2025年9月16日
労務・人事ニュース
熊本県の令和8年3月卒予定 高卒求人倍率は3.49倍を維持、求人6,698人で人材確保に期待(令和7年7月末日現在)
- 「高給与」/准看護師・正看護師/デイケア/介護施設/夜勤なし
最終更新: 2025年9月14日 23:02
- 「時短勤務可」/准看護師・正看護師/デイサービス/保育園/幼稚園/介護施設
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- 「夜勤なし」/正看護師/眼科/クリニック/ブランクのある方も歓迎
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- 「夜勤なし」/准看護師/有料老人ホーム/介護施設/オンコールなし
最終更新: 2025年9月14日 23:02
令和8年3月県内新規高等学校卒業予定者の職業紹介状況(熊本労働局)
この記事の概要
熊本労働局が令和7年7月末時点で発表した新規高等学校卒業予定者の職業紹介状況によると、県内求人は6,698人で前年同月比3.8%減少し、求人倍率は3.49倍となりました。就職内定者数は3,041人で、県内就職者は1,919人にのぼり、県内就職内定割合は63.1%と、引き続き地元志向の強さが見られました。
熊本県における令和8年3月卒業予定の高校生に対する職業紹介の状況が、令和7年7月末時点で熊本労働局より公表されました。この調査は、県内の高等学校に在籍する新卒者の就職活動の動向を明らかにするものであり、地域の労働市場の現況を示す重要なデータとなっています。今回の報告によると、全体の求人数は6,698人で、前年同月と比べて3.8%の減少となりました。これは、前年の6,960人から262人の減少に相当し、企業側の採用意欲にやや落ち着きが見られるものの、依然として高い求人倍率を維持していることが注目されます。
実際、県内の求人倍率は3.49倍と、前年同月比で0.04ポイントの微減でありながらも依然として高い水準を保っています。これは、1人の求職者に対しておよそ3.5件の求人があることを意味しており、高校卒業予定者にとっては依然として選択肢の多い就職市場が存在していることを示しています。就職内定者数は3,041人で、前年からはわずかに減少しましたが、うち県内就職者が1,919人と全体の約63.1%を占めており、県内企業への定着率の高さがうかがえます。
産業別に見ると、製造業の求人が1,791人と前年から10.0%の減少を記録し、最も多かった前年の水準から後退したことがわかります。特に製造業の中でも、地域に根差した中小企業が多い熊本では、半導体や電子機器関連の生産変動が影響した可能性があります。一方、建設業の求人は1,394人で前年比2.5%の増加を示し、公共事業や災害復興関連の需要が継続していることがうかがえます。
医療・福祉分野は747人で、前年から16.7%の減少となりましたが、依然として構成比では11.2%を占めており、高齢化社会において継続的な人材ニーズがあることを示しています。特に介護サービス職に分類される職種では495人の求人があり、前年より19.0%の減少が見られました。これは介護業界における人材確保の難しさや、離職率の高さなどが背景にあると考えられます。
卸売業・小売業の求人は677人で前年から6.5%の減少、宿泊業・飲食サービス業も318人と前年比16.1%の減少が見られました。これらのサービス業では、インバウンドの回復が全国的に見られる一方で、熊本県内においては観光需要の本格的な回復にはまだ時間がかかっている可能性があります。一方、運輸業・郵便業では234人の求人があり、前年比18.8%の増加を記録しました。これは物流の増加や人手不足に対する対応が背景にあると見られます。
職業別では技能工・採掘・製造・建築従事者が3,338人と全体の49.8%を占めており、引き続き実務系職種への需要が高いことが分かります。とくに建設・採掘・労務従事者に分類される求人は1,193人と構成比の35.7%を占めており、県内におけるインフラ整備や住宅建設の需要が反映された結果といえるでしょう。
企業規模別に見ると、最も多かったのは従業員29人以下の小規模事業者で2,087人の求人があり、全体の31.2%を占めました。次いで30~99人規模の中小企業が1,935人(28.9%)、100~299人規模が1,052人(15.7%)となっており、県内では中小規模の企業が新卒採用の主軸を担っていることが明確です。一方で、1,000人以上の大規模企業からの求人は882人と13.2%にとどまっており、熊本の雇用市場が地元密着型の中小企業に支えられている実態を裏付けています。
また、職業分類で特筆すべきは、生活衛生サービス職業(理美容等)において64人の求人があり、前年比28.0%の増加を記録した点です。これは、美容・理容関連産業が地域密着型のサービスとして一定の需要を保っていることを示しており、若年層の進路選択としての可能性も引き続き高まっています。
さらに、就職内定状況に関しては、県内就職内定者が前年より2.4%減少し、県内希望者数も前年比3.1%の減少が見られました。これは一部の生徒が都市圏での就職を志向していることや、大学・専門学校進学を選ぶ傾向が強まっていることが背景にあると考えられます。ただし、依然として6割以上の就職者が県内に留まっていることから、地域への愛着や生活環境の魅力が一定の影響を与えていることも否定できません。
全体として、熊本県内の高卒新卒者における就職状況はおおむね安定的に推移しており、求人倍率も高水準を維持しています。企業側にとっては、若年層の確保が持続可能な経営に直結する要素であるため、早期の接点形成や職場体験、インターンシップの導入などを通じた採用活動の工夫が必要です。また、若者が安心して働き続けられるような労働環境の整備や、キャリア形成を支援する制度の導入も求められています。
この記事の要点
- 令和7年7月時点での県内求人は6,698人で前年同月比3.8%減
- 求人倍率は3.49倍と高水準を維持
- 就職内定者数は3,041人で県内就職は1,919人、内定割合は63.1%
- 製造業の求人は1,791人で前年比10.0%減
- 建設業は1,394人で前年比2.5%増加
- 医療・福祉分野の求人は747人で前年比16.7%減
- 運輸業・郵便業は234人で前年比18.8%増加
- 企業規模別では29人以下の小規模企業の求人が最も多く2,087人
- 生活衛生サービス職業では64人の求人で前年比28.0%増
⇒ 詳しくは熊本労働局のWEBサイトへ