労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 執拗な言動72.1%で最多 2026年10月、企業のカスハラ対応が新ルールに

2026年9月24日

労務・人事ニュース

執拗な言動72.1%で最多 2026年10月、企業のカスハラ対応が新ルールに

広告

悪質カスハラの対処方針を事前整備 2026年10月施行で人事対応に変化

2026年10月1日から、顧客や取引先などによる著しい迷惑行為から労働者を守るため、事業主にカスタマーハラスメント対策を講じることが義務づけられます。接客業だけでなく、幅広い業種や職場が対象となる新たなルールです。

制度強化の背景には、現場での相談件数の増加があります。全国約8,000の企業・団体を対象とした調査では、過去3年間に労働者から顧客等による著しい迷惑行為の相談があったと答えた割合は27.9%でした。

この割合は前回調査から8.4ポイント上昇しています。具体的な行為では、継続的で執拗な言動が72.1%と最も多く、威圧的な言動が52.2%、精神的な攻撃が44.7%と続きました。

影響は現場で働く人だけにとどまりません。迷惑行為による被害として通常業務の遂行への悪影響があったとの回答は63.4%、労働者の意欲やエンゲージメントの低下は61.3%に達しています。

こうした状況を受けて、2025年6月に法律が改正され、カスタマーハラスメントへの対応を労働者個人へ任せるのではなく、事業主が組織として対策する方向へ制度が大きく変わりました。

今回定められたカスタマーハラスメントは、顧客等による言動であり、業務の性質などから見て社会通念上許容される範囲を超え、その結果として労働者の就業環境が害されるものと整理されています。

対象となる「顧客等」は、商品の購入者やサービス利用者だけではありません。取引先の担当者や駅、病院、学校、公共施設などの利用者も含まれ、今後商品やサービスを利用する可能性がある人も対象になります。

また、対面でのやり取りだけが対象ではなく、電話やSNSなどインターネット上での言動も含まれます。企業にとっては店頭や窓口だけでなく、電話対応やオンライン上の接点まで対策範囲を広げる必要があります。

社会通念上許容される範囲を超える例には、商品やサービスと無関係な要求、契約で想定される範囲を著しく超える要求、対応が困難または不可能な要求、不当な損害賠償要求などがあります。

手段や態様が問題となるケースには、暴行や傷害などの身体的な攻撃、暴言や侮辱といった精神的な攻撃、威圧的な言動、長時間の居座り、継続的で執拗な言動などが挙げられています。

ただし、判断は行為の一部分だけで機械的に行うものではありません。業種や業態、業務の内容や性質、労働者の属性や心身の状況など、複数の事情を総合的に考慮することが適当とされています。

2026年10月1日から事業主に求められるのは、まずカスタマーハラスメントに毅然と対応し、労働者を保護するという方針を明確にすることです。内容やあらかじめ定めた対処方法も労働者へ周知する必要があります。

相談体制の整備も義務の1つです。カスタマーハラスメントに関する相談窓口をあらかじめ定め、労働者へ周知したうえで、相談を受けた担当者が適切に対応できる体制を整えなければなりません。

実際に相談があった場合には、事実関係を迅速かつ正確に確認することが求められます。被害が確認された際には、労働者への必要な配慮を速やかに行うとともに、再発防止のための措置も必要になります。

特に悪質と考えられるケースについては、事前に対処方針を決めておくことも重要です。その内容を労働者へ知らせ、実際に必要な対処ができる体制まで整備することが制度上求められています。

さらに、相談者のプライバシーを保護するための措置を講じるほか、相談したことなどを理由に不利益な取り扱いをしないことを明確にし、労働者へ周知・啓発する必要があります。

一方で、顧客側からの要求すべてがカスタマーハラスメントに当たるわけではありません。消費者としての権利や、障害を理由とした不当な差別的取り扱いの禁止、合理的配慮の提供義務にも留意する必要があります。

障害のある人が不当な差別的取り扱いをしないよう求めたり、社会的障壁の除去を求めたりすること自体は、カスタマーハラスメントには当たりません。企業には正当な要望と迷惑行為を適切に区別する姿勢が必要です。

労働者自身にも、問題への理解を深めるとともに、自らが別の事業者の労働者に対してカスタマーハラスメントを行わないよう言動に注意することが求められています。被害を受けた際には早期の相談が重要となります。

今回の義務化によって、企業の対応は「現場の担当者がその都度判断する」方式から、組織として方針や相談窓口、対応手順をあらかじめ決めておく方向へ変わります。採用や人材定着の面でも職場環境を左右するテーマです。

施行日は2026年10月1日です。企業はそれまでに方針の明確化、相談窓口の整備、悪質事案への対処方法、事後対応やプライバシー保護まで確認し、従業員が1人で抱え込まない職場体制を整えることが求められます。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

広告
パコラ通販ライフ
パコラ通販ライフ
PR記事作成サービス受付フォーム