の中心となります。AIの回答をそのまま採用するのではなく、行政サービスに求められる正確性や公平性を人間が確認する仕組みです。
利用者との継続的なコミュニケーションも進めます。知的財産制度を利用する人や事業者から意見を集め、AIを使った行政サービスの改善へ反映することで、実際の需要に合った活用方法を探る考えとなっています。
海外の知的財産行政を担う機関とも連携し、先行事例や有効な運用方法を共有します。国内では政府や関係機関の方針との整合性を確保し、外部の有識者から助言を受けながら、より効果的なAI活用を検討します。
AIを継続的に利用するためには、技術だけでなく組織の整備も必要です。新方針では、既存の業務手順にとらわれず、AIの特性を踏まえて仕事の進め方や組織の在り方を見直す方針が盛り込まれました。
AIに関する事項を一元的に管理する組織を設け、責任者を定めることで、統一的な管理体制を構築します。導入する技術や利用範囲、リスク対応を組織として管理し、責任の所在が曖昧にならない運用を目指します。
人材育成では、職員全体のAIに関する理解を高めるとともに、新技術を随時導入できる専門人材を育てます。AIを操作する能力だけでなく、出力を評価し、リスクを判断できる知識も求められることになります。
今回の方針は、AI活用の推進、人間中心の運用、リスク対応、国内外との連携、組織づくりという5つの考え方を中心に構成されています。利便性と安全性を両立させ、行政サービスの信頼を維持することが前提です。
2026年7月に示された新方針により、知的財産行政ではAIの利用を一段と加速させることになります。30年以上続くデジタル化の経験を生かしながら、職員による判断と責任を維持した行政サービスを実現できるか注目されます。
⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ


