2026年8月16日
労務・人事ニュース
令和8年6月の有効求人倍率は1.18倍に上昇 福井県1.72倍・大阪府0.96倍から見る採用市場の最新動向
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最終更新: 2026年8月27日 21:30
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一般職業紹介状況(令和8年6月分)について
令和8年7月31日、厚生労働省は令和8年6月分の一般職業紹介状況を公表しました。今回公表されたデータでは、有効求人倍率は1.18倍となり、前月から0.01ポイント上昇しました。また、新規求人倍率は2.16倍となり、前月より0.05ポイント上昇しています。さらに、正社員有効求人倍率も1.00倍となり、前月から0.01ポイント改善しました。わずかな上昇幅ではありますが、企業の採用意欲が引き続き底堅く推移していることを示す内容となっています。一方で、求人市場全体を見ると業種や地域によって状況は異なっており、採用活動を進める企業にとっては全国平均だけでは判断できない局面が続いています。
有効求人倍率は、全国のハローワークに登録されている有効求人数を有効求職者数で割って算出される代表的な雇用指標です。倍率が1倍を超える場合は、求職者1人に対して1件以上の求人が存在することを意味しており、企業側が人材を確保しにくい状況を示します。令和8年6月は1.18倍となったことから、依然として求職者よりも求人の方が多い売り手市場が継続していることが読み取れます。
新規求人倍率も2.16倍となり、前月より0.05ポイント上昇しました。新規求人倍率は新たに受け付けた求人と新規求職者数を比較する指標であり、企業が新たな採用活動を積極的に行っているかを把握するうえで重要です。2倍を超える水準が続いていることは、新たな人材を確保したい企業が依然として多いことを示しています。
今回の公表では、正社員有効求人倍率も1.00倍となりました。正社員求人は企業にとって中長期的な人材確保を目的とするケースが多く、倍率が改善していることは安定した雇用を前提とした採用ニーズが続いていることを表しています。正社員採用を検討している企業にとっては、今後も応募者獲得競争が続く可能性を考慮しながら採用活動を進める必要があります。
有効求人の動向を見ると、季節調整値では前月比0.9%増となりました。一方、有効求職者は前月比0.1%減となっています。求人が増え、求職者がわずかに減少したことで、有効求人倍率が上昇した構図となっています。この結果からも、人材需要は引き続き堅調であり、企業側が採用活動を積極的に継続していることが分かります。
新規求人を前年同月比で見ると、令和8年6月は3.1%増となりました。企業の採用意欲は前年と比較しても高まっており、景気動向や人手不足への対応を背景に採用活動を継続している企業が多いことがうかがえます。ただし、全ての業種が同じように増加しているわけではなく、産業によって明暗が分かれています。
産業別では、サービス業(他に分類されないもの)が前年同月比11.5%増となり、大きく求人を伸ばしました。さまざまな企業活動を支えるサービス需要が拡大していることや、人材不足への対応として積極採用を進める企業が増えていることが背景にあると考えられます。製造業も10.4%増となり、生産活動を支える人材確保への動きが強まっています。また、宿泊業・飲食サービス業は5.4%増となり、観光需要や外食需要を背景に人材確保を急ぐ事業者が増えている状況が読み取れます。
その一方で、情報通信業は6.4%減となりました。デジタル分野は依然として人材需要が高いと見られていますが、採用計画の見直しや事業戦略の変化などによって求人が減少した可能性があります。また、卸売業・小売業は2.6%減、教育・学習支援業は2.2%減となり、業界ごとに採用方針の違いが数字として表れています。このように全国平均だけではなく、自社が属する業界の動向を把握することが採用戦略を立てるうえで重要になります。
地域別の有効求人倍率を見ると、就業地別では福井県が1.72倍で全国最高となりました。一方、大阪府は0.96倍で全国最低となっています。受理地別では東京都が1.70倍で最も高く、神奈川県が0.84倍で最も低い結果となりました。同じ首都圏でも指標には違いがあり、勤務地ベースとハローワークで求人を受理した地域ベースでは状況が異なることも特徴です。
こうした地域差は、企業の採用活動にも大きく影響します。例えば福井県のように求人倍率が高い地域では、企業同士の人材獲得競争が非常に激しくなるため、給与や福利厚生だけでなく、働きやすさや教育制度、キャリア形成支援などを含めた総合的な魅力を伝えることが重要になります。一方で倍率が比較的低い地域であっても、人口減少や若年層の流出など地域特有の課題を抱えているケースもあり、単純に倍率だけで採用難易度を判断することはできません。
企業の採用担当者にとって重要なのは、有効求人倍率を景気指標として見るだけではなく、自社の採用活動にどのように生かすかという視点です。令和8年6月のデータから読み取れるのは、求職者が応募先を選ぶ立場が続いているという現実です。そのため、求人票を掲載するだけでは十分な応募を集めることが難しい企業も少なくありません。
特に中小企業では、大手企業と同じ条件で採用競争を行うことは容易ではありません。しかし、採用活動で重要なのは給与だけではありません。仕事内容を具体的に伝えること、入社後の教育体制を丁寧に説明すること、職場の雰囲気を写真や動画で伝えること、経営者や社員の考え方を発信することなど、応募者が安心して応募できる情報を充実させることで差別化できる可能性があります。
また、中小企業は採用スピードも見直す必要があります。現在の売り手市場では、応募者は複数企業へ同時に応募することが一般的です。書類選考や面接日程の調整に時間をかけ過ぎると、その間に他社で内定が決まるケースも珍しくありません。応募受付から面接、内定までの期間を短縮し、迅速な対応を行うことが採用成功率の向上につながります。
さらに、自社ホームページや採用サイトを活用し、企業理念や仕事内容だけではなく、実際に働く社員の声や1日の仕事の流れ、研修制度、福利厚生などを積極的に公開することも有効です。近年は求職者が応募前に企業情報をインターネットで詳しく調べることが一般的になっており、情報量の差が応募数に直結する場面も増えています。求人票だけでは伝えきれない企業の魅力を発信することで、応募への心理的なハードルを下げることが期待できます。
採用担当者は有効求人倍率の変化を毎月確認しながら、自社が属する業界や地域の状況もあわせて分析することが重要です。例えば全国平均が上昇していても、自社の地域では倍率が低い場合や、逆に業界全体では求人が増加している場合など、採用環境はさまざまです。そのため、全国平均だけを参考にするのではなく、地域別や産業別のデータを踏まえた採用計画を立てることが、限られた採用予算を有効に活用することにつながります。
今回公表された令和8年6月の一般職業紹介状況は、全国平均では有効求人倍率1.18倍、新規求人倍率2.16倍、正社員有効求人倍率1.00倍となり、いずれも前月を上回りました。求人は増加し、求職者はわずかに減少していることから、人材確保をめぐる競争は今後も続く可能性があります。企業には求人広告を出すだけではなく、採用ブランディングや情報発信、応募者対応の迅速化など、多面的な取り組みがこれまで以上に求められるでしょう。有効求人倍率は毎月公表される重要な雇用指標であり、自社の採用活動を見直すための客観的な材料として継続的に確認していくことが、これからの採用成功に向けた大切な一歩になると考えられます。
有効求人倍率の推移は、地域の雇用環境や企業の採用活動を考えるうえで重要な指標です。求人募集を検討している企業の方は、日本全国どこでも対応可能な採用サイト(ATS)の取り扱いにも対応している当社へご相談ください。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ


