2025年9月17日
労務・人事ニュース
山形県 令和7年7月の有効求人倍率1.29倍に上昇、正社員求人4,469件で前向きな雇用動向
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最近の雇用情勢について(令和7年7月内容)<新規学卒者を除く>(山形労働局)
この記事の概要
令和7年7月時点での山形県内の雇用情勢について、労働局が公表した統計データをもとに、求人倍率や新規求人数、求職者の動向などを詳細に分析しました。県内では製造業や医療・福祉業界を中心に求人が増加している一方で、建設業や卸売・小売業では減少傾向が見られます。全体としては持ち直しの動きが続く中で、物価高の影響など不安定要素も残されています。
令和7年7月時点における山形県内の雇用情勢は、統計上さまざまな側面から読み取れる重要な転換期にある。最新の発表によれば、有効求人倍率(季節調整値)は1.29倍となり、前月より0.01ポイント上昇した。このわずかな上昇は一見すると安定的な改善の兆しとも取れるが、背景を深掘りすると、各産業分野ごとに明暗が分かれる状況が浮かび上がる。
まず注目すべきは、新規求人倍率が2.06倍となり、前月を0.19ポイント上回った点である。これは新たに求人を出す企業の動きが活発化していることを示しており、特に正社員としての雇用を前提とした求人がわずかに増加している。7月の新規求人数(パートタイムを含む全体の原数値)は8,294人であり、前年同月と比べて0.5%減少したものの、正社員に限った新規求人数は4,469人で、前年同月比で0.4%増となっている。これは新規求人数全体に対する正社員の割合が53.9%に達し、前年よりも0.5ポイント上昇していることを意味する。つまり、企業は全体としてはやや採用を控える動きを見せながらも、正規雇用を前提とした人材確保には前向きな姿勢を示していると読み取れる。
産業別の動向を見てみると、製造業では前年同月比で4.0%の増加となり、1,394人の新規求人があった。製造業は16業種中10業種で前年を上回っており、3か月ぶりに増加に転じている。また、運輸業・郵便業も406人で8.3%増、宿泊業・飲食サービス業は459人で10.1%増、医療・福祉分野では1,667人で5.6%増となっている。サービス業においても1,386人と前年より0.3%増加しており、これらの業種では労働力需要が高まっている様子が見られる。一方で、建設業は前年同月比で7.1%減の890人、卸売業・小売業は18.4%減の877人と、大幅に減少している。この傾向は、原材料費の高騰や人件費の上昇、住宅着工件数の減少といったマクロ経済的要因が影響している可能性が高い。
県内全体の有効求人数(季節調整値)は21,996人で、前月比0.5%減と3か月連続で減少している。また、原数値で見ると21,149人となり、前年同月比で2.9%減と6か月連続の減少である。これに対し、有効求職者数(季節調整値)は17,115人で、前月より0.9%減少しており、5か月ぶりの減少となっている。つまり、求人・求職の双方が減少している中で、わずかながら求人倍率が改善しているという構図である。
求職者の内訳について詳しく見ると、7月の新規求職申込件数は3,713件で、前年同月比で2.9%減少している。そのうち、離職者は2,034人で7.0%の減少、さらにその中でも事業主都合による離職者は458人で22.5%もの大幅な減少を記録している。このことから、企業のリストラや解雇が減少傾向にあると見られる。また、在職者の求職活動は1,328人と3.4%の増加、無業者は316人で1.3%の減少となっている。在職中に転職を検討する人が増えていることは、雇用市場における選択肢の多様化や待遇改善を求める動きの表れとも言える。
正社員に限定した有効求人倍率(原数値)は1.13倍となり、前年と同水準を保っている。これは安定した正規雇用の需要が維持されていることを示すもので、企業側としても即戦力となる人材の確保には引き続き積極的であることがうかがえる。全国と比較しても、山形県の正社員求人倍率は全国平均の1.00倍を上回っており、地方における正規雇用の可能性の広がりを示唆している。
一方で、ハローワークにおける紹介件数は3,510件で前年同月比9.3%の減少、就職件数も1,339件で11.6%減少している。紹介件数・就職件数ともに減少している背景には、企業側が採用に慎重な姿勢を見せていることや、求職者側が希望条件に合致する求人に出会いにくくなっている実情があると考えられる。また、オンラインでの求職活動が一般化したことにより、従来のハローワーク経由の求職活動が減少する傾向も影響している。
雇用保険の受給者数は4,301人となり、前年同月比で5.4%の増加となっている。これは景気の不透明さが影響しており、企業の雇用調整が一部で行われている可能性を示している。また、失業者の一定数が受給対象となっていることで、生活支援の必要性が引き続き高いことも示唆している。
全体として見ると、山形県の雇用市場は依然として慎重な回復基調にあるが、産業別、雇用形態別に見るとさまざまな動きが交錯しており、一様に語ることはできない。物価高騰や経済の先行き不透明感といった外部要因が今後の雇用に影響を与える可能性が高く、行政や企業、求職者の三者が状況を注視しながら柔軟な対応を続けていく必要がある。特に、正社員雇用を中心に人材確保を続けている業界においては、求職者にとっての就職・転職の好機ともなり得るため、地域内での人材マッチングの仕組み強化が一層求められる。
この記事の要点
- 有効求人倍率は1.29倍で前月よりわずかに改善
- 正社員の新規求人数は前年同月比で0.4%増加
- 製造業、運輸業、医療・福祉などで求人が増加
- 建設業と卸売・小売業では求人が大幅に減少
- 有効求人数と求職者数はいずれも減少傾向
- 就職件数・紹介件数はともに前年より減少
- 雇用保険受給者数は前年より5.4%増加
- 求職活動は在職中の人が増える傾向にあり
⇒ 詳しくは山形労働局のWEBサイトへ