2025年9月17日
労務・人事ニュース
令和8年3月卒予定 福島県内高卒求人倍率2.56倍、高水準維持も前年比微減の実態とは(令和7年7月末現在)
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最終更新: 2025年9月16日 09:34
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令和8年3月新規高等学校卒業者の職業紹介状況(令和7年7月末現在)(福島労働局)
この記事の概要
福島労働局は、令和8年3月に高等学校を卒業予定の生徒に関する求人・求職状況を令和7年7月末時点で取りまとめました。求人倍率は2.56倍と前年からわずかに減少し、求人数・求職者数ともに微減傾向となっています。県内就職希望者が減少する一方で、県外希望者は増加しており、若者の就職傾向に変化が見られます。
福島労働局は令和7年7月末時点で、令和8年3月に卒業予定の高等学校新規卒業者に対する求人および求職の状況を集計・公表しました。この統計は、福島県内の各高等学校およびハローワークの協力により集められたものであり、地域の雇用情勢を知るうえで重要な資料となっています。調査結果によると、県内全体での求人倍率は2.56倍と、前年同期の2.58倍からわずかに0.02ポイント低下しました。この数値は、求職者1人に対して約2.5件の求人があることを意味しており、引き続き売り手市場であることに変わりはありませんが、企業側の採用熱がやや落ち着いてきたことも示唆しています。
求人総数は8,546人となっており、前年同期の8,661人から1.3%の減少となりました。これは115人の減少に相当します。一方、求職者数は3,333人で、前年から0.7%(23人)の微減となっています。求人と求職の両方が減少傾向にある中でも、求人倍率が高水準を維持している背景には、労働力不足や人材の地域定着に向けた企業の採用活動が活発に行われていることが挙げられます。
県内での就職を希望する生徒は2,792人で、前年比1.6%(46人)の減少となりました。一方、県外への就職を希望する生徒は541人と、前年から4.4%(23人)の増加が見られました。この結果から、進学や就職で地元を離れる若者の割合が増えつつある傾向が見て取れます。特に、都市部への移動を希望する生徒が少しずつ増加していることが、地方の人口流出にもつながる懸念材料となり得ます。
職業別の求人動向を見ると、最も多かったのは製造・製作系で3,183人、次いでサービス職1,231人、事務職769人となっています。特に製造業においては前年よりも281人減少しており、8.1%の減少率を記録しました。これは企業の自動化や省人化の影響、または人件費の上昇に伴う採用抑制などの背景が考えられます。逆に、医療・福祉関連の求人は631人であり、前年からは60人減少しましたが、依然として高水準を維持しており、安定したニーズが存在することが伺えます。また、飲食や宿泊業においては、観光需要の回復に伴い求人が増加傾向にある一方で、離職率の高さから人材確保が課題となっている状況もあります。
産業別にみても、製造業が3,253人と最も多く、建設業1,649人、小売業1,094人が続いています。ただし、製造業は前年より278人減、建設業も89人減といずれも減少傾向にあります。これに対し、情報通信業やサービス業では求人が増加しており、産業構造の変化が反映された結果ともいえるでしょう。
また、地域別に見ると、中通り地域では5,556件の求人があり、前年とほぼ同水準を保っています。浜通り地域では1,924件と7.1%の減少、会津地域では1,066件で0.9%の微増となっています。特に浜通り地域では、求人減少とともに求職者数が増加しており、労働需給のミスマッチが顕在化しています。地域によって雇用の安定性や求人数の動向が異なるため、企業側は地域ごとの労働市場の特徴を把握したうえで採用戦略を考える必要があります。
求人倍率については、地域によって大きな違いがありました。中通り地域では求人倍率2.81倍と非常に高い数値を示しており、企業が人材を確保するのに苦労している様子がうかがえます。一方で、浜通り地域では2.14倍とやや落ち着いた水準にとどまっており、会津地域は2.35倍となっています。これらの数値はすべて2倍を超えており、全体としては売り手市場が継続しているものの、地域間格差が存在することが浮き彫りになりました。
福島県全体の卒業予定者数は14,520人であり、そのうち就職希望者は3,333人と全体の約23%にあたります。これは大学進学や専門学校進学など、進学を希望する生徒が多いことを反映しています。ただし、高校卒業後すぐに就職を希望する生徒の数は年々減少傾向にあり、就職希望者数も10年前の6,000人超から半数近くにまで減っています。これは少子化の影響に加え、高学歴志向の高まりが背景にあると考えられます。
企業の採用担当者にとっては、こうした統計データは採用計画を立てる上で非常に有用です。求人数が年々減少している中で、質の高い人材を確保するためには、早期からの企業説明会や職場見学の実施、インターンシップの受け入れなど、積極的な採用活動が求められます。また、県外流出を防ぐためにも、地元で働くことの魅力やキャリアパスの提示など、高校生に向けた情報発信が一層重要になります。地域密着型の採用戦略を展開することで、若者の地元定着と企業の持続的成長の両立が期待されます。
この記事の要点
- 福島県の高卒求人倍率は2.56倍と高水準を維持
- 求人総数は8,546人、求職者数は3,333人でいずれも減少傾向
- 県外就職希望者は前年比4.4%増とやや増加
- 職業別では製造・サービス・事務職に求人が集中
- 産業別では製造業が最多だが前年比では減少
- 地域別求人は中通り地域が最も多く、浜通り地域での減少が顕著
- 求人倍率には地域差があり、中通りが最も高い2.81倍
- 卒業予定者の約23%が就職を希望し、進学志向が強まる傾向
- 企業は採用活動の早期化と地元定着のための施策が重要
⇒ 詳しくは福島労働局のWEBサイトへ