2026年9月24日
労務・人事ニュース
障害者虐待610人を認定 2025年度は6.4%減、経済的虐待が83.1%
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「令和7年度使用者による障害者虐待の状況等」の結果を公表します(厚労省)
2026年9月11日、2025年度に職場の使用者による障害者虐待として通報・届出された事案と、その後の対応結果が公表されました。虐待が認められた事業所と障害者はいずれも前年度から減少しました。
2025年4月1日から2026年3月31日までに通報・届出があった事業所は1,663事業所で、前年度より4.4%増えました。対象となった障害者も1,953人となり、前年度比6.9%増加しています。
一方、調査や確認の結果、実際に虐待が認められた事業所は421事業所で、前年度比3.0%減となりました。虐待が認められた障害者は610人で、前年度の652人から6.4%減少しています。
通報・届出の対象が増える一方、虐待認定に至った人数は減少するという結果になりました。ただし、事業所数は通報時期や内容が異なる場合に重複計上されるため、数字を見る際には集計方法にも注意が必要です。
認められた虐待を種類別に見ると、経済的虐待が521人で83.1%を占め、突出して多くなりました。心理的虐待は62人で9.9%、身体的虐待は31人で4.9%、放置等による虐待は9人で1.4%でした。
性的虐待は4人で0.6%となっています。1人に複数種類の虐待が認められる場合があるため、虐待種別の延べ人数は627人となり、実人数である610人とは一致しません。
虐待が認められた人を障害種別で見ると、精神障害が220人で35.7%と最も多く、知的障害が194人で31.4%、身体障害が140人で22.7%、発達障害が26人で4.2%となりました。
その他は37人で6.0%です。障害種別についても複数の障害がある場合は重複して集計されており、延べ人数は617人となっています。障害者手帳を取得していない人も調査上の障害者に含まれます。
就労形態では、虐待が認められた610人のうちパート・アルバイトが272人で44.6%を占めました。正社員は203人で33.3%、期間契約社員は24人で3.9%、派遣労働者は4人で0.7%です。
その他・不明は107人で17.5%でした。パート・アルバイトの経済的虐待は258人、正社員では151人となっており、雇用形態を問わず賃金などに関する問題が確認されています。
虐待を行った使用者は429人で、前年度比2.5%減となりました。その内訳は事業主が359人で83.7%を占め、所属する上司が45人で10.5%、その他が25人で5.8%となっています。
虐待が認められた421事業所を業種別に見ると、医療・福祉が102事業所で24.2%と最多でした。製造業は87事業所で20.7%、卸売業・小売業は58事業所で13.8%となっています。
宿泊業・飲食サービス業は46事業所で10.9%、その他のサービス業は37事業所で8.8%、建設業は32事業所で7.6%でした。特定の業種だけに限られた問題ではないことが数字から分かります。
事業所規模では、従業員5~29人が168事業所で39.9%と最も多く、5人未満が70事業所で16.6%でした。30~49人は47事業所で11.2%となり、小規模な職場も多く含まれています。
100~299人規模は28事業所、1,000人以上でも6事業所で虐待が確認されました。企業規模にかかわらず発生しているため、障害者雇用を行う職場では日常的な管理体制を確認する必要があります。
実際の事例では、障害のあるパート・アルバイトの約定賃金が地域別最低賃金を1時間当たり約600円下回り、経済的虐待と認められたケースが報告されました。事業主には不足分を支払うよう指導が行われています。
心理的虐待では、業務指示を意図的に聞き取りにくく伝え、確認すると怒鳴るなどの事例が確認されました。障害特性を踏まえた業務指示や、障害への理解を深める研修を行うよう指導されたケースもあります。
また、同僚から嫌がらせを受けたことを人事担当者に相談したものの十分な対応がなされず、放置等による虐待と認められた事例もありました。相談を受けた後の対応も職場管理上の重要なポイントとなります。
虐待に対して講じられた措置は658件で、労働基準関係法令に基づく指導などが561件、85.3%を占めました。このうち最低賃金に関する指導などは207件で、全措置の31.5%となっています。
今回の結果は、障害者雇用を採用人数だけで考えるのではなく、採用後の賃金管理、業務指示、相談対応、管理職を含む職場環境まで継続して確認する必要性を示しています。虐待を防ぐ仕組みを実際に機能させることが重要です。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ


